不登校×ASDの息子に悩んだ私が「ママが変わる」の本当の意味に気づくまで

不登校×ASDの息子に悩んだ私が「ママが変わる」の本当の意味に気づくまで
「ママが変われば子どもが変わる」私はその言葉が嫌いでした。それは、すでに頑張っているのにまだ足りない?と感じていたから。息子の不登校を機に、自分の心を整えることが本当の変化だと気づいたお話をさせていただきます。
 
 

1.「ママが変われば子どもが変わる」を受け入れられないママへ

 
 
子どもの困りごとをどうにかしたくて、SNSで情報を集める毎日。
 
 
その中で「ママが変われば子どもが変わる」という言葉をよく目にしませんか?
 
 
以前の私はその言葉が嫌いでした
 
 
だって、それは“またママが頑張らなきゃいけない”ように聞こえたから
 
 
「もう十分頑張ってるのに、これ以上どう頑張ればいいの?」
 
そう思って、心のどこかでその言葉を拒絶していました。
 
 
でも、今ならわかります。
 
 
“ママが変わる”というのは、“もっと頑張ること”ではなく、“ママの心が整うこと”なのだと。
 
 
そう感じられるようになるまでのストーリーをお話させていただきます。
 
 
悩んでいる女性
 
 

2.頑張り続けた日々と見えなくなった笑顔

 
 
私はひとり親として「しっかり働かなきゃ」「自立しなきゃ」とずっと無理してきました
 
 
そんな中、息子が小学校2年生で行き渋りが始まり、夏休み明けは完全な不登校になりました。
 
 
さらに自閉スペクトラム症(ASD)であることもわかりました。
 
 
毎日繰り返される暴言・暴力・癇癪
 
 
私が「大好きだよ」「どうしたの?」と伝えても、まったく届かない日々。
 
 
家でも外でも気が休まる瞬間がないまま、私は知らないうちに心も身体も限界に近づいていました。
 
 
✔️耳鳴り
✔️腹痛
✔️眠れない
✔️泣いてしまう
✔️ご飯が食べられない
 
それでも私は「まだ大丈夫」と言い聞かせ、自分の状態を見ないフリをして仕事と育児を頑張り続けていました。
 
 
「こんなに頑張っている私の姿を、息子はきっと見ていてくれている」
 
そう思い込んでいたところも、正直ありました。
 
 
でも、息子の表情から笑顔が消えて、外出先でもこわばった顔をしているのを見た時、「何かがおかしい」とようやく気づきました。
 
 
真剣な顔の男の子
 
 

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3.発コミュとの出会いと心の転機になった言葉

 
 
発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会ったのは、息子が不登校になってすぐの時期でした。
 
 
なんとか現状を変えたい。
 
そんな思いからはじまった発コミュ。
 
 
飛び込んでみたはいいものの、始めた当時の私は”学んだことを実践する余裕”がありませんでした
 
 
どんなにいい対応や、声かけの方法を学んでも、心が追いつかなかったんです。
 
 
そして何より苦しかったのが、「ママが変われば、子どもが変わる」という言葉のプレッシャーでした。
 
 
「わかっているよ…変わるためにまた頑張れってことでしょ?」とそんなふうに感じてしまい、余計に追い詰められていました
 
 
そんな私の心に刺さったのが、発コミュで聞いたこの言葉。
 
「子どもの心を壊してまでやらなきゃいけないことなんてない」
 
 
その瞬間、涙が一気に溢れました。
 
 
「私はなんのために頑張っていたんだろう」
「息子の何を見逃してきたんだろう」
 
そう思ったら、自分を一度立て直すしかないと気づきました。
 
 
私は勇気を出して、無理に頑張り続けるのを一旦やめて、仕事のペースをセーブするという選択をしました。
 
 
逃げたわけじゃなく、自分と息子を守るために必要な決断でした。
 
 
でも、仕事をセーブしてから気づいたのです。
 
「私、休み方がわからない」ということに。
 
 
仕事が減っても心はずっと緊張していて、「何かしなきゃ」「早く元に戻らなきゃ」と焦る毎日
 
 
そんな自分を責めることもありました。
 
 
割れたハート
 
 

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4.自分を整える実践

 
 
「何かしなきゃ!」と焦っていた私は、すがるような思いで発コミュを学び直しました
 
 
その中で私にとって一番大切だと気づいたことは、まずママのメンタルを整えることでした。
 
 
親がイライラしたままだと、どんな声かけも届きません。
 
 
まずは自分の心を落ち着けることが、子どもとの関係を良くする第一歩だと気づきました。
 
 
特に息子は私の感情の変化にとても敏感です。
 
 
たとえば私が怒っていないのに声のトーンが少し低いだけで「怒ってる?」と泣いたり、仕事で疲れているだけなのに「僕のせいだ‼︎」と感じてしまうこともあります。
 
 
ASDの子どもには、光や音などの刺激を強く感じやすかったり、人の表情や声の変化を敏感に受け取る感覚の特性があると言われています。
 
 
そのため、周りのちょっとした変化が大きな刺激として伝わり、不安や緊張につながりやすいのです。
 
 
これは決してわがままでも、意地悪でもなく、息子が自分ではコントロールできない“感じ取りの強さ”を抱えているからなのだと、今では思えるようになりました。
 
 
だからこそ、私自身がまず穏やかな気持ちでいることが何より大切でした。
 
 
そのために私が実践したのは、「仕事や育児に完璧を求めないこと」
 
 
仕事も育児も完璧にしようとせず、できる範囲でやる
 
疲れたら休むことを優先しました。
 
 
例えば
・息子がお風呂に入りたがらなくても「今日くらいいっか」と言う。
・洗濯や掃除も今日は最低限でOK。キレイさよりも安心できる環境が大事だと思う。
・イライラしてしまったら「今日は私も疲れている」と素直に認めて、自分を責めない
 
 
穏やかな気持ちの時間が増えると、ようやく息子の行動をゆっくり観察できるようになり、自分の心の動きにも気づけるようになりました。
 
 
同時に、今までの私は仕事でも子供の前でも必死に笑顔を作っていたことに気がつきました。
 
 
✔️「息子の今日できたこと」に穏やかな笑顔を向ける
✔️「完璧じゃなくていい」と自分に言ってあげる
 
 
そんな小さな積み重ねが、いつの間にか私の心を穏やかにし、本当の笑顔を取り戻していました
 
 
すると不思議と、息子の表情も少しずつやわらかくなり、不安そうな顔を見せることが減っていったのです。
 
 
今でも相変わらず不登校ですが、親子で笑い合う時間が増えています
 
 
親子で食事をする様子
 
 

5.私が本当に大切にしたいものは

 
 
無理して仕事を続けることより、頑張るママでいることより、私が本当に大切にしたかったのは、息子の安心と、家族の心身の健康でした。
 
 
“ママが変わる”というのは、“自分を責めること”でも“努力を重ねること”でもなく、私にとっては『自分を整えること』だった。
 
 
息子の不登校は、そのことを私に教えてくれた、大切な「気づきのきっかけ」だったのだと思います。
 
 
私が穏やかでいるとき、息子は安心して笑ってくれる。
 
 
その瞬間こそが、私にとって何よりの幸せです。
 
 
親子で抱き合って笑顔の様子
 
 
 
 
 
執筆者: おちあい ひろみ
発達科学コミュニケーション トレーナー
 
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