夜驚症(やきょう症)とは?発達障害との関係性と家庭でできる毎日の対応について

夜驚症
夜驚症(やきょうしょう)は、夜寝ている時に突然起き上がったり、意味のわからない言葉を発し、パニックを起こしたりする睡眠障害の一つです。脳が発達途中の3歳〜8歳ごろの子どもに現れやすいと言われています。本記事では、我が子が夜驚症になった経験談を元に、発達障害との関係性と家庭でできる毎日の対応についてご紹介します。
 
 

1.夜驚症(やきょう症)とは?

 
 
皆さんは夜驚症(やきょう症)という言葉を知っていますか?
 
 
その名の通り、夜驚症とは睡眠時に悲鳴や叫び声をあげて突然覚醒し、極度のパニックを起こす睡眠障害の一つです。
 
 
睡眠時驚愕症(すいみんじきょうがくしょう)ともいいます。
 
 
夜驚症の症状は、眠りについてから目覚めるまでの最初の3分の1以内の時間で起こります。
そして、1回のパニック状態の多くが1~10分続きます。
 
 
パニックを起こしている間に家族などが話しかけても、子どもは無反応である場合が多く、目を覚ました後は、その時の状況をほとんど何も覚えていません。
 
 
夜驚症・睡眠時驚愕症は医学的にはアメリカ精神医学会の『DSM-5』(精神疾患の診断・統計マニュアル)で定義されており
 
 
「睡眠時驚愕症型」として「睡眠時随伴症群」のうちの「ノンレム睡眠からの覚醒障害」の中に分類されています。
 
 
夜驚症
 
 

2.夜、突然パニックになる我が子にどう対応したいいかわかりませんでした…。

 
 
私の娘は、発達障害グレーゾーンで、自閉スペクトラム症の傾向があります。
そのため、とても不安の強い子で母子分離不安もあります。
 
 
そんな発達障害・グレーゾーンの娘ですが、就学前の5歳の頃に夜驚症の症状が現れました。
 
 
初めて、夜驚症の症状が出た時、私は「何かが乗り移ったの⁈」「心霊現象か⁈」と思うくらい、本当にびっくりしてしまいました。
 
 
娘の夜驚の様子は以下の通り
 
 
①ぐっすり寝ていたのに突然泣き叫ぶ
→突然大きな声で泣き叫ぶので、一緒に寝ていたきょうだいたちが怖がって、大変困りました。
 
 
②正座して、布団の上を飛び回る
→何かの儀式みたいな動きを繰り返す…。ちょっと怖かったです。
 
 
③言葉ではない言葉を繰り返す。
言葉ではない言葉を繰り返す…。宇宙と交信してるのか?と正直思いました。
 
 
④10分くらいすると我に返り、治まったらトイレに行く。
→トイレに行ったら落ち着くとわかってからは、なるべくトイレに促すようにしました。
 
 
⑤話しかけても無反応
→ひどく怯えている様子にも見える表情でした。
 
 
⑥翌日の朝、本人は全く覚えていない
 
 
高熱が出た時は必ず夜驚症の症状が出る
 
 
⑧運動会や発表会などの行事の前になると夜驚症の症状が出る。
 
 
当時、夜驚症について知識が全くなかった私は、異常な行動を起こす我が子のことが毎日心配で仕方ありませんでした。
 
 
医者に相談しても「様子をみましょう」と言われ、どう対応していいかもわからず。ネットで検索しても、夜驚症を治す具体的な方法は見つかりませんでした。
 
 
毎晩、心配でゆっくり眠れないし、他のきょうだいたちも娘と一緒に寝ることに不安を持っている…
 
 
家族みんな夜驚症に振り回された大変な毎日を過ごしていました。
 
 
振り回される家族
 
 

3.発達障害・不安が強い子どもは夜驚症になりやすい因子を持っている。

 
 
子どもの夜驚症は、睡眠から覚醒するための脳の機能が発達途中にあることが原因とされています。
 
 
脳が日中の刺激ストレス緊張などをまだ処理しきれていないまま眠りにつくと、脳の情報処理と肉体の睡眠が不具合を起こし、夜驚症の症状が現れます。
 
 
・怖い体験
・恐怖映画
・すごく驚いた
・初めての体験
・ストレスが多い
・疲れている
 
 
など、日中のストレス、不安、緊張などを感じ続けている子が発症しやすいようです。
 
 
不安が強い子どもは夜驚症になりやすい因子を持っていると言えるでしょう。
 
 
また、発達障害の子どもは、睡眠障害を合併しやすいとも言われています。
 

 

詳しい理由はまだ解明されていませんが、発達障害の子どもは、脳の成長の過程において睡眠と覚醒を司る神経の機能不全の可能性が考えられます。

 

 

また、発達特性から生じる注意力の低下や対人関係のストレス、気分の状態なども睡眠に影響されることも推測されます。

 
 
なぜ?
 
 

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4.子どもが毎日安心して眠れるようになるためにママができる対応とは?

