「2学期行きたくない…」夏休み明けの不登校を防ぐ5つの対応策

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「2学期行きたくない…」と子どもが口にしたら要注意。夏休み明けの不登校を防ぐために、今できる心の準備と親の関わり方について、発達の専門家がわかりやすく解説します。
 
 

1.「2学期行きたくない…」夏休み後に不安を抱える子どもたち

 
 
夏休みも終盤に差しかかると、「学校に行きたくない」「2学期がこわい」と口にする子どもが増えてきます
 
 
実際、文部科学省の調査でも、小中学生の不登校は2学期開始直後に急増する傾向があります。
 
 
なぜ、夏休み明けが子どもにとってこれほどまでにプレッシャーになるのでしょうか?
 
 
それは、休み中に気持ちがゆるみ、「学校モード」に戻れなくなるからだけではありません。
 
 
・1学期に学校でイヤな思いをした
・勉強や友だち関係に不安がある
・自分でも理由がわからないけど気分が落ち込む
 
 
こうした『見えない不安』が、夏休みの終わりとともに一気にのしかかってくるのです。
 
 
また、発達障害やグレーゾーンの子どもには、以下のような『発達特性によるストレス』が不登校の引き金になることもあります。
 
 
・1学期に友達関係でトラブルがあった
・クラスや先生にまだ馴染めていない
勉強が難しい
集団行動で「ついていけない」と感じていた
感覚過敏(音、におい、暑さなど)で学校生活が苦しかった
 
 
こうした背景がある子ほど、夏休み中に学校から気持ちが離れやすくなるため、観察と声かけがより重要です。
 
 
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2.親として見逃したくない「サイン」とは?

 
 
不登校は、突然起こるものではありません。
多くの場合、前兆となるサインが夏休み中から見え隠れしています。
 
 

✔️学校や2学期の話題を極端に避ける

 
・学校に関する話をすると黙る、イライラする
・「学校始まるね」と言うだけで不機嫌になる
・夏休みの宿題の話を嫌がる、拒否する
 
学校に関することがストレスになっている可能性があります。
 
 

✔️夏休みの宿題にまったく手をつけようとしない

 
・宿題を見ると機嫌が悪くなる
・「めんどくさい」などネガティブな言葉が増える
・宿題に集中できない、すぐやめる
 
「どうせ学校行かないし」というあきらめの気持ちが背景にあることも。
 
 

✔️生活リズムが崩れている

 
深夜に起きて朝寝ている生活が定着している
起床、食事、睡眠がバラバラで、日中もだらだらしている
・呼びかけても反応が鈍い、ぼんやりしている時間が多い
 
生活リズムの乱れは、心のバランスの乱れのサインでもあります。
 
 

✔️表情が乏しく、笑顔が減った

 
・今まで好きだった遊びに興味を示さない
表情が曇っている、目が合いづらい
テレビやゲームばかり見ていて、家族との会話が減っている
 
「楽しい」と感じる力が落ちている場合、心が疲れている可能性があります。
 
 

✔️「行きたくない」「学校やめる」といった言葉を口にする

 
・「もう学校なんて行かない
・「ママと離れたくない
・「学校に行っても意味がない、やめる!」
 
本人なりに精一杯助けを求めているSOSの可能性があります。
 
 

✔️ 身体に不調を訴える

 
お腹が痛い、頭が痛いと言うが、病院では異常がない
食欲がない過食気味になっている
夜中に目が覚める、なかなか寝付けない
 
身体症状として出る『心のストレス』のサインです。
 
 
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3.わが家もそうでした|筆者の体験談

 
 
我が家では、小学校1年生の2学期の始業式前日に、娘が「学校行きたくない」と泣き出し、家を飛び出してしまうという事件がありました。
 
 
娘には、夏休み後半くらいから
 
・学校の話を嫌がる
・お腹が痛いと訴える
・笑顔がなくなる
・「学校やめる」と言い出す
 
このような不登校の前兆となるサインが見られていましたが、「不登校にしたくない!」と焦っていた私は
 
 
「行かなきゃダメでしょ」と強めに返してしまい、娘の気持ちに寄り添うことができていませんでした
 
 
結局、始業式当日は学校に行けず…。そのまま1週間、お休みすることに。
 
 
そんな中、ある日、娘が夜寝る前に泣きながらポツリと言ったんです。
 
 
「教室に人がいっぱいいて、苦しくなる。ザワザワした音で頭が痛くなる…」
 
 
私はその時やっと、『行きたくない』の裏にある娘の本当の気持ちを知ることができました。
 
 
夏休み中の不調に気づいた時、気持ちに寄り添い受け入れることができていたのなら、娘は、もっと早く私に話してくれたかもしれません。
 
 
それからは、担任の先生と連携しつつ、母子登校で少しずつ学校に慣れていき、2学期中盤からは1人で元気に登校できるようになりました。
 
 
スモールステップ
 
 

4.夏休み中にできる!不登校予防の関わり方

 
 
では、2学期を迎える前に、親ができることはなんでしょうか?
 
 
◆安心感を満たす「声かけ」
 
子どもが話しやすい雰囲気をつくることが、心の安定に直結します。
「学校には行くべき」とプレッシャーをかける声かけは逆効果です。
 
子どもが話したがらないときは、無理に引き出そうとせず、そばにいる安心感を届けるようにしましょう
 
 
◆生活リズムを整える
 
昼夜逆転が続いていると、心身ともに「学校に行ける状態」から遠ざかってしまいます。
 
起床・就寝時間を徐々に学校モードに戻す
朝ごはんを一緒に食べる
規則的な生活リズムを家族全体で整える
 
「生活リズム=心のリズム」と言われるように、心の安定には生活習慣が大きく影響します。
 
 
学校以外の安心できる場所も意識する
 
子どもが「学校がすべて」と感じてしまうと、逃げ場をなくし追い込まれてしまうことがあります。
 
放課後等デイサービスやフリースクールの見学
地域のイベント、図書館、公園など「安心できる居場所」の確認
「学校以外にも味方がいる」と感じさせてあげる
 
また、ママと一緒なら、学校に行ける子は、母子登校も一つの選択肢です。
 
 
不登校にならないことだけを目指すのではなく、子どもが安心して過ごせる選択肢を増やすことも、立派な『夏休み中の備え』です。
 
 
サポート
 
 

5.もし2学期に不登校になっても、それは失敗じゃない!

 
 
どんなに準備していても、2学期に登校できないことはあります。
でも、それは決して親のせいでも、子どものせいでもありません
 
 
むしろ、「今は学校に行けない」という事実を受け止めることが、子どもにとっての安心感や、次の一歩への原動力になることもあります。
 
 
不登校=失敗ではありません
不登校=自分の気持ちを守るために選んだ勇気ある行動です。
 
 
夏休み明けの不登校は、誰にでも起こり得ること。
 
大切なのは
親が子どもの気持ちに寄り添う姿勢
学校以外の価値観や居場所の提示
一人で抱え込まない、誰かとつながる力
 
 
親の焦りや不安が強いと、つい子どもに「頑張って」と言いたくなりますが、今必要なのは『がんばらせること』ではなく、『安心を届けること』
 
 
子どもにとって「大丈夫」と思える夏の終わりを、一緒につくっていきましょう。
 
 
 
 
 
 
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