中学生の癇癪が激減!「家だけ荒れる」思春期の子への3つの対応策

中学生,癇癪,対応,家だけ
中学生になっても、家でだけ激しい癇癪を起こす…。そんなわが子への対応に悩む親御さんへ。不安の強い思春期の子が癇癪を起こす理由と、親にできる3つの対応をお伝えします。
 
 

1.「どうしてうちの子だけ?」──家でだけ癇癪を起こす中学生に悩んでいませんか?

 
 
中学生になってから、急に癇癪が増えた
しかも、学校や外では“いい子”なのに、家では暴言・暴力・モノ投げまで……。
 
 
「どうしてうちの子だけ?」「私の関わり方が悪いの?」
そんなふうに、ひとりで悩んでいませんか
 
 
でも実は、“家でだけ癇癪を起こす”のには、きちんと理由があります。
 
 
この記事では、
 
・なぜ中学生になると家で癇癪が激しくなるのか?
・外ではがんばれる子が、なぜ家で爆発するのか?
・親にできる対応は?
 
ということを、実体験と脳の仕組みを交えながら、3つの視点でお伝えします。
 
 
ふてくされる男の子
 
 
▼今日からできる実践テクニックつき▼
外ではいい子、家では癇癪の子に
必要な対応がわかります!

家でははげしい癇癪 記事中バナー

 
 

2.わが家もそうでした──高学年での転校、不安を抱えた息子の変化

 
 
私自身も、わが子の癇癪に長い間悩んでいました
 
 
小学校6年の春、息子は転校という大きな環境の変化を経験しました。
 
 
一見、落ち着いて学校に通っているように見えたものの、実は緊張と不安でいっぱいの毎日を過ごしていたのです。
 
 
私も新しい学校とはいえ、
「教室の雰囲気や授業は変わらないし大丈夫だろう」
「高学年なんだから、これぐらいはわかっているはず」
──そんな思い込みが私の中にありました。
 
 
でも実際は繊細な息子は、
 
・戸惑っているのに、それをうまく伝えられない
・友達を作りたいのに、どう声をかけたらいいかわからない
・声をかけられても、うまく応えられない
 
そんな気持ちを抱えながら、がんばっていたのです。
 
 
それをうまく言葉にできずにためこみ、不安や疲れが“イライラ”となって家の中であふれ出すようになりました。
 
 
ちょっとしたことで怒るようになり、登校拒否、遅刻、早退も増えていきました
 
 
「2時間目から行く」と言っていたのに、時間になると「やっぱり行きたくない!」と泣き叫ぶ──そんな日々が続きました。
 
 
「そんなに嫌なら行かなくてもいいよ」
そう伝えても、息子の心は晴れませんでした。
 
 
「行かなきゃいけないのに行けない。自分はダメだ
 
──完璧主義な息子は、自分の理想と現実のギャップに苦しみ、どんどん疲弊していきました。
 
 
どんどん自信を失っていき、今まで出来ていたこともできなくなってしまいました
 
 
癇癪のあとには、「どうしてわかってくれないの…」と涙ながらに訴えることも。
 
 
学校でも家でも“ひとりぼっち”だと感じていたのかもしれません。
 
 
私もどう接してよいかわからず、 癇癪が起きるたびに感情にふりまわされ、親子ともに疲れ切っていきました
 
 
心配
 
 

\できない→できたに変わる!/
繊細っ子の“育てにくさ”が和らぐ声かけとは⁈
ダウンロードはこちらから↓↓

小冊子 新ASDのトリセツ

 
 

3.癇癪の奥にある“敏感な心”──神経発達の視点から見えてきたこと

 
 
中学生になって癇癪を起こす子は、「自分の気持ちをうまく伝えられない」「でも分かってほしい」という葛藤の中にいることがあります。
 
 
思春期の脳は、感情のセンサーである「扁桃体(へんとうたい)」がとても敏感になっています。
 
 
扁桃体は、「危険」や「不快」を察知するセンサーのような場所。
 
 
この部分が過敏になると、ちょっとした刺激でも怒りや不安が爆発しやすくなります
 
 
また、思春期は冷静さや判断力を担う「前頭前野」はまだ未発達で、感情をコントロールするのが難しい時期でもあります。
 
 
さらに神経発達に関する研究でも、発達障害グレーゾーンや繊細な子は、こうした脳の反応がより活発になりやすいといわれています。
 
 
つまり、思春期の繊細な子どもにとっては、大人にとっての“ささいなこと”が、本人にとっては“大事件”のように感じられてしまうのです。
 
 
それが「癇癪」や「暴言」といった形であふれ出す。
 
 
それは決してワガママや甘えではなく、心の安全が脅かされたときに起きる“防衛反応”なのです。
 
 
だからこそ、癇癪をどうにかしたいと思ったら、まずは子どもの脳を“快”の状態にしてあげることが大切なのです。
 
 
脳
 
 

4.癇癪中学生の心に届く、親の対応3つのポイント

 
 
思春期の癇癪は、適切な関わりを続けることで、少しずつ落ち着いていきます。
 
 
ここでは、わが家でも効果があった3つの対応ポイントをご紹介します。
 
 

① 子どもの感情に巻き込まれない

 
癇癪が始まると、ついこちらも感情的になってしまいがちです。
 
 
でも、不安が強い子どもは、言葉以上に「表情」や「声のトーン」などの非言語的な情報に敏感です。
 
 
「また始まった…」という困り顔やため息、「いい加減にして!」というイライラはすぐに伝わってしまいます。
 
 
たとえ内心ドキドキしていても、“落ち着いた大人”を演じるだけで、子どもの脳は安心し始めます。
 
 
まずは深呼吸。
火に油を注がず、『静かに見守る』ことが第一歩です。
 
 

② 共感する言葉をかける

 
癇癪を起こしている時に、正論やアドバイスは逆効果
 
 
「落ち着いて」「そんな言い方しないで」などの言葉も、子どもをさらに刺激してしまいます。
 
 
まずは、子どもの“気持ちだけ”を受け取って、共感の言葉をかけてあげましょう
 
「不安だったんだね」
「みんなから無視されてるような気持ちがしたんだね」
「〇〇の気持ち、お母さんもすごくわかるよ」
「そんなこと言われても、できないよね」
 
可能であれば、肩や背中をさすってあげながら声をかけてあげるのも効果的です。
 
 
「気持ちを代弁してくれた」と感じると、 子どもは少しずつ落ち着いてきます。
 
 

③ 落ち着いてから話を聴く

 
感情が落ち着いたタイミングで、 「さっきはイライラしてたね」「何があったの?」と、ゆっくり話を聴く時間を持ちましょう
 
 
ここでも、否定やアドバイスはNG
 
「そうなんだ」
「へえ〜、それでどう思ったの?」
「どうしたかったの?」
 
といった言葉で、子どもの内側の気持ちに寄り添うように聴くことが大切です。
 
 
このやりとりを通して、子ども自身が『自分の感情に気づく力』を育てていくことができます。
 
 
ただし、「死にたい」「いなくなりたい」など、自分の存在を否定する言葉が出たときだけは、はっきり「それは違うよ」と伝え、しっかり抱きしめてあげてください。
 
 
安心
 
 

5.癇癪が激減した今、思うこと

 
 
以前は、癇癪が始まると1~2時間は続いていた息子も、今では数分で気持ちを切り替えられるようになりました。
 
 
もちろん今でもイライラすることはあります。
 
 
でも、「今イライラしてる」と言葉で伝えられるようになったのは、大きな成長です。
 
 
大切なのは、
 
①子どもの感情に巻き込まれないこと
②共感を示すこと
③落ち着いてから話を聴くこと
 
この3つを繰り返すことで、「自分の気持ちを受け止めてもらえた」という安心感が積み重なり、子どもの脳は少しずつ”安全”を感じられるようになります。
 
 
毎日毎日、癇癪に向き合うのは、本当に心がすり減りますよね。
 
 
でも、 「外ではがんばってるのに、家でだけ癇癪を起こす」……
それは、親に心を許しているからこその表現です。
 
 
癇癪は悪いことではなく、思春期の子どもが身を守るために出しているSOS。
 
 
あなたの存在が、子どもにとっての「安全基地」になれるよう、まずは一番近くで味方でいてあげてください
 
 
そうすれば子どもは少しずつ落ち着いていきます。
 
 
焦らず、責めず、少しずつ。
以前の私のように、お子さんの癇癪や暴言に悩んでいるママに、ぜひ試してほしい対応です!!
 
 
 
 
*よくある質問・ご相談にオススメの記事はこちら*
Q.癇癪を起こすたびに暴言を吐かれて、私が限界です…。親がどうやって心を守ればいいですか?
 
Q.思春期になって会話が減ってきた…子どもへの声かけはどうしたらいいですか?
 
タイトルとURLをコピーしました