家の中でもママにべったり!発達障害・母子分離不安の子どもがママを待てる魔法の声かけ方法

ママにベッタリ、ママが見えないと泣いて呼ぶ…のは、赤ちゃんが返り?でもなんかそれとは違う気がする…。そんなモヤモヤを抱えているママにぜひ読んで欲しい!それってもしかしたら母子分離不安症かもしれません。違いと解決策のヒントを得られると幸いです。
 
 

1.環境の変化を敏感に感じる子どもたち

 
 
外出していても、家の中にいても片時もママから離れないというお子さんはいませんか?
 
 
例えば、
 
 
・ママのトイレまでついてくる
 
・洗濯物をベランダに干す時間もママから離れられない
 
・姿が見えないと探し回り、パニックになる
 
 
こんな状況が毎日だと本当にお母さんは参ってしまいますよね。
 
 
どうでしょう?子どもがそのようになった原因として、思い当たることはありますか?
 
 
子どもは環境の変化が原因でママから離れ難くなることがよくあります。
 
 
癇癪
 
 
・引越しや新学期などの環境の変化
 
・家族に心配事がある
 
・きょうだいが増えた
 
 
その様な背景があると、今までできていたことができなくなり、片時もママから離れなくなる。直ぐに抱っこ!抱っこ!とせがまれることもあります。
 
 
必ずしもこれだけが原因ではなく、発達の過程においてママから離れられなくなることももちろんあります。また、赤ちゃん返りのような行動は一人っ子のお子さんでも見られます。
 
 
ただそれが分離不安と何が違うのか?というと、それは次で説明していきます。
 
 

2.赤ちゃん返りと母子分離不安の違い

 
 
赤ちゃん返りと母子分離不安症の子どもの様子は似ていますが、じゃあ何が決定的に違うのかというと、
 
 
自然に治ることがない!
 
 

ということです。

 
 
そのうちおさまるかな、と思って様子を見ていても状態は悪化していき、腹痛・頭痛・吐き気、また登園・登校できないというような二次障害へ発展してしまうことも多くあります。
 
 
二次障害まで引き起こしてしまうと、本人も困り感があるため、とても苦しい状態です。
 
 
また低年齢のお子さんだけでなく、小学生や中学生くらいになっても不安感が強くなり、親と離れられなくなり母子分離不安症になってしまうこともあります。
 
 
離れられないだけではなく、暴言・暴力へと移行してしまうこともあるので何かしらの対応を直ぐに始めた方がベストです。
 
 
また、母子分離不安を発症したお子さんは、発達障害の特性を併せもっているケースもあります。
 
 
 
 
特に発達障害の中でも、自閉症スぺクトラム(ASD)の子どもに多いと言われています。
 
 
ASDの対人関係上の特性から、 親子関係の希薄さがある一方、子どもによっては神経質な一面があり、極めて強い不安感を抱いたり、 他の子どもがいるのを嫌がったり、ということから片時も母親から離れられない状況になってしまいます。
 
 
さて、皆さんはお子さんへの対応に困ったなぁと思ってからどのくらい経ちますか?
 
 
近藤直司先生の本『不安障害の子どもたち』では以下のように述べられています。
 
 
『母子分離不安はほとんどが1年以内に完治するとされています。しかしなかなか治らなかったケースについて検討した調査では、発症年齢が低く、診断の遅れが一因であったという報告があります。』(近藤直司/著 『不安障害の子どもたち』 2014年 合同出版/刊 p.24より引用)
 
 
年齢が幼いと診断をうまくできないこともありますが、たとえお子さんがまだ幼かったとしても、困ってからもう随分と時間が経っているようでしたら、直ぐに対応していく必要があります。
 
 
また最近、子どもの様子に疑問を感じているのなら、様子を見ることなく早めの対応で母子分離不安症のリスクをグッと減らせることができるので直ぐに対応していきましょう。
 
 
なぜ私がそのように思うかと言うと、それはわが子の母子分離不安症がとても大変だったからです。
 
 

3.裸足で飛び出し泣き叫ぶ息子 意思疎通が難しい現実

 
 
