うちの自閉スペクトラム症(ASD)の子どもに友達がいないかも?と思っていませんか?一人で遊んだり、先生と遊んだりする方が多くて、このままだと心配!と思っているママのために、この記事ではおうちでできるコミュニケーション力を高める方法をご紹介します。
1.もうすぐ小学生!ASDの子どもに友達がいないのは大丈夫?
お子さんは保育園や幼稚園で特定の仲の良い友達はいますか?
そういえば友達と遊ぶより先生と遊んでいる方が多いかも。
このまま小学生になって友達との付き合いは大丈夫かな?
ちゃんと友達を作れるかな?
とママが心配になっていませんか?
そんなママに、今回はおうちでできるコミュニケーション力を育てる方法をご紹介します。

2.友達より大人と遊ぶ方が好き?ASDの子どもの困りごと
私の息子は自閉スペクトラム症(ASD)の6歳(年長)です。
息子は年少の頃から特定の仲の良い友達がいません。
友達と遊ぶというよりは、一人で遊んだり、先生や大人に遊んでもらうのが好きな方でした。
「今日は幼稚園で誰と遊んだの?」と聞いても、「〇〇先生と遊んだ!」と答えるだけ。
他の日も聞いてみるも、先生の名前しか出てこない日が続きました。
近所の子と遊ぶ時も子ども同士ではなく、高学年の大きい子や、近所の子のお母さんと一緒に遊んでもらうことを好んでいて
「うちの子は友達とあまり遊ばないで、このまま小学生になっても大丈夫かな?」
「集団の輪に入れないのかな?」
など息子の交流関係をとても心配しました。

3.ASDの子どもに友達がいない?その理由は脳の特性にあった
ASDの子どもが友達と遊ばない理由は2つあります。
◼️コミュニケーションが苦手
ASDの特性のひとつに「人とのコミュニケーションが苦手」という特徴があります。
その原因としては・・・
自分の気持ちを適切に表現できない
相手の気持ちや周りに合わせての行動が苦手
といったことがあげられます。
学校や幼稚園では、みんなと幅広く仲良くすることを求められがちですが、
ASDの特性を持っている子たちからすると、たくさんの人とコミュニケーションをとることが苦手で、その誘いですら脳にストレスを感じてしまうことがあります。
◼️ASDの子どもは見通しの立たないことが苦手
6歳だと周りの友達も、想像もしないことをしてくる子が多いですよね。
それがちょっと怖いと感じているのかもしれません。
そのため「自分の気持ちを汲み取ってもらえるから、大人と遊びたい」といって、子どもではなく大人を選んでいるということも考えられます。

4.友達づくりを応援!おうちでできるコミュニケーションの土台づくり
では友達とうまく付き合うにはどうしたら良いのでしょうか?
◼️やってはいけないNG対応
友達ができないからといって、集団に放り込めばなんとかなる!という考えはNGです。
子どもが泳げないのに、浮き輪なしに海に放り込むのと一緒です。
きちんと子どもの状況を理解して、段階を踏んで状況に慣らしていくのが好ましいです。
◼️コミュニケーションをとるために必要な「社会性の発達」を伸ばす
「社会性の発達」は1対1の関係からスタートします。
それは幼稚園や学校といった外での環境ではなくとも、おうちでコミュニケーションの土台づくりをすることができます。
そのためにはママが子どもの親友になりましょう!
ママとなんでも話したり、質問したり、相談したり、秘密の遊びをしたり・・・ と本来親友とやるようなことをママとやるのです。
「ママの服どっちがいいと思う?」
「このお菓子美味しいよねー!」
「〇〇くんはどっちがいいと思う?」
「パパには内緒なんだけど・・・」
なんてたわいのないことでも大丈夫です!
いつもの会話に少しだけプラスして「親友」のような経験をたくさんさせてあげましょう!
ママとのコミュニケーションで
「楽しい」「嬉しい」「ありがとう」
などという感情をたくさん引き出させていくことで、人との関わりがポジティブな記憶として残ります。
おうちで繰り返しママとのコミュニケーションをとっていけば、「他人と物事を共有する楽しさ」が芽生え、徐々に子どもの世界が広がります。
そして今度はママ以外と経験してみたいと思うようになります。
それが友達と遊んでみたいと思うきっかけになるでしょう。

5.楽しい時間がASDの子どもを成長させる!人との関わりを通じて学ぶ力
息子が好きな対戦ゲームもずっとママとしていましたが、ある日幼稚園で友達と「ゲームの話ですごく盛り上がった」と教えてくれました。
息子は好きなゲームがきっかけで、友達と会話が生まれ「嬉しい」「楽しい」という経験をすることができました。
「〇〇くんとゲームの話をして楽しかったんだね!良かったね!」と伝えると、他人とのコミュニケーションの成功体験がいい記憶として脳に残ります。
それが次に行動する原動力になります。
息子は数日後に、その友達と「一緒に対戦してみたい!」と言ってくるようになりました。
そして朝は「今日も〇〇くん来てるかな?」といいながら楽しそうに登園しています。
もちろんまだ一人遊びや、先生と遊ぶことはありますが、少しずつ友達とコミュニケーションをとっている時間が増えていっています。
どんどん成長をしていく息子を、これからも楽しみに見守って行きたいと思います。

執筆者:豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー