何をやるにもママべったりで一緒じゃないと行動できないお子さんはいませんか?それは母子分離不安かもしれません。私は発達科学コミュニケーションに出会い、ママべったりな母子分離不安の息子に必要だったことを知ることができました。ママべったりだった私の息子の成長の記録をご紹介します。
1.1人で行動できないお子さんに困っていませんか?
✓小学生になっても1人で外出ができない
✓友達と公園に遊びにすら行けない
✓小学生になってもママべったりで離れない
そんなお子さんの様子を心配しているママはいませんか?
私は、息子が小学生になれば、当然、1人で公園に行って友達と遊んでくるはず…だとずっと思っていました。
放課後や休日は「行ってきます!」と外へ飛び出し元気に遊んでくるものだと…
しかし、実際には私の息子は小学生になっても、1人で外出すらできず、友達と公園なんて夢のまた夢の話でした。
2.ママべったり…になってしまった息子
私の息子は小学校1年生の3学期から不登校になり、どこに行くにも私が一緒にいないとダメになってしまいました。
・家の中でも私の近くにいようとする
・私が外出するのを嫌がる
・お姉ちゃんと私が話していると間に割り込んでくる
・家の中で私の姿が見えないとすぐに探す
・私と一緒じゃないと外出できない
・当然公園に行くにもママべったり
・遊ぶ時もママべったり
というような生活になってしまいました。
公園に行くとしても、他の子たちがいない時間に遊びに行き、他の子たちが来はじめると家に帰るというような状態。
私に1人の時間はなくなりました。
3.母子分離不安という言葉との出会い
息子は自閉スペクトラム症(ASD)と母子分離不安の特性を持っています。
そのために小学校1年生の3学期から不登校になりました。
しかし、不登校になった当初は診断がついていなかったため、なぜ学校に行けなくなってしまったのか全く理解できませんでした。
夜な夜なネット検索をし、発達科学コミュニケーションのサイトを見つけました。
そこで、母子分離不安という言葉と出会いました。
我が子の状況と同じである…、他にも同じ経験をしているママがいる!と安心した記憶があります。
発達科学コミュニケーションを学び始め、ASDや母子分離不安の子どもたちは、不安を感じやすい特性があることを知りました。
母子分離不安は、子どもがママと離れることに不安を覚えることです。
3歳未満の母子分離不安は発達段階において普通に起こるものなので、特別問題視しなくても良いと言われています。
2歳頃にはママが見える所にいなくても、ちゃんと存在していることが分かるようになり、徐々にママと離れていても大丈夫と認識できるようになります。
しかし、ASDの子はママがいなくても大丈夫と認識できるまで時間がかかってしまうのです。
その理由として、以下の理由があげられます。
①そもそも不安を感じやすい特性がある
②ママが見ていてくれる…という他者視点が持てない
もう少し詳しく説明します。
◆①そもそも不安を感じやすい
ASDには不安を感じやすい特性があります。
予定の変更や見通しの立たない出来事、初めての場所や人、こだわりやマイルールが通用しない時などにストレスを感じることで不安が強くなっていきます。
ストレスを感じた脳波、自分を守ることに精一杯で、考えたり行動することが出来なくなります。
そして、さらに危険がないか敏感に反応するようになるのです。
そのために不安を感じやすくなるというわけです。
◆②ママが見ていてくれる…という他者視点が持てない
他者視点とは、他人の視点を理解することです。
社会的なコミュニケーションでは重要な能力になります。
他者視点が持てないということは、ママが自分のことを見ていてくれるという視点が持てないということ。
ママと離れていても大丈夫という安心感を得られないために不安が募ると言うことになってしまいます。
①②の理由から大きくなっても母子分離が上手くいかず、母子分離不安が続く状態になってしまうのです。
また、分離不安をそのままにしておくと分離不安症へと移行することもあります。
分離不安症とは、分離不安が続き生活に支障が出ることです。
不登校になってしまった息子は、分離不安症へと移行してしまったのです。
4.不安の強い母子分離不安の息子に必要だったもの
息子の不安を軽減させるために一番にやらなければいけないことは、息子に安心感を与えること。
私は看護師として病院に勤務。
三交代のため夜勤もあり、普通に残業もあります。
夜勤に行く時の息子は後追いがひどく、泣いているのに無理矢理出勤することもありました。
その寂しさに耐えられる子は問題ないと思うのですが、息子はそれに耐えられませんでした。
もっと早くに気づいてあげればよかったと後悔しています。
そのために、私は仕事を休職するという選択をしました。
そして、一緒に過ごす時間が多くなった分、今まで以上に3Sで接することに力を入れました。
3Sとは、
smile(笑顔)
sweet(優しく)
slow(ゆっくりと)
のことです。
仕事をしていた時は時間に余裕がなくあわただしく生活していたので、3Sが大事であることは分かっていたのですが、意識して接する余裕もありませんでした。
一緒に過ごす時間を多くすることと、3Sで接することを意識しての生活が始まりました。
5.ママべったりだった息子に起きた変化
休職して息子と過ごすようになってから1か月過ぎた頃から、息子の行動範囲が広がってきました。
まず、1人でおつかいに行けるようになりました。
お願いした物と自分の食べたい物を買ってくるのですが、渡したお金で足りるように計算して買ってきます。
さらに1か月過ぎた頃には、より遠いお店まで買い物に行けるようになりました。
それと同時に、「オレ1人で公園行ってみてもいい?」と言うようになり、実際に1人で公園へ行くことができたのです!
誰と遊んでいるのか気になり聞いたところ、自分から公園にいる子に「一緒に遊んでもいいですか?」と声をかけて遊んでもらったとのこと。
まさに目から鱗が落ちる思いでした。
お友達と遊ぶことが楽しくなった息子は、お天気が良ければ公園へ出かけるようになりました。
息子と過ごす時間を増やし、3Sでの対応を意識して、こんなに効果が現れるとは思ってもみませんでしたが、今までが寂しすぎたのかもしれません。
息子に安心感を与えることができた結果だと思っています。
少しですが、私にも1人の時間が持てるようになりました。
1人の時間にやりたいことができる環境がどれだけ貴重なものであるか気づくことができました。
もし、ママべったりでなければ行動できないというお子さんがいらっしゃったら、お子さんの不安な気持ちを優先してほしいと思います。
お仕事を休んで欲しいというわけではありません。
家にいる時間で、お子さんの不安な気持ちをくみ取って寄り添って欲しいのです。
息子のように不登校になる前に、早めの対応ができるよう、私の体験を活かしていただきたいです。
執筆者:せがわよしか
発達科学コミュニケーション トレーナー