私には発達障害・自閉症スペクトラム(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の特徴を持つ子どもがいます。
 
 
母子分離不安症で片時もママから離れないという困り事を抱えていました。トイレに行きたくてもついてくる。別の部屋へ物を取りに行ってくるだけでもついてくるという日々でした。
 
 
ついてくるだけならまだいいのですが、どこに行くにも「抱っこ!」とすぐに駄々をこねたり、見ているテレビを中断したくない時は、「行っちゃダメ」となって私は身動き取れず、イライラばかりしていました。
 
 
「ベランダ行ってくるよ」
 
「トイレに行くね」
 
 
理由
 
 
と声をかけてその場を離れるのですが、すぐにママがそばにいない、ひとりで取り残されてしまったという恐怖に襲われ、
 
 
「ママー!!ママー!!」
 
 
と大泣きしながら探し始めます。さらにパニックになって、裸足のまま玄関を飛び出し「ママー!」を連呼して泣きわめく状態でした。
 
 
慌てて追いかけていくと、「なんで言ってくれなかったの?」と暴言暴力
 
 
声をかけたのに、何で伝わってないの…と愕然としました。
 
 
ネットで得た情報でも、通院していた医師からも「とにかく寄り添って様子を見ましょう」 とだけ言われていたので、叱ることもできずに悲しくなるばかりでした。
 
 
洗濯物をベランダに干したくても、ひとりでベランダに行くことが出来ずに、干せずにそのままの洗濯物を目の前に途方にくれながら、私の声が届かない…どうしたらこの子との関係を良くしていけるのだろうと毎日考えていました。
 
 
その後、発達科学コミュニケーション(以下、発コミュ)に出会い、対応を変えることでとても生活がラクになっていきました。
 
 
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4.最初の声かけを丁寧にする

 
 
私は発コミュを習ってから、おうちでママができる対応として、肯定の声かけと顔を見て会話をするという方法を知りました。
 
 
とても簡単なことなので目からウロコ状態でした。そういうところに注目するんだ!という発見と共にそういうところに解決のヒントがあることに驚きました。
 
 
ぜひ、皆さんにもやってみて欲しいと思います。
 
 
話しかける時、皆さんはどうやって声をかけていますか?
 
 
テレビに夢中で聞こえていない子どもに
 
 
「もー聞いてるの?」
 
「何度言ったら分かるの?」
 
 
などイライラして言っていませんか?
 
 
子どもは集中している時、過集中状態になり周りの声はなかなか聞こえなくなります。後ろから声をかけられても、全く聞こえなかったり、自分に話しかけているという意識がないので、ママの声は全く脳に届いていません。
 
 
 
 
 
話しかけるときのポイントは、要件を言う前を意識することです。
 
 
・必ずそばまで行って、肩や背中に触れてスキンシップ
 
 
・顔を覗き込んで優しい声と笑顔で
 
 
・一言めは名前を呼ぶ
 
 
例えば、洗濯物をベランダに干しにいくことを伝えたい時。
 
 
子どもの近くに寄り、肩をトントンしたりしてスキンシップ。ママの顔に焦点が合うまで待ったら、「○○くん」「○○ちゃん」と声をかけることからスタートします。
 
 
そこで洗濯カゴの中の洗濯物の量を見せながら
 
 
「これだけベランダに干してくるね。ベランダにいるから何かあったら呼んでね」
 
 
とゆっくり話しましょう!
 
 
視覚サポートとして、洗濯物の量を見せると分かりやすいですね。
 
 
これでしっかり子どもの脳にママの声が届き、待っていられるようになります。
 
 
最初は、トイレに行く間、他の部屋に荷物を取りに行く間のごく短い時間から徐々に慣れることから始めて、徐々に時間を伸ばしていくというように、スモールステップでスタートしてみてください。
 
 
我が家はこの方法を実践して、トイレまでついてくることもなく、ベランダに洗濯物・時間のかかる布団まで干すこともできるようになり、その間「ママーママー」と探し回ることもなくなりました。
 
 
 
母子分離不安でお困りのママは、試してみてくださいね!
 
 
 
 
 
執筆者:緒野はる
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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