失敗することを恐れて、色々なチャレンジを諦めている子はいませんか?ASD傾向のある子どもが失敗を恐れるのは、過去のネガティブな記憶と結びついているからです。それならばママの声かけで失敗の対処法を伝え、失敗=成長の時間に変えていきましょう。
1.失敗を恐れてチャレンジできないASDグレーゾーンの子どもたち
失敗を恐れて、なかなか挑戦できない。
初めてのことにチャレンジする勇気が出ない。
そんなお子さんはいませんか?
特に自閉スペクトラム症(ASD)傾向のある子どもは
・初めてのことが苦手
・見通しの立たないことに不安を感じる
・自分に自信が持てない
などの特性があるため、何かに挑戦することを拒みがちです。
けれども、ママとしては、失敗を恐れずにチャレンジして欲しいときもありますよね。
怖がらずに新しい世界に飛び込んで欲しいと思いますよね。
2.ASDグレーゾーンの子どもたちはネガティブな記憶を残しやすい?!
ASDグレーゾーンの子どもたちが極端に失敗を恐れるのには理由があります。
失敗を恐れる理由のひとつに、「ネガティブな記憶を残しやすい」ということがあげられます。
元々、人間や動物の脳は、危険から身を守るために、不安や怒り、恐怖などを記憶に残すようにできているのですが
ASD傾向のある人は、自分の身を守るための脳記憶機能が強く反応しやすいと言われています。
そのため、さらにマイナス思考に引っ張られやすくなってしまうのです。
このような理由から、ASDグレーゾーンの子どもたちは、楽しかったことや良かったことよりも、悪かったことを優先して思い浮かべてしまう傾向があります。
そして、悪かったことを思い出すたびにそれがネガティブな記憶として脳に定着して、いつまでもそれを引きずってしまうのです。
だいぶ前に父親に注意されたことをずっと覚えていて、「きっとまだパパは怒っている!」と不安が長引くことはありませんか?
子どもの中で過去にあった嫌な出来事を芋づる式に次々と思い出し、気分が落ち込む様子はありませんか?
このように、ネガティブな記憶を引きずりやすいため、過去に経験した失敗などもいつまでも覚えています。
あのとき、あれがうまくいかなかった、これができなかった、など、失敗の記憶も積み重なっているのです。
この記憶が強いことで
「また失敗してしまうのではないか。挑戦して失敗するのが怖い」
と恐れを感じ、なかなか踏み出すことができない状態になってしまいます。
3.失敗を恐れずチャレンジする子どもを育てる秘訣とは?
ASDグレーゾーンの子どもたちに、失敗を恐れずにチャレンジできる子になってもらうには、どのような対応をしたら良いのでしょうか。
失敗を恐れないために必要なこと、それは「失敗の対処法を伝える」ことです!
失敗は誰にでもあります。
大人だって失敗するのですから、発達途中の子どもならなおさらです。
なので、そこで起きてしまった失敗を責めるよりも、リカバリー方法をきちんと伝え、子どもが自分で失敗に対応できる力をつけていくことが大切です。
例えば、子どもが悪気なく、牛乳をこぼしてしまったとします。
そのとき、「あ〜もう!何やってるの!」とママが注意して怒ったら、それは子どもの中で『失敗』となってしまいます。
けれども、そこでママが
「こういうときは雑巾で拭けば大丈夫だよ。雑巾持ってきてくれる?」
と声をかけ、対処法を教えてあげることで、それは子どもにとっては失敗ではなく、『学びの場』に変わります。
そこで子どもがきちんと雑巾で始末できたら、「綺麗に拭けたね!」と伝えれば、むしろ成功体験にだってなるのです。
このように、何か失敗してしまった際、それを責める代わりにリカバリー方法を伝える対応を繰り返していけば、子どもの中で失敗が失敗ではなくなります。
すると、失敗=ネガティブな記憶でもなくなります。
ネガティブな記憶じゃなくなれば、失敗を恐れて挑戦できないジレンマから解放され、「やってみよう!」という気持ちが生まれてくるのです。
また、ママから様々な場面での対処法を教えてもらえた子どもは、いざというときも、自分でリカバリーできるようになります。
「こういうときは、こうしたら良いんだ!」
ということが、自分で分かるようになってきます。
そうなればもう、怖いものなしですよね!
失敗を失敗で終わらせないための対応、それが「対処法を伝える」声かけになります。
子どもたちが成長していく上でとても大切な力となってきますので、子どもが何か失敗してしまった際はぜひそれを「成長のチャンス!」と捉えて、前向きな気持ちで声をかけてあげてくださいね。