疲れやすい子どもには理由があります!発達特性「繊細さ」との関係

とにかく疲れやすく、直ぐに「疲れた!」「抱っこ!」と言う子どもはわがままや甘えに見えますが決してそうではありません。感覚過敏で繊細さを併せ持っていることが分かってきています。ママが疲れやすい子どもに元気パワーを与える対応についてお伝えします。
 
 

1.疲れやすい子どもに何て言えばいいの?

 
 
幼稚園から帰ってくると第一声は「疲れた」
 
 
遊びに行ってもすぐに「疲れた」
 
 
特にお出かけの時など、すぐに「疲れた。抱っこして。もう1歩も歩けない」
 
 
こんな様子がお子さんに見られませんか?
 
 
子どもが、口癖のようにしょっちゅう「疲れた」と言うと、どうせ甘えているだけに思えて、
 
 
「もう疲れたの?まだ来たばっかりだよ」
 
 
ついつい突き放すような言葉をかけてしまいがち
 
 
それに対して子どもは、「だって疲れたんだもん!」「もう歩かない!」なんてどんどん駄々をこね始めてしまう。
 
 
そうなると、親はますます『どうしてこんなに甘ったれなんだ』と応戦体制。
 
 
売り言葉に買い言葉の負のループに突入し、子どもが「歩けない!」と座り込んでしまうようなこともあります。
 
 
親はいったいどんな言葉をかければ、子どもが疲れていても歩いてくれるのでしょう?
 
 
 
 

2.感覚過敏の息子の「疲れた」に激しく反応し突き放した過去

 
 
私の息子は、
 
 
の素材にこだわりがある
 
掃除機の音がうるさい
 
光がまぶしいので、外での写真撮影も苦手
 
そのような様子から私は、感覚過敏の特性があるんだろうなーと思っていました。
 
 
また、息子は、他の人が怒られていても自分が怒られているように感じてしまう繊細な面も持っています。
 
 
これまで私の中で、息子のそのような特性と『疲れた』という言葉が結びつくはずもなく、水族館に行っても、お買い物に行っても、すぐに「疲れた」「抱っこして」「帰りたい」を連呼する息子を理解することはできませんでした。
 
 
息子に「疲れた」と言われると、私としては『え?今さっき来たばっかりだけど?甘えないで』という気持ちが先に立ち、「何でもう疲れるの?そんなはずないよ」「そんなにすぐに疲れるなら、来なきゃよかった」と息子の言葉を全否定
 
 
それでも「疲れた」を何度も言って、アピールする息子に、しまいには「疲れるはずないし、抱っこもできないし、甘えないで!」と突き放して、キレてしまう私がいました。
 
 
私は、泣きべそをかく息子をみながら『どうしてこんなに甘ったれなの』と思うと同時に、『甘やかさないで、ちゃんと歩かせないと!』という思いが強くなり、「たいして疲れてもいないくせに、自分でちゃんと歩いて!」と、ますます厳しい言葉で注意するようになっていきました
 
 
 
 

3.繊細な子どもがすぐに疲れてしまう理由とは?

 
 
子どもがすぐに「疲れた」と甘えるのはよくあること。
 
 
繊細な子どもが疲れるのは、こういった子どもに多く見られる感覚過敏をはじめ、感情的な反応が強いために起こる多動、衝動性といった、一見外からはわかりにくい脳の特性をもっているからです。
 
 
このような特性があると、人が多くいるだけでいろんな話し声が聞こえたり、目や耳からの情報が多くなります。
 
 
それを処理するだけでも、脳はとても疲れます
 
 
また、繊細な子どもは、動物が敵から身を守るために働く、脳の扁桃体と言う部分が活発に働くので、常に気を張り、不安も強い状態にあります。
 
 
このような脳の状態にあるので、みんなと同じ空間で同じことをしていても、使うエネルギー消費量が普通よりはるかに多くなるのです。
 
 
このように、感覚過敏のある繊細な子どもが、外からはわかりにくい、いろんな刺激や不安に対する困りごとを抱えながら、みんなと同じように行動することはとても大変。
 
 
甘えでも何でもなく、本当に疲れるのです。
 
 
 
 

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4.理解と共感の声かけを!

 
 
では、「疲れた」と言う子どもにどのような言葉をかけてあげたら良いでしょう?
 
 
例えばマラソンの練習中に「きつい。疲れた」と言ったら、どのような声を掛けますか?
 
 
「きついよね。もう少しだよ。頑張れ!」
 
 
「きついよね。いったん休んでからまたしようか!」
 
 
このような、ねぎらいや応援の言葉があれば、あと少し頑張れたりしませんか?
 
 
子どもが「疲れた」と言っても、マラソンのように見た目でわかるものではありませんが、すぐに「疲れた」と言う子どもは、多くの刺激を処理しているため、本当に疲れているのです。
 
 
私も、甘えではなく、繊細ゆえに本当に疲れているんだと理解してから、「疲れた」という息子に「疲れたよね。あそこまで頑張って歩いたらお休みしようか」と優しくねぎらいの言葉をかけられるようになりました。
 
 
それでも最初からうまくいったわけではありません。
 
 
同じような場面がくるたびに、何度も何度も息子の気持ちに共感するねぎらいの声を掛け続けました
 
 
そうすることで、「疲れた」が口癖だった息子は少しづつ「疲れた」という言葉を出さなくなってきました。
 
 
私たちと一緒にお出かけして、同じ空間で同じことをしていても繊細な子どもは、見た目ではわからない脳の特性ゆえに刺激を強く受けやすく、不安も強く、頑張りすぎるくらいがんばって「疲れた」状態なのです。
 
 
それを理解した上で、ちょっと休むなり、ねぎらうなり、優しい共感の声掛けに努めたいものですね!
 
 
 
 
執筆者
 
発達科学コミュニケーショントレーナー
 
増満咲奈
 
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