「発達検査を受けたけど見方がわからない…。」と困っている親御さんに向けて、本記事では新版K式発達検査の内容や結果の見方、日常生活への活かし方について解説します。我が子が6歳の時に検査を受けた体験談を交えながら、検査結果から見える子どもの得意・不得意や、支援に役立つポイントを紹介しています。
1.「発達検査の見方がわからない…。」と困っている親御さんはいませんか?
「子どもが発達検査を受けたけれど、結果を見てもよくわからない…。」
そんな戸惑いを抱えている親御さんは多いのではないでしょうか。
特に「新版K式発達検査」は、医療機関や発達支援センターなどで広く使われている検査です。
しかし、残念ながら、結果の見方や日常生活への活かし方について、親御さんにくわしく説明される機会が持たれていないこともあるようです。
医療機関で「発達に課題があります」と言われても、どのように対応すればよいのか戸惑ってしまうもの。
この記事では、新版K式発達検査の基本的な内容や、結果の見方、そして実際の子どもの例をもとに、検査結果をどう日常生活や支援に活かしていけばいいのかをご紹介します。

2.新版K式発達検査の内容
「新版K式発達検査」とは、日本で開発された乳幼児から成人(0歳〜成人まで)を対象にした発達検査です。
対象年齢は0歳~成人ですが、おもに0~7歳未満の子どもに使われる検査です。
この検査では、子どもの発達の程度を知るために、以下の3つの領域で評価が行われます。
姿勢・運動領域:体の動かし方やバランス感覚、運動能力など
認知・適応領域:物の形や数を理解する力、記憶力、視覚認知など
言語・社会領域:言葉の理解と表出、社会的な関わり方、コミュニケーション能力など
検査は、子どもの年齢に応じた課題に取り組む形で行われ、結果として「発達年齢」や「発達指数(DQ)」が算出されます。
新版K式発達検査を含む発達検査は、子どもの知的発達の問題を早期に発見することを目的としています。

3.新版K式発達検査でわかること
新版K式発達検査の結果からは、子どもが「どのような力をどの程度もっているのか」、また「どの分野に得意・不得意があるのか」が明らかになります。
たとえば、実年齢が6歳であっても、言語・社会領域の発達年齢が4歳相当であれば、その分野に遅れがあると判断されます。
ただし、遅れがある=発達障害とは限りません。
あくまで「発達の凸凹」があるかどうかを見ていくのがこの検査の目的です。
結果は数値だけでなく、検査中の子どもの様子(例えば「集中力が続かない」「指示が通らない」など)も評価の対象になります。
こうした観察結果は、保育・教育現場や家庭での支援に役立つヒントとなります。

4.6歳で新版K式発達検査を受けた我が子の話
わが家の長男がこの検査を受けたのは、就学前の6歳のときでした。
保育園で「少し気になる点がある」と言われ、市の発達支援センターに相談し、検査を受けることになったのです。
検査結果では、姿勢・運動領域は6歳相当、認知・適応領域は5歳6か月相当、言語・社会領域は4歳3か月相当という数値が出ました。
特に言語・社会領域の遅れが目立ちましたが、医師や心理の先生の説明によると、言葉の理解に時間がかかることや、集団でのやり取りが苦手な傾向が見られるとのことでした。
当初、私はこの結果を受け「このままで小学校に通えるのか」と不安になりました。
しかし、結果をもとに就学相談を受け、通常学級での支援を受けながらスタートすることができました。
何より、この検査を通じて「うちの子は〇〇が苦手」「でも△△は得意」と、具体的に知ることができたのが大きな収穫でした。
本人の発達特性を理解し、本人に合ったサポートを考える第一歩になったのです。

5.検査結果を日常生活に活かすには?
新版K式発達検査の結果は、単なる“診断の材料”ではなく、日常生活や支援の方向性を考えるうえでの「道しるべ」です。
検査を受けた親御さんは、以下のようなポイントを意識すると、より活用しやすくなりますよ!
① 得意・不得意を理解して声かけを工夫する
たとえば、「言語理解がゆっくり」とわかれば、「一度に複数の指示を出さない」「絵や写真を使って説明する」といった工夫が効果的です。
一方で、認知・適応領域が高い子どもであれば、視覚的な情報やパズルなどを通じた学習が得意かもしれません。
② 支援を受ける際の資料として使う
保育園や学校に検査結果を共有することで、必要な配慮や支援が受けやすくなります。
また、療育機関との面談時にも、この検査結果があると、支援計画を立てやすくなります。
③ 発達の経過を記録していく
新版K式は一度だけでなく、年単位で繰り返し実施することもあります。
前回と今回の結果を比べることで、成長の様子や支援の効果を確認できます。
「数値が上がった・下がった」だけに一喜一憂せず、子どもの変化を冷静に見守る視点が大切です。
④ 親が一人で抱え込まない
検査結果を見てショックを受けたり、「自分の育て方が悪かったのか」と自責の念にかられたりすることもあるかもしれません。
しかし、子どもの発達はさまざまです。
一人で抱え込まず、支援機関や専門家、保育園・学校の先生などと連携しながら、少しずつ対応していくことが重要です。
新版K式発達検査は、子どもの「今の状態」を知るための大切な手がかりです。
結果をどう読み取るかに悩む親御さんも多いですが、「何ができて、何が苦手か」という視点で捉えることで、日常生活のサポートにもつなげることができます。
検査の数値はあくまでも『指標』であることを決して忘れないように!
子どもは数字では測れない大きな可能性を持っています。
検査結果を否定的に捉えるのではなく、子どもに合ったサポートを見つける一歩として、前向きに活用していきましょう。
