いつも同じ洋服しか着ないなど強いこだわりを持っているお子さんはいませんか? この記事では特定の洋服しか着られなかったり、どうしても体操服には着替えられない息子が驚きの変化を遂げた体験談を元に子どものこだわりを和らげる提案方法を紹介しています。
1.いつも同じ洋服しか着ないこだわりの強さ
選ぶのはいつも同じ洋服で、違う洋服を着せようものなら大騒ぎ。
ママからの提案を全て拒否するお子さんに困り果てているというママはいませんか?
同じ洋服しか着てくれないと、お洗濯も大変ですし、「違う服も着てほしい」と思いますよね。
似たデザインや好きなキャラクターの服を用意しても、結局は全部拒否されて困っているママに、ぜひ試してほしい提案方法があります。
この記事では、今から紹介する筆者の体験談を元に、実際に行った提案方法と、その効果についてご紹介しています。

2.どうしても体操服に着替えられなかった息子のこと
私には小学校2年生の子どもがいます。
小1の冬に登校しぶりがありましたが、4ヶ月間の付き添い登校を経て今では学校に通えているものの、体育の時間に体操服に着替えることが苦手でした。
幼稚園の頃からサッカーを続けていたり、1年生の時には運動会でリレーの選手に選ばれたりと体を動かすことが元々大好きなタイプなのに、登校しぶりが出てきた頃から体操服に着替えたがらないことやいつも同じ洋服を着たがるといったこだわりが見え始めました。
そんな息子なので登校前に洋服を選ぶ時にはいつも親子バトルが始まります。
今日こそはなんとか違う洋服を着せようとサッカー選手が好むようなデザインを探してきた り、努力はしているのに結局は選んでもらえずに来る日も来る日も同じ洋服を選びます。
学校では動きやすい格好であればOKと先生にもご理解いただいて体操服ではない格好のまま体育の授業に参加させていただくこともありました。
それでも母としては体操服に着替えて参加できるようになることを願わずにはいられず、 どうしたら着替えてくれる気になるのかと悩む日々でした。
しかし、息子が同じ洋服ばかりを着たがったりする背景には、脳の特性が関係していることがわかりました。

3.ASDグレーゾーンの子どもが持っている特性とは
私の子どもは自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンの傾向があります。
登校しぶりが出ていた頃の息子は、「いつもと違う」が増えることにとても敏感になっていたのかもしれません。
ASD傾向のある子どもは、
- 慣れているものを好みやすい
- 見通しが立たないことに不安を感じやすい
- 感覚の違いに敏感なことがある
と言われています。
息子にとっても、体操服への着替えは「ただ着替える」ということ以上に、大きな負担になっていたのだと思います。
これまでに息子が
「この洋服はいやだ!」
「どうしても体操服は着たくない!」
と騒ぎ立てていたのは、決してワガママや甘えではなく、息子なりの不安やこだわりの強さが関係していたのかもしれないと感じるようになりました。
ずっと悩み続けていた困りごとの背景に、「息子なりの理由」があるのかもしれないと分かったことで、私自身の気持ちも少し楽になりました。
そして、「どうしたら着せられるか」ではなく、「どうしたら安心して選べるかな?」という視点で関われるようになっていったのです。
洋服に対して強いこだわりを持っていると分かったならば、本人の気持ちをただ否定するのではなく、
「このお洋服が好きなんだね、ママもそう思うよ〜!」
といった具合に子どもの気持ちに共感することから始めました。
子どもの「好き」や「イヤ」を受け止めて安心を増やしていくことで、少しずつ違う洋服にも目を向けられるようになっていったのです。
次の項目では、私が実際に行って効果が得られた提案方法をご紹介します。

