理解してほしい!発達障害・グレーゾーンの子が疲れやすい理由とサポート方法

笑顔
子どもが『疲れやすい子』と感じる時はありませんか?発達障害・グレーゾーンのお子さんは少し我慢したら出来てしまうので頑張りすぎてしまうことがあります。疲れやすい子どもの原因と親子のサポート方法をお伝えします。
 
 

1.すぐに「疲れた〜」と言う子はわがままなの?

 
 
子どもとちょっとそこまで買い物に行っても
 
 
「疲れた〜。」
 
 
「早く帰りたい〜」
 
 
自分が行きたい所は張り切って行くのに、ママが行きたい所は付き合ってくれない。
 
 
わがままにも見える子どもの行動
 
 
しかし、本当に疲れやすい子がいるんです!
 
 
この記事では、疲れやすい子の原因と接し方、サポート方法をお伝えします。
 
 
同じように悩まれている人の参考になりましたら幸いです。
 
 
疲れた
 
 

2.発達障害・グレーゾーンの子どもが疲れやすい理由

 
 
実はこの『疲れやすい』ということは、発達障害・グレーゾーンの子の特徴でもあります。
 
 
特有の課題を抱えており、これが疲労感に影響を与えることがあります。
 
 
やっかいなことに、発達障害・グレーゾーンの子はものすごい疲労と引き換えに定型発達の子のように振る舞うことができるのです。
 
 
目に見えないからこそ周りが気づいてあげないと、生まれつきのものなので自分だけが辛い状態と言うことに本人も気がついていない…なんてこともあります。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子が疲れやすい主な理由はこちらです。
 
 

①環境に合わせるために神経をすり減らしている

 
 
定型発達の子の場合、何気なく・自然に・無意識にできることでも、発達障害・グレーゾーンの子は頭や心や体をフル回転させて対応していることがよくあります。
 
 
何気ないコミュニケーションの中でも空気を読もうと色々考えたり、我慢したり、気を使いすぎたり。
 
 
授業中にじっとする、話を集中して聞く、板書するなど、当たり前と思えることも神経を張り巡らせて取り組んでいるかもしれません。
 
 
そのため周囲から見たら「普通にしているだけ」でも、それだけでたくさんのエネルギーを消費している可能性があります。
 
 
「ちょっとしか動いてないのに、なぜ?」と不思議に見えてしまうのです。
 
 

②刺激に対してストレスを感じやすい

 
 
発達障害・グレーゾーンの特徴の一つに感覚過敏があります。
 
 
家の前が常に工事中だったらうるさく感じ、イライラしてしまいますよね。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子は、常に騒音や刺激の中で過ごしている状態です。
 
 
音だけではなく、触れるもの、食べるものなど、見るもの、においなど色々なものからの刺激に敏感なので、新しい事に挑戦するのが苦手で毎回同じものを好むのはこの特性のせいなのです。
 
 
人が多い学校なんてその場にいるだけで疲れてしまうのが想像できると思います。
 
 
特に休み時間なんて、あっちこっちから元気な声が聞こえ、賑やかな反面、聴覚が過敏な子にとったら苦痛の原因になります。
 
 
色々な音が重なって聞こえたり、大音量で聞こえることがあります。
 
 
また、口の中の食感が苦手で、給食も食べれないものがまだまだあるかもしれません。
 
 
残す理由がワガママではないことを分かってもらうのに、苦労することもあります…。
 
 
他にも制服がチクチクして着れないことや自分だけが感じていることを、周りの大多数の人は感じてないので理解を得にくく、分かってもらえないとストレスが大きくなるでしょう。
 
 

③身体を2つ以上、同時に動かすことが難しい

 
 
極端に不器用だったり、力加減を調整することが苦手だったりするため、「服を着る」「靴ひもを結ぶ」といった日常的に行われるような動作でも苦労し、疲労感を覚えやすい傾向にあります。
 
 
軍手を3枚重ねてあまり関節が動かない状態で生活してくださいと言われているようなものです。
 
 
人の何倍も神経を使い、動かしづらい身体を動かすことは、それだけでヘトヘトになってしまいますし、ストレスも溜まってしまうのです。
 
 

④活動量が多くエネルギー消費が激しい

 
 
ADHD(注意欠陥多動性障害)には、思考や行動のコントロールが効きにくいという特徴があります。
 
 
身体が動く、必要以上に考えてしまうなど、日常的に費やしているエネルギー量が他の人よりも多い傾向にあります。
 
 
また、単純な活動量の問題だけでなく、その衝動性をコントロールすることに神経をすり減らして疲れてしまう例も多いです。
 
 
動いていた方が落ち着く子が、理解を得られないまま授業を受ける場合、気をつけて欲しいことがあります。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子は自分でどうにか抑えることができてしまうのです。
 
 
その代償が家での暴言暴力になったり、疲労度が高くYouTubeをゴロゴロ見てるしか対処法が見つけられていなかったら…。
 
 
子どもは疲れてるのにママの目にはそうは映らずに、ガミガミママに変身、なんてことも。
 
 

⑤体や脳・心のON・OFFのコントロールが難しい

 
 
