すぐ怒るASD(自閉スペクトラム症)の子どもの癇癪に振り回されているママはいませんか?ASDの子どもはその発達特性から癇癪を起こしやすいと言われています。癇癪には対応の鉄則があります。この記事で癇癪への上手な対応のコツをご紹介します。
1.子どもの癇癪にいつもビクビクしていました…。
私の息子はASD(自閉スペクトラム症)の傾向があります。
そんな息子の子育てで、一番苦しかったのがひどい「癇癪」でした。
些細なことですぐ怒り、一度怒るとひどい癇癪を起こして手がつけられない状態になってしまうため、私はいつも息子を怒らせないようにビクビクし、子どもの顔色ばかりうかがっていました。
だから、いつも私は子どもの言いなり。
息子は思い通りにならないとすぐ怒り「ママのせい!」「ママが悪い!」と私に暴力なんて日常茶飯事でした。
時には私も激しくぶつかり、取っ組み合いの喧嘩をしたり、ただただ子どもの言いなりになって、一方的に叩かれる…蹴られる…そんな時もありました。
私はただ「息子と笑顔で話がしたい」だけなのに…。
なんでそんな、当たり前のことができないんだろう?
たったそれだけのこともできないなんて、こんな私なんて母親失格。
そう思ったりしたこともありました。
癇癪の恐ろしいところは、子どもとの関係が崩れるだけでなく、母親としての自信を全て奪われてしまうところです。
親子関係が悪化してママが自信を失ってしまうと、もう何もかもがうまくいかなくなってしまいます。
何もかもが辛い。
こんなはずじゃなかった。
だけど、どうしていいかわからない。
次第にパパもきょうだいたちもイライラ…。
家族みんなが苦しくて、辛い。おうちの平和が全てなくなってしまうのが癇癪です。
2.ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは「なぜすぐ怒る?」
癇癪が起こっている時、子どもの脳は興奮して感情のコントロールができなくなってしまっている状態になっています。
特に、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは、脳の発達特性上、感情のコントロールが苦手な子どもが多く、すぐ怒ったり、癇癪を起こしやすい傾向があると言われています。
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもがすぐ怒り、癇癪を起してしまう主な原因をあげます。
①感覚過敏
ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは感覚情報(音、光、触覚など)に対して過敏であることが多く、過度な刺激が癇癪の引き金になることがあります。
②コミュニケーションの難しさ
自分の欲求や不満をうまく伝えられないことがストレスとなり、癇癪を引き起こすことがあります。特に言葉でのコミュニケーションが難しい場合に顕著です。
③予測不能な状況
予定外の出来事や変化が苦手な子どもが多く、予定が急に変わったり、ルーティンが乱れたりすると不安や混乱を感じ、癇癪を起こすことがあります。
④自己調整の難しさ
感情や行動を自己調整する能力が未発達なため、ストレスやフラストレーションをコントロールするのが難しいことがあります。
⑤社会的なストレス
社会的な状況(集団活動や対人関係など)がストレスとなり、その結果として癇癪が起きることがあります。
⑥身体的な不快感
空腹、疲労、痛みなどの身体的な不快感も癇癪の原因となります。自分の不快感をうまく表現できないことが多いので、これらの原因が見過ごされることがあります。
これらの要因が重なり合うことも多く、個々の子どもによって原因や引き金は異なります。
3.癇癪への対応のコツ〜大切な3ステップ〜
私が子どもの癇癪から解放された理由は1つ。
正しい知識と方法を学び、家で実践をしたからです。
対応のコツさえ掴んでしまえば、もう癇癪なんて怖くありません。
それでは、癇癪への対応のコツをご紹介します。
◆①深呼吸して、子どもとの距離をとろう!
ママ自身が子どもの癇癪に振り回されないように…。まずは深呼吸しましょう!
そして、子どもの癇癪に対して『見て見ぬふり』をします。(ディスタンシング)
この時、子どもが怪我をしないよう安全の確保は最優先してくださいね。
癇癪が起きたら、子どもの方を決して見ません。そして、ママ自身のイライラしている感情を表に出さないようにしましょう。
『見て見ぬふり』をして様子を見ていると、子どもの癇癪は長続きはしません。いつかは治ります。
治ったら、すかさず褒めることが重要です!
この繰り返しを成功体験として残すことで、子どもは学習し、癇癪の治し方を自分で学んでいきます。
初めは、癇癪が悪化することや長引くことがあるかもしれませんが、癇癪に振り回されないようにグッと堪えてくださいね。
どうしても我慢できない時は、別室に避難し、距離を置くことをおすすめします。
◆②癇癪の原因について考えてみよう!
私たち大人であっても、イライラしたり、怒りを爆発させるには何らかの原因があるものです。
先述したように、ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは癇癪を起こしやすいと言われています。
癇癪を起こすスイッチは、個々の子どもの発達特性によって様々です。
私たち親が想像のつかないようなことで、癇癪スイッチがONになってしまっているのかもしれません。
癇癪そのものに目を向けるのではなく、癇癪が起こった背景に焦点をあててみましょう。
お子さんが不快に感じている原因は何なのか?
癇癪が起こっている時は、冷静に話もできない状態でしょうから、癇癪が治ってからゆっくり話をしてみてください。
話ができずに原因がわからない場合は、癇癪が起こった時の前後の状況を記録しておき、共通する原因がないか探ってみましょう。
「癇癪には必ず原因がある」ということを忘れないでください。
◆③共感する言葉かけを忘れずに!
最後に…
子どもの癇癪を予防していくためにも、普段の生活で積極的に共感の声かけを行っていきましょう。
子どもが負の感情を抱いた時に
「そっか〜」
「そう思ったんだね〜」
「嫌だったよね〜」
たったこれだけの言葉で、ホッと安心するはずです。
安心は負の感情を和らげ、感情がヒートアップするのを防いでくれます。
4.もう癇癪なんて怖くない!
たった1年前までは、すぐ怒り毎日のように狂うように暴れて癇癪を起こしていた私の息子も、
この3ステップを徹底して続けていくことで、今ではほとんど癇癪は起こらなくなり、たとえ癇癪を起こしてもほんの数分で落ち着けるようになりました。
何より私自身の変化にビックリ!
いつも癇癪にビクビクしていた私が、今では癇癪ウエルカム!!
子どもが癇癪を起こしそうになると
「きたきたきたーーー!!今日は何分で癇癪を治められるかなぁ~」
「よっしゃー!今日は○分だった!私の勝利〜」
なんて、癇癪さえも楽しめるようになりました。
ふたばスクールでは癇癪の正しい知識と対応を学ぶことができます。
癇癪の対応に困っているママがいたら、個別相談でお待ちしています。