4.子どもに選択をさせる提案方法
まずは子どもが楽しく選べそうな言葉を選んで選択肢を作ります。
息子の場合はサッカーが大好きなので、次のような選択肢を用意していつもとは違う洋服を選べるような工夫をしていました。
「今日はさ、サッカー選手が試合で着ているようなかっこいい青いシャツにしてみる?」
「それとも、オフの時の選手のスタイルみたいなおしゃれな白いシャツにする?」
ポイントは子どもに提示する選択肢はどちらを選んでもOKなものにしておきます。
①どちらか1つを選べた時
子ども「青がいいな」
ママ「お、自分で選べたね!青、かっこいいよね〜!ママもそう思うよ〜」
→子どもが選べたら、まずはすかさずに褒めて、その後子どもが選んだ方を支持します。
②どちらも選べない時
子ども「どっちもいやだ」
ママ「そしたら、緑はどう?」
→ママはイライラせずに穏やかな表情と声色を意識して他の案を提案します。
それでも選べない場合には「じゃあママがピッタリなの選んじゃうね!」と穏やかに宣言し ます。
もしも、ここでママが選ぶことに抵抗するようだったら、もう一度「青にする?それとも白?」と提案を繰り返します。
ここで大事なことは「着るの?着ないの?」などと子どもを責めるような言い方にならないように気をつけます。
③子どもが違う案を提示してきた時
子ども「どっちもいや。でも黒ならいい」
ママ 「オッケー!黒もいいよね〜!自分で選べてすごいね〜」
→受け入れ可能な案であれば、肯定する言葉も忘れずに伝えつつその案を採用します。
子どもがなかなか選べない時には「どっちがいい?」ではなくて「どっちがいや?」という質問に変えると選べるようになることもあります。
子ども自身に選ばせることで、強制ではなく自分の気持ちを尊重してもらえたと感じて、子どもは思わず提案にのって行動しやすくなります。
「着るのか、着ないのか」ではなく、どちらを選んでも着るという行動に繋げることが大事です。

5.環境と関わりを整えて更にもうワンステップ!
子どもに合った環境と関わりをしっかりと整えていくことで、子どもは少しずつ前に向かって進んでいくことができます。
私自身、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学ぶ中で先ほど紹介したような、
- 子どもの気持ちを肯定する声掛け
- 工夫した選択肢で提案すること
という子どもとの「関わり」を意識するようになりました。
そしてもう一つ、私が大切にしたのが「環境」を整えることでした。
息子の場合は、担任の先生とのコミュニケーションでした。
- 体操服に着替えることが苦手であること
- 本当は体育が大好きだけれど着替えられない後ろめたさから見学を希望していること
- もし出来そうな時は、私服のままでも参加させていただくことは可能かどうか
を事前に相談をしていました。
その上で、
- 体育のある日は自宅から私服の下に体操服を着て登校してもいいか
- 上だけ体操服に着替えることはOKか
なども細かく確認をしておきました。
そして運動会が近づいてきたある日、明日はリレーの選手の選考会が行われるという日に、息子は大変身を遂げました。
いつものように朝お着替えをする時間には 「今日の洋服は白?青?」 と提案しながら、
「それとも体操服を中に着ていくのやってみる?先生からはOKもらっているよ〜!」
と、この頃には「体操服」という言葉も自然に選択肢へ加えられるようになっていました。
すると、息子から「明日の選考会には出たい!だから明日は体操服着るよ。」と伝えてきたのです。
息子の前向きな発言に驚くと同時に、私自身が発コミュを学び、「翌日には気持ちが変わってしまうこともある」と知っていた私は、翌朝どうなるだろう…という気持ちもありました。
ですが、なんと翌日、息子は宣言通り体操服に着替えて選考会に参加することが出来たのです。
久しぶりに見た息子の体操服姿に、担任の先生と一緒に「泣けちゃうね!」と感動を分かち合いました。
自分で選択をするということは、「自分でできた!」という成功体験につながります。
そして、
- 自分で選べた
- やってみようと思えた
- できた!を積み重ねられた
そんな経験を少しずつ重ねることで自信がつき、息子の体操服への抵抗も和らいでいきました。
以前の私は、「どうして着られないの?」という気持ちばかりが先に出ていました。
ですが、子どもを無理に変えようとするのではなく、安心して選べる環境と関わりを整えていくことが大切なのだと、息子との経験を通して感じています。
この記事が、洋服へのこだわりや体操服への抵抗に悩んでいるママのヒントに少しでもなれたら嬉しいです。
そして、子どもの成長が加速してママの子育てが楽になる日が来ることを願っております。

執筆者:小川 よしこ
発達科学コミュニケーション トレーナー





