お出かけが苦手な発達障害・グレーゾーンの子どもも楽しめる!発達がばく進する旅行プランの立て方

家族旅行
せっかくの夏休みには、普段はできないような体験や家族旅行を満喫したいもの。しかし、発達障害・グレーゾーンの子どもとの旅行は、親が思った通りにはいかないことがたくさんあります。そんなお子さんも旅行を楽しめて、子どもの脳を発達・成長させられる!旅行の計画の立て方をご紹介します。
 
 

1.夏休みは子どもと旅行がおススメです

 
 
夏休みになりましたね。
 
 
みなさんは今年の夏休みはもうお出かけをしましたか?
 
 
お出かけや家族旅行でバッチリ満喫!というママも、子どもと一緒に遠出するのは億劫だな…というママもいらっしゃると思います。
 
 
とても楽しみにしていた家族旅行でも、旅先で
 
・予定通りの時間に行動してくれない
・子どもがすぐに「疲れた」ばかり言って機嫌が悪くなる
・着いたばかりなのに「もう帰りたい!」と言い出して、家族の雰囲気は険悪モードに…
 
という経験はありませんか?
 
 
私もこんな後味の悪いお出かけや旅行を何度も経験しました。
 
 
しかし過去に苦い経験があったとしても、子どもとのお出かけや旅行を諦めないでほしいと思います。
 
 
なぜなら、お出かけや旅行には子どもの発達に良いことがたくさんあるからです!
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもたちが楽しく旅行やお出かけをするには、下準備がとても大切です。
 
 
この夏休みにおススメしたい、発達障害・グレーゾーンの子どもたちも楽しめて発達を爆上げする旅の計画と事前準備のポイントをご紹介します。
 
 
飛行機
 
 

2.家族旅行に行っても全然楽しくない…

 
 
私には発達障害・グレーゾーンの子どもがいます。
 
 
一緒にお出かけすると近場であっても
 
すぐに「まだ?」「あとどれくらいかかるの?」と不満そうに何度も聞いてきたり、
 
ちょっとの距離でも「えー!遠すぎ!!」と不機嫌になったり、
 
着いたばかりなのに「疲れた」「もう帰りたい」と言い出してイライラオーラを撒き散らしたり、
 
といったことは日常茶飯事でした。
 
 
私は、来たばかりでまだ何もしてないのに疲れているわけないだろうと、子どものこの言葉をただのわがままと捉えていました。
 
 
なんとか子どもをなだめたり、気をそらしたりして、せっかく来た旅先での予定をこなすことに気を取られていました。
 
 
しかし、すっかり乗り気ではなくなった子どもは、自分の不満が受け入れられず、ますますイライラモードに…
 
 
その結果、面倒くさそうな態度をとったり、すぐに怒ったり、きょうだいにちょっかいを出したりしてしまっていました。
 
 
そんな子どもの態度を受けて、家族も楽しみにしていた気分が一転、険悪なムードになっていました。
 
 
私自身もちっとも楽しくないし、子どもの機嫌をとりながら過ごして気疲れして、もう家族で旅行は行きたくないとすら感じていたのです。
 
 
家族
 
 

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3.発達障害・グレーゾーンの子どもが旅先で不機嫌になる理由

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもたちが旅先で疲れて不機嫌になるのには、その特性が関係しています。
 
 

✓見通しを立てるのが苦手

 
あとどれくらいで到着するのか、どれくらい混んでいるのか、どれくらいの待ち時間があるのかが自分の中でつかめないので、不安になりイライラしてしまうのです。
 
 

✓初めての場所や初めてのことが苦手

 
これは脳の内側にある扁桃体というエリアが活発に働きやすいからだと言われています。
 
 
扁桃体は不安や緊張、危険を感知するセンサーのような場所です。
 
 
「やったことがない」「見たことがない」「知らない人」への不安や緊張が強いので、旅先で普段とは違う体験をしようと思ったときに「行きたくない」「やりたくない」と拒否反応を示してしまいます。
 
 

✓感覚の過敏さから、暑さやざわざわした人混みでストレスを感じやすい

 
発達障害の子は『感覚過敏』という症状を抱えているケースが多いです。
 
 
脳は、聴覚・視覚・触覚・味覚・嗅覚などの感覚から情報を受け取って、考えながら日々生活をしていますが、この感覚を通常よりも敏感に受け取ってしまう状態を『感覚過敏』と言います。
 
 
なので、混んでいる場所のガヤガヤした音や匂い、太陽の光やテーマパークのキラキラした光、暑さなどをとても敏感に感じてしまいストレスを受けてしまうのです。
 
 
感覚過敏はその時の子どもの状態によっても異なります。
 
 
大丈夫な日もあれば、とてもつらいと感じてとても疲れてしまう時もあります。
 
 
疑問
 
 

4.お出かけが苦手な子どもも楽しめる我が家の旅行プランの立て方

 
 
では、どのように旅行を計画すれば、発達障害・グレーゾーンの子どもたちも楽しめるものに出来るのでしょうか?
 
