もう少しで卒業式シーズンですね。我が家の娘も小学校を卒業しますが「卒業式に出たくない」と年末頃から悩んでいます。本記事では『卒業式に出たくない』気持ちがある発達障害・グレーゾーンや不安の強い子の心境から、子どもの寄り添い方をお伝えします。
1.卒業式に出たくない子どもを持つママへ
3月に卒業式を迎える子どもを持つママへ
お子さんのご卒業おめでとうございます!
卒業式、段々と近づいてきましたね。
お子さんに「卒業式行きたくないな」「どうしようかな」と悩んでいる様子は見られませんか?
一生に一度の卒業式、子の晴れ姿を見たいけれど辛い思いもしてほしくない…
そんな思いを持つママはいませんか?
このような悩みを持つお子さんは発達障害・グレーゾーンや不安が強い子に多く見られます。
お子さんの卒業式をどうするか悩むところですよね。
当日参加する子、別室で卒業証書をもらう子、卒業式が終わってから卒業証書をもらいにくる子など様々だと思います。
親、先生方、本人のそれぞれの思いがあり本人の意志も大切にしてあげたいですね。
この記事では、我が家の不安が強い娘の実例を元に卒業式に向けての対応をお伝えします。
参考になりましたら幸いです。
2.発達障害・グレーゾーン、不安が強い娘の卒業式問題
我が家には今年3月に小学校を卒業する娘がいます。
娘には特性があり、発達障害・グレーゾーンで場面緘黙症、感覚過敏(聴覚が最も強く出ています)があります。
不安や緊張が強く、これらは自分でコントロールできません。
また、人に注目されることをとても嫌います。
卒業証書授与なんて避けたいポイント目白押しです。
注目された状態で歩く、返事をする、大勢の前で壇上に上がり卒業証書を受け取るなんてどれもハードルが高すぎます。
また娘は、緊張が高まると固まって動けなくなります。
そして、聴覚過敏もありザワザワする場所が苦手です。
大勢の人が集まる場所やイベントは極力避けます。
イヤーマフやイヤホンをして参加する手もありますが、本人が必要性を感じないとそこまでして参加する意味がわからないと言い参加してくれません。
そんな娘は卒業式には絶対行くつもりはないようです。
「卒業式なんてただの式でしょ、別に出席しなくても良い。困らないし。」
「卒業証書もいらない。欲しいとも思わない。」
言葉ではこう言いましたが、普段と違う雰囲気や大勢の前では緊張するので行きたくないのが本心のようです。
辛い思いまでして欲しいものでもないし、出席する意味がわからないと言うのです。
担任の先生や校長先生は、『6年間頑張った証として娘の希望に添える形で卒業証書を渡したい』との希望を伝えてくださいました。
私は、普段の娘の様子から卒業式には参加しないだろうと思っていましたが、卒業式の思い出が全くないのもなぁ…と考えてしまいます。
娘の通う小学校では卒業式前に在校生からの卒業生を送る会があります。
卒業式当日は式以外にも、卒業アルバムに友達や先生がメッセージを書きあったり、在校生の輪を潜りながら玄関までお見送りや、
玄関の外で同級生や先生方と写真をとって、こっそり友達とLINE交換したり、お友達と卒業おめでとう会をしたりと、様々なイベントが目白押しです。
私達には楽しいイベントでも人と関わるのが苦手な娘にしたら、できるなら避けたい所です。
3.発達障害・グレーゾーンの子の思考の癖
発達障害・グレーゾーンや不安の強い子は、思考の癖が『0-100思考』の子が多いです。
やるかやらないか。
少しできた位じゃ納得がいきません。
全部出来ないと、不安が全くない状態じゃないと『やろう!』思うことが難しいのです。
また、嫌な記憶も覚えているので、今までの経験を0-100思考で失敗体験と本人が認識していることが多いため物事に消極的になりやすいです。
少しでも不安を感じる事があると、決まって『やらない』
周りの子ども達が楽しみにする遠足や運動会などのイベントも、初めての場所や大勢の人がいるので『やりたくない』
前回出来たことでも周囲の環境が変わると、後一歩が踏み出せません。
卒業式なんていつもと違う雰囲気で保護者もたくさんいますし、注目されますよね。
緊張のあまり頭が真っ白になったり、順番間違えたらどうしよう…と考える癖がついているので、自分で自分を追い込むことになります。
「保護者は我が子にしか興味ないから誰も自分のことなんて見ていない」
「気にしないで!そのうち終わるよ」
とは思えないのです…。
こう思えたらどんなに楽か…。
4.卒業式に出たくない子どもに寄り添う祝い方!
卒業式には出たくない子を持つママ、一生に一度の記念日に思い出を作ってあげたい!という気持ち、よくわかります。
卒業式に無理して出席する意味ってなんでしょうか。
子どもが辛い思いをして記念のために卒業式に出るのはオススメしません。
卒業式当日に欠席するのはもちろん可能です。
体調不良などやむ終えない場合もありますし、学校側は受け入れてくれると思います。
式に出ても出なくても卒業には変わりありませんよね。
代わりにお子さんの喜ぶことでお祝いするのはどうでしょうか。
お家でパーティーをしたり、プレゼントを用意したり、子どもにとって良い記憶となるように『卒業の思い出』を作りませんか?
「苦手な学校、よく卒業したね」「今まで頑張ったね」と労ってあげることで卒業を祝うのもアリではないでしょうか。
我が家では、先生方や親の思いを娘に伝えた上で、一番は「あなたの気持ちを大事にしたい」と伝えました。
我が家の卒業プランはこちらです。
・卒業生を送る会は別室にてリモートで参加します。
・卒業式当日は欠席予定(人が大勢の場所には行きたくない。式にこだわる必要はない。)
・卒業証書は最後の授業の時に校長先生から渡していただきます。
ピリピリとした雰囲気や表情、声色に敏感で周囲の人の緊張までもを受け取ってしまう 娘なので、緊張する場面は作りません。
服装もあえていつもの格好で渡す場所も娘の教室で、ミニ卒業式をします。
・卒業おめでとう会は娘が望む形でやろうと思います。
外食にするか、家でパーティーをするのか、娘の行きたい所に外出するのか考え中です。
このように予定を組んでいますが、不安の強い子はいつ何時も『安心』が最優先です。
式に出席する子、しない子様々ですが卒業式までにまだ時間はあります。
当日卒業式に参加する子は、本人の不安が少なくなるように個別でリハーサルをしてみる、学校にある去年の卒業式の映像を見せてもらう、当日のプログラムを見せてもらい心づもりをしておくなどできることはあります。
悔いが残らないように学校の先生方やお子さんとよく相談されてくださいね。
執筆者:田中さくら
発達科学コミュニケーション リサーチャー