発達障害グレーゾーンのお子さんの中には、朝の準備がなかなか進まず、ママはイライラしっぱなしというご家庭も多いのではないでしょうか?ママが叱らずに、子どもの癇癪を起こさせず行動させることができる、指示出しの方法を紹介します。
1.朝、忙しい時間に準備をしない…。どう対応したらいいの?
発達障害・グレーゾーンの子どもの朝は大忙し!
なかなか準備が進まない子どもに対して
「起きて!」
「着替えなさい!」
「歯磨きしなさい!」
「急がないと、学校遅れるよー!」
などと細かく指示を出しても、全く動いてくれない様子に困っているママはいませんか?
しまいには、朝の準備を全くしようとしない子どもに対して、イライラが爆発‼︎
「いい加減にしなさい!」
「遅刻しても、もうママ知らないからね!」
などと怖ーい顔で叱ってしまったり…。
叱られた子どもは癇癪を起こして、登校をしぶるなんて悪循環も。
朝は、ママにとっても他の家族にとっても大忙しの時間だから、子どもに指示が通らないとイライラしちゃいますよね。
しかし… 子どもの指示が通らないのは、そのママの声かけが原因かもしれませんよ!
本記事では、朝の準備ができない発達障害・グレーゾーンの子どもにどう指示を出せば、行動ができるようになるか
私の経験談を元に、ママの指示出しテクニックをご紹介しますね。
2.何度指示しても動いてくれないことに、イライラし怒ってしまっていました
我が家の発達障害グレーゾーンの6歳の次男は、「歯磨きしようね!」「着替えようね!」などと何度指示しても、なかなか動かず…。
最初は優しく指示していても、だんだんと「早くしないと、間に合わないよ!」 などと、とげとげしい口調になり怒ってしまっていました。
その度、次男は「やりたくない!」などと癇癪を起こし、毎日疲れ果てていました。
朝は特に身支度や食事、学校に行く準備など、ママにとっては本当に大忙しの時間です。
この朝のバタバタに癇癪を起こされてしまうと、他の家族にも迷惑をかけてしまいます…。
そのため、最終的には私が無理やり着替えさせたり、歯磨きをしてあげたり、無理やり息子の朝の準備をすませてしまっていました。
朝のこの時間が私にとっても、とても苦痛で、いつもイライラしていましたし、この苦しい朝はいつまで続くのだろうと、落ち込む毎日を過ごしていました。
なぜ、このような指示がなかなか通らず、大変な思いをしていたのでしょうか?
次でその原因について説明していきますね。
3.発達障害グレーゾーンの子に指示がなかなか通らなかった理由
◆聞く力が弱い特性を持っていた
まず、指示が通らなかった原因の一つとして、息子が私の指示に気づいていなかったことがあげられます。
私は、家事をしながら遠くから指示していることが多かったため、何度指示しても、遊びやYouTubeなどに集中していた息子は指示されてることに気付かなかったのです。
発達障害の子どもの中には、自分に話しかけられているという意識が弱かったり、耳で聞くより目で見たほうが情報を得やすいといった、『聞く力が弱い子ども』が一定数います。
この場合、子どもの注意を引かずに話すと
✓自分に向けられた言葉だとわからない
✓子どもの視界に入っていない場所から話しかけても、話しの内容が子どもの脳に入りにくい
という状態になっています。
私の息子も、聞く力が弱いため、指示が脳に入っていなかったことが考えられます。
◆否定的な指示でネガティブな感情ばかり働いていた
私は息子に指示を出す時に「早くして!」などと否定的にキツイ言い方をしていました。
子どもの脳は未熟なので「言葉の意味」よりも、「声色やトーン」のほうに引っ張られてしまいます。
そのため、息子は、私の話した内容よりも、イライラした顔や言い方をしっかりキャッチしてしまっていました。
ママのイライラした顔や否定的な言い方は、子どものネガティブな感情を刺激します。
ネガティブな感情が強く働いてしまうと、子どもの脳内では、理解や思考のエリアが働きにくくなってしまい、正確に指示の内容を理解できなくなってしまうのです。
4.発達障害グレーゾーンの子どもが朝の準備をできるようになる!ママ指示出しテクニック
朝出る時間が迫って焦ってしまった状況や、ママが家事で忙しくしてる時など、なかなか指示が通らないと、ママがイライラした状態になり、穏やかにしようと思っても、それが実現できないことが多いと思います。
そんな時は意識して感情を切り離し、話し方を『笑顔で・ゆっくりと・優しい声で』指示することが大切です!
まず、近くに行き、〇〇くん♡と優しい声でゆっくりと名前を呼びます。
その時、遊びなどに集中し、気付かないようならボディタッチをしながら声を掛けるのもお勧めです。
笑顔で・ゆっくりと・優しい声で「歯、みがこう!」などと指示を出してみましょう。
「いやだ!」と言ったり、動きださない時は、見て見ぬふりをし、時間を置いてまた指示をします。
行動し始めるまで、これを繰り替えし、行動し始めたら必ず褒めます。
子どもの脳の中では、言葉の中身よりも表情・声色・トーンといった非言語情報が先に処理されるようになっています。
そのため、ママの表情・声色・トーンを意識し、できるだけ穏やかに指示することで、子どもの「いやだ!」という気持ちを暴走させないように行動させることができますよ。
5.子どもが癇癪を起こさず、朝の準備をできるようになった!我が家の実践記録
指示を意識することで、少しづつ私も穏やかに指示できる日が増えました。
忙しい時間にイライラせず笑顔でいるのは、最初は大変でしたが…
怖い顔になりそうな時は、子どもから離れたり、背を向け、深呼吸などをし気持ちを落ち着かせ、笑顔で話せるよう心掛けると、
だんだんと『笑顔で・ゆっくりと・優しい声で』指示出しできる日が増えてきました。
私が変わることで、息子にもたくさんの変化がありました!
・朝の癇癪が減った
・数回指示すると、自分で着替えることができるようになった
・「ママ、歯磨きして!」と自分から言ってくるようになり、最近では自分で歯磨きをする日が増えてきた。
・遊びを切り上げ、お風呂にスムーズに入るようになった
さらに息子は園や学校への行き渋りがあったのですが、私が変わることで、朝、気持ちが安定し、行き渋る日も少なくなってきました。
発達障害グレーゾーンの子は、園や学校の集団生活が苦手な子のほうが多いように思います。
気持ちが不安定になりやすい朝は、ママが笑顔や優しい話し方で接して、穏やかに過ごせると良いですよね。
『笑顔で・ゆっくりと・優しい声で』の指示出し、ぜひ試してみて下さい!
執筆者:木村 まい
発達科学コミュニケーションリサーチャー