子どもに余計な一言を言ってしまい、後悔していませんか?心配や焦りから口出ししてしまうママへ。親の捉え方と関わる順番を変え、子どもの気持ちを受け止めながら、自分で考え行動する力を育む関わり方を紹介します。
1.「言ってはいけない」と思いながら、ついつい言ってしまっていませんか?
「分かってるけど、つい言っちゃう…」
「言わずにいられない…」
「そんなつもりじゃなかったのに、子どもを傷つけてしまったかも…」
子どもが心配でよかれと思って言った一言が、実は「余計な一言」になっていた…なんてことありませんか?
分かっていてもやめられない…
それは、あなただけではありません。私も、そうでした。
母親が、余計な一言をつい言ってしまう心理的背景には、子どもを大切に思う気持ちや過去の経験、心の余裕のなさなどが関係しています。
「このままでは困るのではないか」
「失敗して傷ついてほしくない」
そんな思いが強くなるほど、子どもが自分で考えるのを待つことが難しくなってしまうのです。
また、親自身が忙しかったり、時間に追われていたりすると、子どもの行動を待つ余裕がなくなることもあります。
すると、子どもの様子を見て考えるより先に、言葉で行動を促そうとしてしまいます。
ここで大切なのは、余計な一言を言ってしまう自分を、必要以上に責めないことです。
「また言ってしまった。私はダメな母親だ」と考えるだけでは、次にどうすればよいのかが見えにくくなります。
まずは、「私は何を心配していたんだろう?」「どうなってほしくて声をかけたんだろう?」と、自分の気持ちに目を向けてみましょう。
自分の焦りや心配に気づくことが、子どもへの関わり方を変える第一歩になります。

2.余計な一言を繰り返していた私が変わるきっかけ
私も以前は、子どものためを思って声をかけているつもりが、余計な一言を繰り返してしまうことがありました。
「何回言えば分かるの?」
「早くして!」
言った直後に、もっと違う言い方があったのではないかと後悔することもありました。
そんな私が、子どもへの関わり方を考え直すきっかけになった出来事があります。
ある日、小学6年生の娘からこう言われました。
「ママ、学校で水泳の授業がある時は学校を休むから。」
以前の私であれば、
「は?何言ってるの?そんなのダメでしょ?!」
と娘の気持ちを聞くことなく、頭ごなしに決めつけ、無理矢理行かせていたと思います。
学校には行ってほしい。
苦手なことから逃げてほしくない。
親の「正論」を子どもにぶつけ、子どもの気持ちに寄り添ったりすることがなかったのです。
しかしそうなれば、娘は反抗し、親子の仲も険悪となります。
なぜ、私はもっと冷静に優しく子どもに寄り添ったりできないんだろう…と悩む日々でした。

3.子どもへの口出しが逆効果になることもある理由
子どもが困っているとき、親はつい解決策を教えたり、行動を促したりしたくなります。
けれど、子どもが自分で考えるためには、安心して気持ちを表現できることも大切です。
ここでは、脳の仕組みから考えてみましょう。
母親のつい出てしまう「余計な一言」。
実は、子どもの脳の発達や行動意欲にブレーキをかける可能性があるのです。
脳には「扁桃体」という危険や不快を察知して反応する警報装置のような部分があります。
親のきつい言葉や否定的な言葉は、子どもの「扁桃体」を刺激し、脳が「攻撃された」と認識してしまうことがあります。
すると、子どもは
✔怒る
✔無視
✔黙る
といった反応を引き起こし、自分を守ろうとする態勢に入ってしまいます。
そして、子どもの脳はストレスを感じ、思考・判断・感情を司る前頭前野の機能が低下します。
「だからさっきから言ってるでしょ!」と怒れば怒るほど、子どもはますます考えられなくなるのです。
ただ、否定や叱責が繰り返されると、子どもが安心して自分の気持ちを話したり、失敗から学んだりすることが難しくなる場合があります。
安心できると、自分で考える余地が生まれます。
考えたり、計画を立てたり、行動を調整したりする働きには、前頭前野が関わっています。
不安や緊張が強いと、こうした働きを十分に発揮しにくくなることがあります。
だからこそ、子どもが困っているときには、すぐに正解を教えるのではなく、まず安心して話せる状態をつくることが大切です。
「そう思ったんだね」
「何か困っていることがあるのかな?」
このような言葉は、子どもの気持ちを知るきっかけになります。
そして、子どもが落ち着いてから一緒に考えることで、自分の気持ちを整理し、選択肢を考える経験につながります。
大切なのは、何でも子どもの言うとおりにすることではありません。
気持ちを受け止めることと、必要なルールや行動について話し合うことは、両立できます。
子どもの気持ちを理解したうえで、どうしたらよいかを一緒に考える。
その積み重ねが、自分で考えて行動する力を育てていきます。
そこで、私が子どもにどのように関わるようになったのかを、次でお伝えしますね。

