不安が強い子の行きしぶりは冬休みの過ごし方で変わります。学校のストレスがない期間に、安心と経験を積むことで新学期につなげる方法を紹介します。ぜひ、できることから試してみてくださいね。
1.2学期の不調と行きしぶり…「来年も引きずる?」と不安なママへ
いよいよ冬休みに突入しましたね。
ママは少しホッとした反面、
「この行きしぶり、来年まで引きずらないかな…」
そんな不安が頭をよぎっているママも多いのではないでしょうか。
私も、そんな経験をしました。
振り返ると…
2学期の後半からお子さんに次の様な変化はありませんでしたか?
・行きしぶりが強くなった
・朝になるとお腹や頭が痛いと言う
・学校の話を避けるようになった
・些細なことで泣いたり怒ったりする
実は、2学期は行きしぶりが出やすい時期でもあります。
行事、テスト、人間関係など、特に不安が強い子どもにとって負荷が大きいからです。
不安が強い子は、
「ちゃんとできるかな」
「失敗したらどうしよう」
と、頭の中で考え続けています。
外からは見えなくても、心の中ではずっと緊張状態。
だから2学期に不調や行きしぶりが出るのは、弱さではなく、がんばりすぎたサインなのです。

2.冬休みは「不安が強い子」にとって特別な期間の理由
冬休みは、不安が強い子にとって一年の中でも特別な期間です。
まず、学校という緊張する環境から一旦、離れることができます。
・朝のプレッシャーからの解放
・様々な行事や評価からの解放
・無理に友だちに合わせる状況からの解放
行きしぶりが出ていた不安が強い子にとって心と脳を休ませる大切な時間なのです。
脳は負荷が下がるとようやく「安心して回復モードに入れる」というスイッチが入ります。
さらに、冬休みには、もう一つ大きな特徴があります。
それは、 人と会う機会やイベントが多いこと。
・親戚に会う
・年末年始の行事
・家族での外出
・いつもと違う場所で過ごす時間
学校ほどの緊張はないけれど、「少しだけ社会とつながる経験」が増える時期です。
不安が強い子にとって、この安心できる大人と一緒の経験は、行きしぶり改善の土台になります。
✔ 最後まで参加できなくてもいい
✔ 途中で休んでもいい
✔ できそうなことにチャレンジしてみる
この前提があるからこそ、「できた」という経験が少しずつ積み重なっていくのです。

3.不安が強い子の行きしぶりは「安心」が足りていないサイン
私達親は、行きしぶりが続くと「どうしたら行けるようになるのか」と考えがちですよね。
不安が強い子の行きしぶりは、安心不足のサインであることが多いです。
不安が強い子の脳は、「扁桃体」という部分の危険を察知するアンテナが常に立っています。
冬休みに大切なことは、ママが今、お子さんがどの段階にいるか観察することです。
まだ不安が強く、体調不良などがある段階の子であれば、安心安全を伝えていきましょう。
・笑顔で声をかける
・優しいトーンで雑談する
「〇〇くん、おはよう」
「好きなごはんできてるよ」
そんな何気ない会話が、行きしぶりで疲れた心を少しずつ回復させてくれます。

4.冬休みにできる!不安が強い子を伸ばす関わり方
① 冬休み中の生活リズムは「ゆるく整える」
完璧な生活リズムは必要ありません。
大きく崩れすぎないことを意識するだけで十分です。
② 1日1回「親子時間」をつくる
冬休みは、親子で過ごす時間が増えます。
・一緒に料理をする
・映画を見て感想を言い合う
・ゲームをする
など、親子で「一緒に楽しい時間を過ごした」という記憶が、安心につながります。
③ 行事や人と会う予定は“逃げ道あり”で
不安が強い子は、「途中でやめられる」と分かるだけで安心できます。
最初からすべてを避ける必要はありません。
親以外の大人との関わりが、思わぬ自信につながることもあります。
④ 行きしぶりが出ても責めない
「また行けなかった」ではなく「今日はここまでできたね」と声をかけてあげましょう。
⑤行動に誘う
お子さんが、穏やかに過ごしている段階であれば、行動を引き出してあげましょう。
行動すればするほど脳は伸びます。
そして、実際行動できた後は、肯定の声かけで記憶を上書きしてあげましょう。
誘うときのポイントはスモールステップです!
「1回だけやってみる?それともママとやってみる?」
「5分だけ一緒に散歩する?それとも家で体を動かす?」
それならやってみてもいいかなと思える選択肢やスモールステップで誘うことが大事です。

5.冬休みは行きしぶりを立て直す期間
冬休みは、行きしぶりを改善する期間とも言えます。
ここで安心をためられた子は、
・冬休み明けの行きしぶりが軽くなる
・新学期への不安が小さくなる
・「少し行ってみようかな」
と思えるようになります。
以前、息子も、学校のストレスから解放された期間に安心安全を手渡し、少しずつ行動を引き出すことで始業式にすんなり登校しました。
また、年始の親戚との集まりで親以外の大人と会話が弾んだ経験が、息子の自信につながったこともあります。
冬休みの安心は、行きしぶり克服の土台になります。
逆に、冬休みも無理をさせ続けると、 不安や行きしぶりは長引きやすくなります。
来年を良くしたいなら、今は「無理させる」より「整える」。
何も変わっていないように見える冬休みでも、 不安が強い子の中では、確実に回復が起きています。
冬休みは、不安が強い子が立ち止まり、整い、また動き出すための時間。
ママがそばで安心を届けられたことは、必ず次につながりますよ。

執筆者:たるみ あや
発達科学コミュニケーション アンバサダー