 
 
「毎日続く夜驚症をどうにか治したい!」と思った私は、発達障害・グレーゾーンの娘の夜驚症に「不安」が大きく関連していることに着目し、不安を安心に変えるための対応『見守り作戦』を実践することにしてみました。
 
 
今、お子さんの夜驚症で悩んでいるママがいたら…
 
 
夜驚症の基本対応として、3つの基本の「見守り」をぜひ行ってみてください。
 
 

◆対応 その① 危険がないように「見守る」

 
 
夜驚症の症状が出た時は、危険がないように「見守る」ようにしましょう。
 
 
夜驚症の症状が出ている間は、いくらママが声をかけても、お子さんは何も反応しません。
 
 
なので、お子さんが顔や体をぶつけたりしないように、壊れやすい物は片付け、周囲を安全な状態にして症状が治まるまで見守ってあげて下さい
 
 
2段ベッドなどで寝ているお子さんは、万が一のため、夜驚症の症状が出ている時期は、安全を確保してから寝るようにしてあげましょう。
 
 
症状が治ったら、安心できるように手を握ってあげたり一緒に寝付くまで添い寝してあげるといいでしょう。
 
 
大抵の場合、夜驚症の症状が出た後は、子どもは何事もなく、またぐっすり寝てしまいます。
 
 
朝、起きた時には、騒いだことや動き回ったことを子どもは全く覚えていません。
不安をあおってしまうので、夜驚が起きていることは子どもには言わないほうがよいでしょう。
 
 

◆対応 その② がんばりすぎていないか「見守る」

 
 
日頃の生活の中でがんばりすぎてないかママがしっかり「見守る」ようにしましょう。
 
 
不安が強い子どもの夜驚症は、がんばり過ぎているサインであることが多いようです。
 
 
子どもが何にがんばりすぎているのか、何に不安を感じているのかをよく観察し、日頃のママとの関わりを少し変えてみましょう。
 
 
関わりを変えると言っても特別なことをするわけではありません!
 
 
ママ自身が心の中で、「ママはあなたの気持ち、わかっているからね」と全面受け入れ体制を整えるだけでOKです!
 
 
そして、日頃より少し多めにスキンシップをとることを心がけましょう。
 
 
言葉にしなくてもスキンシップをとることで、子どもは「ママは私のことを受け入れてくれている」と十分感じることができます。
 
 
ママがスキンシップをとらなきゃ!とあまり意気込んでしまうと、敏感な子は特に「あれ?ママがいつもと違うぞ」と違和感を感じかもしれないので、あくまでも、日頃より少し多めでOKです。
 
 
・寝る前に、手を繋いで寝る。
・「行ってらっしゃい」「おかえり」の時はハグをする。
・ママのお膝に座らせて、絵本を読む。
・「大好き」と抱きしめる。
 
 
日頃の子どもとの何気ない触れ合いの中にスキンシップを入れてみましょう。
 
 
お子さんの年齢によって、できるスキンシップは変わって来るかもしれませんが、どんな年齢になってもできるスキンシップはあります!
 
 
お子さんに合ったスキンシップを探してみましょう。
 
 

◆対応 その③ 過度に心配せずに「見守る」

 
 
夜驚症の対応として、ママは過度に心配せずに「見守る」ことがとても大切です!
 
 
毎日夜驚が続いて、ママも心配で眠れない。目に見えて何が原因かわからない、具体的な対応策もない夜驚症。
 
 
「どうにかしてあげたい!」と心配するママの気持ちが痛いほどわかります…。
 
 
しかし、夜驚症の対応で一番してはいけないのが、ママが不安になりすぎること。
 
 
ママが心配していることをあからさまに態度に出すのはやめておいた方がよいでしょう。
 
 
「どんなことに不安を感じているのかしら?」
 
 
そう思って、根掘り葉掘り、困っていることがないかお子さんに直接聞いたりすることがないようにしてくださいね。
 
 
お子さん自身、不安であることやがんばりすぎていることをを自覚していない場合もありますから。
 
 
特に不安が強い子どもはママの心の動きに敏感です。
ママが過度に心配したり、不安が強い状態だと、その不安が子どもに伝染してしまいます。
 
 
夜驚症のほとんどは、成長と共に症状が落ち着きます。
 
 
私も上記の3つの「見守る」方法を実践し、夜驚症の症状の様子を見ました。
 
 
夜驚症の症状としては、はじめの方は、夜驚を起こしている時間が長く、行動も「飛び跳ねる」「歩き回る」などの大きな動きとともにパニックになることが多かったものの
 
 
段々、時間も短くなり「座ったまま意味のわからないことを叫ぶ」「正座して一点を見つめる」など動きが小さくなっていき症状は治まっていきました
 
 
頻度も徐々に少なくなっていき、半年ほどで症状が出なくなりました
 
 
小学生になった今は、夜驚を起こすことは全くありません。(発熱時も起きません。)
 
 
この記事を読んで、ママ自身が夜驚症に対しての不安を解消し、少しでも心を楽に夜驚症を「見守る」ことができるようになってくれたら幸いです。
 
 
手を繋いで寝る
 
 
 
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