4.子どもへ余計な一言を減らす3つのステップ
では、日常の中で余計な一言を減らすには、どうすればよいのでしょうか。
ポイントは、受け止める、親自身が落ち着く、一緒に考えるという順番です。
私が変わったきっかけは、次の3つのステップを意識するようになったからです。
ステップ1:まずは、子どもの言葉・状況を受け止める
子どもが「学校に行きたくない」「もうやりたくない」と言ったとき、すぐに「そんなこと言わないの!」と返したくなることがあるかもしれません。
そんなときは、まず子どもの言葉をそのまま聞いてみましょう。
例:「そっかぁ、そう思ったんだね」
「そうなんだね」
「何か気になることでもあるのかな?」
といった言葉です。
ステップ2:親自身の気持ちを整え、落ち着く
→ すぐに反応せず、心を整える
子どもの言葉を受け止めようとしても、親自身が焦っていたり、イライラしていたりすると、すぐに口を出してしまうことがあります。
そんなときは、無理に優しい言葉を探そうとせず、すぐに返事をしないという選択肢を持ってみましょう。
- 一度深呼吸をする。
- 少しその場を離れる。
- 「今は焦っているんだな」と自分の気持ちに気づく。
それだけでも、反射的に言葉を返すことを防ぎやすくなります。
落ち着いてから話したほうが、子どもの気持ちも自分の考えも整理しやすくなります。
ステップ3:落ち着いてから作戦を立て、子どもに伝える
→ 提案や選択肢を出し、最終的には子どもに決めてもらう
子どもの気持ちを聞き、親自身も落ち着いたら、次は解決策を考える段階です。
今回の場合であれば、私は、娘の「水泳休みたい」発言にどう対応したか?
① 最初、私は「そっかー」とだけ返しました。
心の中では「えっ?! それはダメでしょ!!」と大騒ぎでしたが、まずは受け止めることを徹底。
② その後、一人になって冷静になってから、こう考えました。
・娘の立場で考える → みんなの前で記録を取られるのは泳げないとそれは嫌だよね…
・どうすれば本人の不安が減り、前向きになれるか?
→確かにこの先、泳げなくても困らない
→しかし、中学校でも水泳はあるし、ずっと避けるのは大変
→娘は運動はどちらかといえばできる方
→きっと専門の水泳教室の先生に教われば泳げるようになるはず!
そして、娘にこう提案しました。
「泳げないとみんなに見られながら、記録を測ったりするのは嫌だよね。
だけど、中学校でも水泳があるし、ずっと水泳を避けていくのは大変だと思うんだよね。
水泳の専門の先生に習ってみるのはどう?合う教室を一緒に探してみない?」
娘の機嫌が良いときを見計らい、軽いトーンで話すと「うん!やってみる!」と前向きに答えてくれました。
結果的に、3カ所の水泳教室を回って、娘に合う教室が見つかりました。

5.親の関わり方が変わると、子どもの自分で考える力が育つ
「余計な一言を言ってしまう」のは、子どもを想うお母さんなら誰にでもあること。
大切なのは、二度と余計な一言を言わないことを目指すのではなく、言葉が出そうになったときに、少し立ち止まれるようになることです。
子どもが何かを嫌がったとき、以前ならすぐに否定していた場面でも、「どうしてそう思ったのかな?」と考えてみる。
心配になったときも、すぐに行動を促すのではなく、子どもの気持ちを聞いてみる。
そんな小さな変化が、親子の会話を変えるきっかけになります。
余計な一言を減らすことは、親が黙り込むことでも、子どもに何も伝えないことでもありません。
子どもの状態を見ながら、必要なことを必要なタイミングで伝えていくことです。
親がすぐに答えを与えるのではなく、子どもの気持ちを聞き、一緒に考える。
その経験が、子どもが自分で考え、選び、行動する力につながっていきます。
まずは今日、子どもに何か言いたくなったときに、一呼吸置いてみることから始めてみませんか?

「今まで行けていたのになんで…」
「このまま不登校になったらどうしよう…」
子どもが自信を取り戻し、
自分から一歩を踏み出すために。
ママができる関わり方を 「4つのステップ」をまとめました。
執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー





