発達障害グレーゾーンの子どもは思い通りにいかないことがあると突然怒ってしまい、そんな時の対応がわからないと困っていませんか?子どもが突然怒ってしまった時にママがやるべき対応と声かけをご紹介します。
1.発達障害グレーゾーンの子どもの「すぐ怒る」にどう対応する?
子どもに少し注意をしただけなのに、すぐに怒ってしまう。
または思い通りにいかないと、すぐに怒ってしまう。
そんな発達障害グレーゾーンの子どもの癖に悩んでいませんか?
子どもが怒ってしまったら、怒る子どもに合わせて、自分も怒ってしまい親子トラブルになってしまうなんてこともよくある話です。
ではそんな時、親はどんな対応をしたら良いのでしょうか?
子どもにあった声かけや対応を覚えて、親子トラブルをなくしていきましょう!

2.思い通りにいかないとすぐに怒る!子どもとの親子バトル
我が家の娘は不注意欠陥多動性障害(ADHD)の特性を持つ、発達障害グレーゾーンの小学3年生です。
・ゲームに負けた時や、自分の思い通りにいかないことがあると、すぐにカッとなり怒る
・片付けができてなく、それを注意すると「うるさい」とドアを勢いよく締めたりして、反抗してくる
そんな行動が目立つようになりました。
その度に「うるさいって誰に言っているの!」「その言葉遣いはなんなの?」と怒る子どもに合わせて、ついつい怒ってしまっていました。
そんな親子バトルが日常的になり、家の中はギスギスした雰囲気になることもしょっちゅうでした。
これが家でだけではなく、友達ともこんな風になってしまうのでは?ととても心配になりました。

3.発達障害グレーゾーンの子どもが怒りやすい理由とは?感情のコントロールへの理解
発達障害の子どもが怒りやすい、キレやすいのは脳の特性が原因です。
では発達障害グレーゾーンの子どもはなぜ怒りやすいのでしょうか?
ここからはその原因を探っていきます。
◼️発達障害の子どもは感情のコントロールが苦手
自閉スペクトラム症(ASD)やADHDの発達障害の子どもは、思い通りにならないと「どうしたらいいかわからない」「感情をうまく伝えられない」とパニックになり、結果怒ってしまいます。
またADHDの衝動性の特性と合わさって、怒りが止まらなくなり、感情をうまくコントロールできないのです。
なので、自分ではコントロールができないことをママが理解する必要があります。
◼️ネガティブな記憶が残りやすいため
ADHDの子どもは集中力がない、思い立ったらすぐに動いてしまうなど、失敗をよくしてきたと思います。
そのため、幼少期から「〇〇しなさい!」「ちゃんとして!」など否定的な言葉をたくさんかけられてた子どもも多いでしょう。
その上、ASDの子どもはネガティブな記憶が残りやすい傾向にあるため「自分はダメなやつ」「どうせ私はできない」と自分に自信をなくしてしまいがちです。
だから、ちょっと注意されただけでも「うるさい!」と反抗してしまったり、カッと怒ってしまうということがあるということです。
まず大切なのは、「怒る」という反応を習慣化させないことです。
怒ったりキレたりするのが当たり前になると、それを引き起こす脳のルートがどんどん発達して、困った時の行動がますますエスカレートしていきます。
そのためには正しい対応をすることが求められます。

4.子どもが怒ってしまったときにやるべき!落ち着く声かけと対応
子どもが怒ってしまった時には
・ママが子どもの感情に巻き込まれないこと
・子どもと距離を保つこと
この対応がベストです。
子どもが怒っている時は脳が暴走をしている状態です。
子どもが落ち着くまで待ちましょう。
別の部屋に行ったり、物理的に距離を保つことが大事です。
子どもが怒っている時にママが近づいて「ジュースを飲もうか」「今日は塾休んでもいいよ」などその場その場で要求を飲むのはよくありません。
それによって「怒ったらママが気にかけてくれる、取り合ってくれる」と思うと、怒るのをやめるどころか癖になってしまうからです。
子どもが落ち着いてきた後にする2つの声かけも大事です。
・なぜ怒ったのか共感してあげる
「〇〇が嫌だったんだね」「そういう気持ちだったんだね」と共感してあげましょう。
そして最後には「気持ちを教えてくれてありがとう」と肯定をしてあげます。
・作戦を決める
子どもは共感してもらえたら、気持ちが和らぐのでそのタイミングで作戦会議をしましょう。
「次からこういう風に怒るんじゃなくて、普通に言えばいいんじゃない?」 などとママと子どもでルールを決めて、対策を考えます。
そうすることで嫌なことがあっても怒るのではなく、落ち着いて考えることができるようになります。
子どもがよく怒っている時ほど、親子の接触時間が長かったり、接触距離が近かったりします。
本来は「怒っている時」ではなく、普段から肯定的な声かけをして親子のコミュニケーションをよくとっていくことがもっとも重要になります。
「肯定的」とはできないことばかりに注目するのではなく、「パジャマから着替えたんだね」「もう歯磨きしたの!」などできていることに注目をして日常的に褒めてあげましょう。
そうすることで怒るきっかけを減らして、心穏やかな時間を作ってあげれば親子バトルも自然と減るということなんです。
我が家の娘も怒った時には、この対応をやってみました。
すると「そっか、いちいち怒らなくてもいいんだね」「イライラした時はこうしてみよう」と作戦を一緒に立ててあげることで、
どうしたら良いかという方法がわかり、少しホッとしたように理解してくれました。
そして娘の行動に注目して、褒めをどんどん増やしていくと「怒る」こと自体が減ってきました。
これからも怒った時にどうすればいいかではなく、そもそも怒らないように普段から親子のコミュニケーションを増やしていきたいと思います。
ママが正しい対応をすれば、発達障害グレーゾーンの子どもの怒りやすさを解消することができます。
ぜひ試してみてくださいね。

執筆者: 豊泉 えま
発達科学コミュニケーション トレーナー