発達障害・グレーゾーンの子どもの『登校しぶり』をきょうだい児が理解できない…。負の連鎖を防ぎ、心を守るきょうだい児への支援とは?

仲良し兄弟
発達障害・グレーゾーンの子どもの登校しぶりの様子を間近でみているきょうだい児。「ずるい!」や「どうして?」と不安が膨らみ、きょうだい児へ登校しぶりが伝染することもよく耳にします。この記事ではきょうだい児への連鎖を防ぎ、心を守るためにママができることをご紹介します。
 
 

1.発達障害・グレーゾーンの子どもの『登校しぶり』の様子を見て、きょうだい児はどう思っている?

 
 
朝から
 
「学校行きたくない!」
 
「ママがいい〜!」
 
「今日は休む〜!」
 
大暴れ・大泣きで登校をしぶる発達障害・グレーゾーンの子どもの様子を見て、そのきょうだい児はどう思っているのでしょうか?
 
 
「お兄ちゃんだけ、休んでずるい
 
 
「妹が泣き叫ぶせいで、朝から気分が悪い
 
 
それぞれの立場で感じることが違うのかもしれませんが、共通して言えることは
 
 
「なんで、〇〇(発達障害・グレーゾーンの子ども)だけ特別扱いなの?」と感じていること。
 
 
そして、それらの不満が「ずるい」「私も休みたい」などの言動に現れることもあります。
 
 
母親としては、発達障害・グレーゾーンの子どもの登校しぶりに対応するのに必死なのに、他のきょうだい児も登校しぶりを始めたら…。
 
 
ママの心は、キャパオーバーになってしまいますよね。
 
 
本記事では、発達障害・グレーゾーンの子どもの『登校しぶり』がきょうだい児へ伝染してしまうことを恐れているママへ。
 
 
負の連鎖を防ぎ、きょうだい児の心を守る支援の方法についてご紹介します。
 
 
困った顔
 
 

2.私もきょうだい児の対応に悩みを抱えていました…。

 
 
私には4人の子どもがいます。
 
 
その中の一人(三男)が発達障害・グレーゾーンの子どもです。
 
 
三男は小学校1年生の夏休み明けからひどい登校しぶりが始まり、試行錯誤の結果、私も一緒に学校に付き添う『母子登校』という方法で学校に行くようになりました。
 
 
当時、長男・次男は同じ小学校に通っていました。
 
 
長男も次男も、三男の毎朝のひどい登校しぶりの様子を見てはいましたが、特に何か言うわけでもなく、普通に学校に通っていたのです。
 
 
しかし、母子登校が長く続くようになると
 
「なんで、ママは弟と一緒に学校に学校に行くの?」
 
「なんで、弟だけ学校休んでいいの?」
 
「僕も学校に行きたくない」
 
などの言葉が出てくるようになり、きょうだい喧嘩が増えていきました。
 
 
『登校しぶりは、きょうだい児へも影響がある』ということを聞いていたこともあり、「他の子たちも学校に行けなくなったらどうしよう…。」と私の不安が一気に膨らみました
 
 
泣く子供
 
 

3.発達障害・グレーゾーンの子どものきょうだい児が受ける影響

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもと一緒に生活する中できょうだい児は、母親が特定の子どもへ焦点をあてていることから不公平や寂しさを感じていることがあります。
 
 
また、発達障害・グレーゾーンの子どもの子育てに疲弊している母親の状態を見て、本当は甘えたいのに我慢していることもあるかもしれません。
 
 
きょうだい児が幼い場合は、発達障害に関する理解ができていないため、誤解が生じたり、不安を感じていることもあるでしょう。
 
 
大人同士、職場でのコミュニケーションもそうですが、コミュニケーションが不足すると、予期せぬ誤解やストレスが生じることがありますね。
 
 
家族や仕事など、重要な決定や行動に対しては、お互いの理解が重要になってきます。
 
 
その対象が子どもであっても、向き合って発達障害の特性について話し合うことがとても大切なのです。
 
 
ポイント
 
 

\自分で考えて行動できるようになる/

 
 
 

4.きょうだい児の心を守るためにママができる支援~3つのポイント~

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どものきょうだい児の不安を小さくして、親子関係をよりよく維持するために意識したい3つのポイントをお伝えします。
 
 

◆発達障害による特性や、特性から起こる困り事『登校しぶり』の理由をこまめに伝えていく

 
 
1度ではなかなか伝わりません。何度でも大切なことを伝えていき、理解を深めていきましょう。
 
 
きょうだい児に発達障害に関することを話す時は、『発達障害』が困り事であるといようなネガティブなイメージを植え付けないように重々気をつけてください!
 
 
・『発達障害』は脳の特性であり、個性であること。
 
・苦手なこともあるけど、得意なこともあること。
 
・誰にだって、脳の発達における特性はあること。
 
 
きょうだい児が『発達障害』を個性だと感じ、受け入れることができるような働きかけをしていきましょう。
 
 

◆きょうだい児が『登校しぶり』をし始めたら、無理して行かせなくてOK!お家で好きなことをして過ごすことを提案

 
 
熱が出た、風邪をひいた時だけでなく、心の元気が出ない日もある。
 
 
そんな日は学校をお休みしていいよ。心を休ませる充電の日にしよう!と提案してみましょう。
 
 
休むことが癖になったらどうしよう?
 
 
そんな心配もあるかもしれませんが、きょうだい児なりにいろいろなことを我慢した結果、心のSOSとして『登校しぶり』が出ている可能性が高いと思います。
 
 
『登校しぶり』を長引かせないためにも、きょうだい児の心に寄り添い、心の休息をとってあげることをぜひおすすめします。
 
 

◆きょうだい児、それぞれと1対1の時間を作る

 
 
習い事への送迎時間、料理を作っている時、お風呂の時など…
 
ちょっとした隙間時間があったら、積極的にきょうだい児との1対1の時間を作って、話をするようにしましょう。
 
 
きょうだい児の心に寄り添い、丁寧にコミュニケーションを重ねていくことが、不安を小さくする近道となります。
 
 
きょうだい児との1対1の時間の作り方は、こちらの記事を参考にしてみてくださいね!
 
 
きょうだい揃ってママべったりの母子分離不安に…。それぞれに合った母親との過ごし方とは
 
 
4つのハート
 
 

5.お互いに気持ちがラクになった我が家の実践記録

 
 
我が家では、長男と次男が在学中に三男がひどい登校しぶりを繰り返し、母子登校になった経緯があり、その状況を家庭や学校で目の当たりにしていたきょうだい児たちは
 
 
どうして学校に行けないのか?
 
 
どうしてママと一緒に学校に来ているのか?
 
 
など複雑な思いを持ち、不安を感じていたりモヤモヤした気持ちを抱えていたことが後々になってわかりました。
 
 
これらの思いを私に打ち明けてくれた時、はじめて三男の発達障害の特性やなぜ登校をしぶっているのか、
 
その理由についてきょうだい児話してこなかったことが、不安の原因になっていることに気づき、深く反省をしました。
 
 
それからは、きょうだい児と1対1の時間を積極的に作り、三男についての話を丁寧にするようにしていきました。
 
 
繰り返し話をしていくうちに、きょうだい児たちにも変化が見えてきました。
 
 
発達障害の特性を自分なりに理解してくれているようで、三男ができたことやできていることに肯定の注目をしてくれるようになったのです!
 
 
きょうだい児が心穏やかに見守ってくれるようになったことで、三男も自信を持って行動できる機会が増えてきて、関係がとても良好になっていきました。
 
 
また、きょうだい児には私との1対1の時間で『心を大事にすること』に重点をおいて話をするようにしました。
 
 
「熱が出た時、風邪をひいた時、お休みするよね?それと同じで心が元気じゃない時はお休みしていいんだよ」
 
 
今でもたまにきょうだい児が朝から起きてこれない日や、登校をしぶる日がありますが、そんな時は無理に登校させず「ゆっくりお休みする日にしよう」と声をかけ、心の充電日にしています!
 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもたちの『きょうだい児』はいつも我慢してしまう傾向にあります。
 
 
お互いに思いを共有しながら、じっくりゆっくりと理解を深めるコミュニケーションをとり、きょうだい児の不安を小さくしていきましょう。
 
 
仲良し兄弟
 
 
執筆者:堀 このみ
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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