幼い子どもが「嘘」をつくのはなぜ?「嘘」をつく3つの理由と親がとるべき対応

内緒話
最近、「嘘」をつくようになってきたなぁと感じる3歳、4歳、5歳くらいのお子さんのママへ。お子さんの嘘に対して、厳しく注意しちゃっていませんか?幼い子どもが「嘘」をつくのには成長段階におけるちゃんとした理由があります!本記事では幼い子どもが「嘘」をつく理由と対応についてお伝えしています。成長の証だと捉えて、上手に対応していきましょう。
 
 

1.幼い子どもの「嘘」にいちいち注意していませんか?

 
 
幼い子どもの「嘘」って、かわいいですよね。
 
 
例えば…
 
 
ママが隠しておいたお菓子を「食べた?」と聞くと、子どもは本当は食べたのに「食べてない」と答えたり
 
 
「僕ね!明日ディズニーランドに行くの!」と幼稚園の先生と話していたり
 
 
小さな「嘘」から、大人がびっくりするような大きな「嘘」まで!
 
 
初めはかわいいと思えていても、嘘をつくことが度々増えていくと「嘘をつく大人になったらどうしよう?」と心配になってくることもあるかと思います。
 
 
また、完璧主義なママや自分が親から厳しく躾られてきたママは、「嘘をつくことは人としてよくない」という感覚が必要以上に身についてしまっているため
 
 
「嘘は絶対にダメ!」「嘘ばっかりついたら泥棒になっちゃうよ!」など厳しく注意してしまうこともあるでしょう。
 
 
しかし、3歳、4歳、5歳頃の幼い子どもが「嘘」をつくこと親が厳しく注意することは、脳の発達上、適切ではない行動です。
 
 
では、幼い子どもが「嘘」をついた時、親はどのように対応していけばよいのでしょうか?
 
 
まずは幼い子どもが「嘘」をつく理由を知ることで、対応を考えていきましょう!
 
 
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2.幼い子どもが「嘘」をつく理由

 
 
子どもは大体2歳半頃から嘘をつくようになります。
 
 
これより幼い時期の「嘘」は空想や願望をであり、「嘘」をついていると本人は意識していないことがほとんどです。
 
 
3歳、4歳、5歳頃になると
 
 
・自分の言っていることが現実とは異なっていると理解した上で「嘘」をつく
 
 
・目的を意識して「嘘」をつくことができるようになります。
 
 
要するに意識的に「嘘」をつくようになるのです。
 
 
本記事では、「嘘」を習得したばかりの幼い子どもが「嘘」をつく理由にふれていきたいと思います。
 
 
幼い子どもが「嘘」をつくのには、3つの理由があると考えられます。
 
 
①自分を守るための防衛機制が働いているから。
 
②相手の気持ちを考えることができるようになってきているから。
 
③高度な脳の働きが育っているから
 
 
それぞれ例をあげて考えていきましょう。
 
 

◆①防衛機制が働いているから

 
 
防衛機制:人間が生まれ持った本能、防衛反応の1つです。
 
 
カメレオンが色を変えて敵から身を守る行動や、親鳥が小鳥を守ろうとして弱ったふりをするというような行動がこれにあたります。
 
 
子どもの「お菓子を食べてない」という嘘は、ママから怒られるということから身を守っていると考えられます。
 
 
要するに外的な刺激から自分の心を守ろうとしている反応なのです。
 
 
子どもなりに自分の心を必死に守ろうとしている行動が「嘘」なのであれば、それを頭ごなしに叱るのはNGです。
 
 

◆②心の理論を獲得できているから

 
 
この時期の子どもの脳はめざましい発達を日々続けています。
 
 
自分だけの世界だった子どもが、他者の存在を認識してくるのもこの時期です。
 
 
例えば、ママのお菓子を食べてしまったお子さんが「食べていない」と嘘をついたとします。
 
 
子どもは「嘘」をつく前に
 
 
・ママに怒られたらどうしよう
・ママが大切にしていたお菓子を食べてしまった!どうしよう
・ママが悲しむかもしれないどうしよう
 
 
とママ(相手)のことを必死に考えているわけです。
 
 
一般的に心理学では相手のことを考えることができる力『心の理論』と言います。
 
 
『心の理論』が獲得できているからこそ、「嘘」をつけるようになります。
 
 
子どものつく嘘に「相手」の存在があるのであり、相手の気持ちを理解した上で「嘘」をつくのであれば、それはお子さんの脳が順調に発達している証です。
 
 

◆③実行機能が育っているから

 
 
実行機能とは物事をやり遂げる力のこと。
 
 
「嘘」をつくには記憶、抑制、制御、計画力、発想力など様々なスキルが必要になってきます。
 
 
前述した「お菓子を食べてしまった」という状況で例えるならば
 
 
・ママが大切に隠していたお菓子であることを記憶している(記憶)
・正直に言うべきか、言わないべきか…考える(抑制、制御)
・お菓子のかすはゴミ箱に捨てておこう(計画力)
・「食べていない」と平気な顔で言えば、信じてもらえる?(発想)
 
 
子どもは1つの「嘘」に対して、これだけのことを考えてつじつまを合わせて「食べていない」と答えているのです。
 
 
ある意味「嘘」をつくと言うのは、脳の発達において考えると「お見事‼︎」な行動なのかもしれません。
 
 
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3.幼い子どもが「嘘」をつくのは成長の証

 
 
幼い子どもが「嘘」をつく理由をお伝えしてきましたが…
 
 
どうでしょう?なんだか心が軽くなりませんでしたか?
 
 
子どもの「嘘」に対して肯定的な気持ちにすらなれたのではないでしょうか?
 
 
また
 
「嘘をつくのは人間としてあってはならない!」
「嘘をつくのは泥棒の始まりだ!」
 
 
これらの言葉が子どもの成長の妨げになることをご理解いただけたでしょうか?
 
 
また、幼い子どもの場合は、単純な嘘をつくことができるが、それが悪いことだと思うほどには、前頭葉の感情を司る部分の脳はまだ育っていません。
 
 
それを、いちいち注意することは、かえって子ども自身を否定するようなことになります。
 
 
否定されることで脳はフリーズ状態になるため、せっかく育ち盛りの脳の発達を妨げてしまう危険性すらあるのです!
 
 
幼い子どもの単純な嘘には、どうか「脳が発達してきたんだな」と温かい気持ちで受け入れてあげてほしいと思います。
 
 
また、これからの成長段階で、小学生以上になってくると、もっと高度な嘘をついてくる場合もあります。
 
 
学童期の対応は、幼い子どもの対応とは少し違ってくる部分もあります。
 
 

こちらの記事でご紹介していますので、ぜひ参考にされてみてくださいね!

親に嘘をつく子どもの心理と理由。「嘘は泥棒の始まり!」なんて叱っていませんか?

 
内緒話
 
 
執筆者:
発達科学コミュニケーション トレーナー
増満咲奈
 
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