発達障害・グレーゾーンの子は、ONとOFFを上手にコントロールすることが難しいと言われています。
 
 
「けっこう寝てるはずなのに?」と感じていたとしても、興奮状態が続いて寝つきが悪かったり、布団の中にいてもあまり寝ていない可能性があります。
 
 
また、ロングスリーパーと言われるくらい10時間近く寝ている子もいます。
 
 
睡眠不足が続くと身体に疲れも溜まり、体調にも悪影響があります。
 
 
お子さんが疲れている状態が長く続くようであれば、睡眠に問題がある可能性があります。
 
 
理由
 
 

3.『疲れた』が口癖の 発達障害・グレーゾーンの娘

 
 
私には発達障害・グレーゾーンの傾向がある中学生の娘がいます。
 
 
小さい時から『疲れた』が口癖で、ちょっとしたことで『疲れた』『もう嫌』『帰りたい』とこんな事ばっかり言っている子でした。
 
 
今でこそ娘の苦手なことがわかりますが、幼少期なんて特性があることにも気が付きませんでした。
 
 
そもそも娘自身も自分の感覚が他人と違うことに気がついたのは高学年になってからです。
 
 
それまでは、『みんなよく我慢できるよね』『自分一人だけワガママ言っちゃいけない』と思っていたそうです。
 
 
娘は発達障害のグレーゾーンの傾向があるため、少し我慢すればその場を乗り切ることができてしまうのです。
 
 
これがストレスとなり、癇癪や暴言暴力、下の兄弟をいじめるなどストレス発散の吐口が段々と手のつけられないように悪化していきました。
 
 
それまでは、環境に慣れようと頑張っていたけれど身体が限界にきてしまい、小3の時に急に不登校になってしまったのです。
 
 
不登校になった当時でも娘に何が起きているのかさえわからず、理由を聞いても娘自身が特性に気づいていなかったため不登校の原因を突き止めることができませんでした。
 
 
娘が他の兄弟と違うと思ったのは、
 
 
・保育園や小学校に行きたがらなくて毎日登園・登校しぶりをしていた
 
・外では大人しいのに家ではストレス発散するかのように暴れる、癇癪をしょっちゅう起こす
 
・ママから離れない
 
 
などです。
 
 
外ではなんとか頑張ってみんなに合わせようとするから良い子に見えてしまいます。
 
 
その反動が家で大爆発。
 
 
そのせいで、先生方に相談しても「ママに甘えているんですよ」と真剣に聞いてくれず…。
 
 
家の中の豹変ぶりを伝えても、伝わり切らないもどかしさ。
 
 
分かってもらえず、対応にますます困り、うまくいかない日々に自信をなくしていきました。
 
 
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4.疲れやすい発達障害・グレーゾーンの子どもへの接し方とサポート方法

 
 
発達の特性があるなしに関わらず、子どもは外で頑張っていることをママは知っていると思います。
 
 
外で頑張っている分、家の中ではゆっくりしてほしい。
 
 
『疲れた』環境から少しでも解放してあげれたら…と思いませんか?
 
 
そこで、疲れやすい発達障害・グレーゾーンの子どもへの接し方とサポート方法をお伝えしますね。
 
 
発達障害・グレーゾーンの子は一人一人違う特性を持っているので、子どもが「疲れた」と言ったら、否定せずに受け入れましょう。
 
 
ゲームのHPみたいに目で疲労度が見えたら良いのに…と思いますが、実際はわかりませんよね。
 
 
子どもが感じている疲労は本当に感じていることなので、「そんなにすぐ疲れないでしょ?」と思っても、信じてあげてください。
 
 
『疲れやすいことを責めない』ことも重要です。
 
 
本人にもどうすることも出来ないので、分かってあげてくださいね。
 
 
そして、子どもの『疲れやすい』原因をつかんで、お子さんに合った支援を見つけれると良いですね。
 
 
お子さんと一緒にストレスを減らす方法や休息の取り方を一緒に考えていきましょう。
 
 
ここからの例は一人一人違うものなので、自分のお子さんに合うものがあれば参考にしてくださいね。
 
 
・家の中でリラックススペースを作る
 
・肌触りの気持ちいタオルやパジャマを身につける
 
・洗剤や柔軟剤に気を遣い、香りの強いものは避ける
 
・自分の部屋で静かな環境にしてリラックスする
 
・リビングがいろんな音が重ならないように気を付ける(炊飯器、食洗機、換気扇、テレビの音量、家族が見ているYouTubeの音量など)
 
・イヤーマフをつける
 
・運動する
 
・公園で思いっきり遊ぶ
 
・睡眠時間を確保する
 
・無理をさせない
 
 
など、まだまだ出てくると思います。
 
 
子どものストレスを減らすことを考えるときはママの主観ではなく
 
 
「どんな感じがするの?」
 
 
「どうしたらリラックスできそう?」
 
 
「これ好きだから試してみる?」
 
 
一緒に考えてあげると、子どもも答えやすいですね。
 
 
子どもの感覚が目に見えないものだからこそ、どんな世界で生きているのか想像してみてください。
 
 
ママが1番の理解者になってくれることが、最高の救いになるでしょう。
 
 
笑顔
 
 
執筆者:田中さくら
発達科学コミュニケーション リサーチャー
 
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