母子登校中、不安が強い子だった我が子は、学校にいても私から離れられませんでした。肯定の注目を通した関わり方で、少しずつ自信をつけ、離れて過ごせるようになりました。
1.母子登校中、学校にいても離れられなかった毎日
「少しでもいいから、学校でママから離れられるようになってほしい。」
そう願いながら、どう関わればいいのか分からず悩んでいるお母さんはいませんか。
わが家でも、子どもが学校に一人で行けなくなり、最初は私と一緒でないと教室に入れなくなりました。
はじめは、机のすぐ隣で手を握っていないと不安になり、少しでも姿が見えなくなると落ち着かなくなってしまう状態でした。
「今はこれが精一杯」そう分かっていても、この先どうなるのか、不安になる瞬間は何度もありました。
この記事では、母子分離不安で不安が強い子に対して、「どう関わればいいのか分からない」そんな状態から、肯定の注目を通して安心を積み重ね、少しづつ離れられるようになっていった過程をお伝えします。

2.「見えなくなると不安」不安が強い子から逃れられなかった毎日
教室では、私がいつでも見える場所にいないとダメでした。
少しでも姿が見えなくなると、子どもは不安で落ち着かなくなってしまいました。
先生と話そうと、ほんの少し廊下に出ただけでも、子どもは「なんで勝手に外に出るの?ダメって言ったじゃん」と、強い口調で怒ることがありました。
トイレに行きたくなっても、私は自分のタイミングで行くことができませんでした。
休み時間、子どもが友達と楽しそうに遊んでいるのを見て、「今なら大丈夫かもしれない」と思ってトイレに向かったこともあります。
でも気づくと、子どもは必死な表情で私を探し始め、走って追いかけてきて、 不安のあまり私を叩くこともありました。
そのたびに、「やっぱり離れられないんだ」と感じて、どう関わればいいのかわからなくなっていきました。
子どもの不安を受け止めながら、自分のことは後回しにする毎日。
この状態がいつまで続くのか、先が見えないことが、何よりつらかったです。
「どうしてここまで不安になるんだろう」
「どうしたら、この子は安心できるんだろう」
答えがわからないまま、同じ毎日を繰り返していました。
でも後になって、あの行動には理由があったと知り、関わり方にもポイントがあったことに気づきました。

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3.わがままではなく、不安が強い子の心で起きていたこと
あの頃のわが子は、「ママと離れる=危険なこと」と強く感じている状態でした。
これは、わがままでも、反抗でもなく、不安が強くなりすぎたせいで、子どもは頭で考える前に、体と感情が先に反応してしまっていたのです。
不安な状態の子は、「安心できるかどうか」を何度も確かめる行動が増えていきます。
だから、
・ママの姿が見えないと強い恐怖を感じる
・約束や説明を聞いても安心できない
・不安が限界になると、追いかけたり、叩いてしまう
こうした行動が起きていました。
大人から見ると「少し待てばいいだけなのに」「先生と一緒なら大丈夫なはず」と思える場面でも、子どもの中では “今この瞬間に離れることが耐えられない” 状態だったのです。

4.言葉よりも伝わった、肯定の注目という関わり方
私が意識したのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)で学んだ肯定の注目。
肯定の注目とは、「出来ている行動に気づいて伝えることで、その行動を増やしていく関わり方」です。
我が子に効果的だったのは、その肯定の注目の中でも、言葉だけではなく、ジェスチャーで伝える事でした。
不安が強い状態の我が子は、「今、ママはここにいるかな」「見てくれているかな」 と常に確かめています。
なので私は、教室内の離れている所にいても伝えられるジェスチャーを使って安心させることを意識しました。
例えば、
①子どもが「これで合ってるかな?」と迷っていそうな表情をしているときには、 言葉をかける代わりに、「うなずく」
②休み時間、友達と遊びながらも、私がいるかどうかをキョロキョロ確認しているときには、ここにいるよ~という気持ちを込めて、「手を振る」
③ノートを「書けたよ」と見せてくれたときには、大きな声で褒めるのではなく、「拍手」
④計算問題に取りかかれたときには、そっと「OKサイン」
⑤漢字を丁寧に書けたときには、「グッジョブサイン」
このようにジェスチャーで伝えました。
このとき大切にしていたのは、「できたかどうかを評価すること」ではなく、声を出さなくても、「ママは見ているよ。」「あなたは一人じゃないよ。」と、その安心を、行動の邪魔をせずに伝えることでした。
言葉をかけなくても、視線やジェスチャーで安心を受け取れるようになると、子どもは少しずつ、自分の力で行動できる時間を増やしていきました。

5.母子分離不安の中でも、少しずつ離れられるようになった理由
ジェスチャーを使った肯定の注目を続けていく中で、教室での過ごし方が、少しずつ変わっていきました。
以前は不安でいっぱいだった教室でも、私が教室の後ろに座っているだけで大丈夫な時間が増えていきました。
ずっと隣にいなくても、安心して過ごせるようになっていったのです。
また、先に「何をするか」「どれくらいか」を伝える事で、子どもは見通しが持てて安心しやすくなります。
そこで 「先生と少しだけ廊下で話してくるね」 と先に伝えてみると、泣いたり追いかけたりすることなく、私と離れられるようになりました。
トイレも、「行ってくるけど、すぐ戻るね」と伝えることで、私のタイミングで行けるようになっていきました。
さらに、少しずつ私と離れる時間が増え、教室の中だけでなく、教室から少し離れた渡り廊下で待てる日も出てきました。
そこから急に大きく変わったわけではありませんが、「離れても大丈夫だった」という経験を積み重ねることで、安心できる範囲が、確実に広がってたように思います。
もし今、離れられない状態が続いていたとしても「ほんの少しのできたこと」に目を向ける関わりから始めてみてください。
その積み重ねが、子どもの安心と自信に繋がっていきますよ。

執筆者:夏井 さや
発達科学コミュニケーション トレーナー




