感覚過敏からくる「こだわり」にどう対応する?自閉スペクトラム症の子どもが和らぐ魔法の言葉

ハグする親子
自閉スペクトラム症(ASD)・グレーゾーンの子どもたちの特性としてある感覚過敏!そして、それゆえのこだわり!やめさせることに、こだわっていませんか?「まぁ、いいか~」の魔法の言葉でママも子どもも楽になりましょう!
 
 

1.理解に苦しんだ子どもの感覚過敏

 
 
音や光、におい、洋服の肌ざわりなど感覚過敏の特性から、強いこだわりを持つ子どもたちの対応に悩んだり、困ったりしていませんか?
 
 
私の娘は、自閉スペクトラム症(ASD)の傾向があります。
 
 
小さい頃から感覚の過敏さを持っており、他の子との違いに悩んだり、対応に困ったりしていました。
 
 
花火を見せてあげたいと思って、夏祭りに連れていくと、
 
✔人がたくさんで嫌
✔会場のにおいが、きつい
✔ステージの音や音楽が大きく辛い
✔花火が始まると、『こわい』と泣き叫び、しがみつく
 
少しも楽しめず、大泣きしながら帰りました。
 
 
他にも
 
✔洋服も肌ざわりが気に入ったものしか着られず、同じものばかり着ている
✔少し汚れたら気になって着替える
✔砂や粘土の手触りが嫌で遊べない
乗物酔いしやすく、車や船でのお出かけが難しい
ブランコや高い高い遊びが苦手
 
ブランコも、妹が遊んでいると「こわいから、やめて~、おりて~」と大騒ぎ。
 
 
どうして周りの子と同じように遊べないの?
何がこわいの?
どう辛いの?
 
その感覚が理解できず
このままでは大きくなってから苦労するかも…
慣れさせていかなければ…
やめさせなければ…
とばかり考えていました。
 
 
耳をふさぐ子ども
 
 

2.感覚過敏から「こだわり」につながる理由とは?

 
 
音や光、においなどの感覚に対して、苦手や得意、好き嫌いは誰しもがあると思いますが、自閉スペクトラム症(ASD)・グレーゾーンの子どもたちは、同じ感覚情報を受け取っても、たえがたい苦痛や多くのストレスに感じることがあります。
 
 
感覚過敏は、自閉スペクトラム症(ASD)の方に見られる症状の一つで、病名ではなく特性です。
 
 
感覚は目に見えないので、他人と比較することも出来ず、困っていることを周りに理解されにくかったり、自分自身も気づけないこともあります。
 
 
感覚過敏には、
 
視覚過敏…強い光、色、ごちゃごちゃしている場所が苦手
聴覚過敏…日常生活にある様々な音や声が苦手
嗅覚過敏…臭気ばかりでなく、食べ物や良い香りも苦手な場合がある
味覚過敏…味だけではなく、口に入った食感が苦手な場合もある
触覚過敏…体に触るいろいろな感覚が苦手
 
他にも、五感以外に温度や平衡感覚、痛覚など様々な感覚があります。
 
 
感覚器ごとに、このように表現される場合があり、ひとつだけ、もしくは複数の感覚が過敏な人がいます。
 
 
感覚過敏は、ストレスが脳に影響を及ぼして引き起こされたり、強く出てしまうことがあります。
 
 
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもたちは、ストレスに弱いです。
 
 
また、「始めること」「変える事」「やめること」この3つのことが苦手で『こだわり』が強く出るお子さんが多いようです。
 
 
ママが感覚過敏に対し、否定的な注目を増やすとストレスがたまり、かえって、感覚過敏のこだわりを強化してしまうことになります。
 
 
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3.ママも子どもも楽になる魔法の言葉

 
 
子どもの感覚過敏からくる行き過ぎたこだわりに、ママはイライラ…やめさせたい!と思ってしまうかもしれませんが…
 
『こだわり』に対して
 
✔指摘する
✔注意する
✔無理やりやめさせる
 
ことは、NG対応です!!
 
 
感覚過敏からくる『こだわり』に対しては、スルーして放っておくことが鉄則だと覚えておきましょう。
 
 
『こだわり』は、いつもと同じ行動を繰りすことで脳が安心を得ようとしている状態。
 
 
『こだわり』=子どもが安心できるルーティンと捉えてみましょう!
 
 
脳は、行動を始めるときに、すごくストレスがかかります。
 
 
そのストレスを和らげるために必要な心の安定材料として、ママが理解して付き合っていきましょう。
 
 
ママが子どもの感覚過敏からくる『こだわり』にイライラせずに付き合っていくための合言葉は…
 
 
「まぁ、いいか~!」です。
 
 
ママが、感覚過敏からくる『こだわり』の行動に対して「まぁ、いいか~」と受け入れていきます。
 
 
「今日も同じ服だけど、まぁ、いいか~」
 
 
「今日もブロックで同じ遊びしかしてないけど、まぁ、いいか~」
 
 
「まぁ、いいか~」で乗り切っていると、次第に、ママ自身も気持ちに余裕を持てるようになります。
 
 
脳のこだわりは、言葉が発達し、色々な話題について話せるようになったり、会話が続くようになってくると、自然に和らいできます。
 
 
そして、大好きなママの「まぁ、いいか~」が伝染し、「今日は、この服ないけど、まぁ、いいか~」と子どもも切り替えが出来るようになっていきます。
 
 
娘も自分で別の選択肢を探したり、出来なくても「まぁ、いいか~」という言葉まで聞けるようになり、本人がとても楽に過ごせているように感じます。
 
 
ママも、子どもも、ストレスを和らげながら、親子の楽しいコミュニケーションを増やし、感覚の過敏さや『こだわり』とで楽な気持ち向き合っていきましょう。
 
 
ハグする親子
 
 
 
 
執筆者:ひがしえみ
発達科学コミュニケーショントレーナー
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