 
我が家で計画を立てる時に気をつけている4つのポイントをご紹介します。
 
 

ポイント1:親が考えた旅行に子どもを連れていくのではなく、子どもと一緒に計画を立てる!

 
 
・どんなことをしたいか
 
・どこに行きたいか
 
子ども自身は何をしたいのかパパやママは何をしたいのか、それぞれがアイデアを出しながら、どんな旅行にするか一緒に考えます。
 
 
一緒に考えることで親子のコミュニケーションが増えます。
 
 
ここで意外と大事なのが、子どもと親の両方のやりたいことや興味がある場所が入っていることです。
 
 
こうすることで、どちらかにただ付き合っている旅行ではなく、親も子も楽しめますし、相手に喜んでもらえたという満足感も得られますよ。
 
 

ポイント2:子どもと一緒に事前調査をする!

 
 
行きたい場所が決まったら、その場所について一緒に検索しましょう。
 
 
例えば、
 
・どんな場所なのか
・そこで何を食べたいか
・交通手段は、飛行機なのか?電車なのか?車なのか?
・どれくらいかかるのか(時間や費用)
 
などです。
 
 
どんな場所なのか、どんなものを食べられるのかなど一緒に調べて「これがおいしそう!」「これ、やりたい!」とおしゃべりすれば楽しみやわくわくが膨らみます。
 
 
交通手段やどれくらい(費用、時間)がかかるのかを調べることで、段取り力がつきますし、遠そうだなと思ったら「やっぱりここはやめてこっちにしよう」など気持ちを切り替える力も養えます。
 
 
どれくらい混んでいそうか、待ち時間はどれくらいになりそうかなどもリサーチしておきます。
 
 
「もしも待っていて退屈になったら、しりとりしよう!」とか「YouTubeでも見よう!」とか、どんな風にして過ごすかもいくつかアイデアを出して準備しておけると、不安が強い発達障害・グレーゾーンの子どもも見通しを立てることができて安心ですね。
 
 

ポイント3:余裕のあるスケジュールにする!

 
 
先ほど述べたように、発達障害・グレーゾーンの子どもたちは不安や緊張、感覚過敏からとても脳が疲れやすい特性を持ち合わせていますので、スケジュールはゆったりと組みましょう。
 
 
最初から休憩時間をとっておくことがとても大切です。
 
 
「ここは休憩時間だよ」や「疲れたら早めにホテルに行ってもいいから、その時は無理せずに教えてね」と予めお子さんに伝えておきましょう。
 
 

ポイント4:子どもと一緒に旅行のしおりをつくってみる!

 
 
お子さんとたてた計画を『旅行のしおり』にして見える化すると、子どももイメージしやすいです。
 
 
色々なことを想定しながらしおりに書き出していくと、発達障害・グレーゾーンの子どもが抱える心配や不安が、ひとつひとつ安心に変わっていきます。
 
 
そして、家族と一緒に楽しみな気持ちで当日を迎えられるようになります。
 
 
楽しいしおりを作って、ぜひわくわく感を盛り上げましょう!
 
 
我が家ではこのように旅行の計画を一緒に立てて、事前に『心の準備』をしています。
 
 
こうすることで、「まだ?」「あとどれくらい?」とイライラすることもなくなりましたし、苦手だった待ち時間にも予め考えていた過ごし方で楽しく待てるようになりました。
 
 
そして、以前なら癇癪を起こしかねないような予想外の事が起こっても、「じゃあ、こうしよう!」と気持ちを切り替えられるように!
 
 
旅行から帰ってきたときに、「楽しかったね」「また行きたいね」と言い合えるお出かけができるようになりました。
 
 
せっかくの夏休みです。
 
 
家族旅行を通して、楽しみながらお子さんの脳の発達を伸ばすチャレンジをしてみませんか。
 
 
家族旅行
 
 
 
 
 
執筆者:よしみつ りこ
発達科学コミュニケーション リサーチャー
 
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