1.あなたのお家ではどっちの情動伝染が起きていますか?
「最近、子どもの機嫌が悪いな…」
「朝からなんだかイライラしてしまう…」
そんな日、もしかすると“ママの感情”が家族に伝染しているかもしれません。
心理学ではこれを「情動感染」と呼びます。
楽しい気持ちも、悲しい気持ちも、そしてイライラも、知らず知らずのうちに家族に伝わっていく。
それが感情の不思議な力です。
子育てに疲れ、余裕がなくなってくると、どうしてもマイナスな感情を周囲にぶつけてしまいがち。
でも、それはあなたが悪いのではなく、脳の仕組みによるものなんです。
この記事では、「情動感染」の仕組みと、ママ自身の感情をうまく整える方法について、やさしく解説していきます。

2.「情動感染」ってなに?家族に感情が伝染するしくみ
感情って、不思議ですよね。
例えば、赤ちゃんの笑顔を見るだけで、心がじんわり温かくなったり。
友達が楽しそうに話すのを聞いて、自分も楽しい気分になったり。
実はそれ、心理学的に「情動感染」と呼ばれている現象なんです。
情動感染とは、周囲の人の感情や気分が自分に伝染していくこと。
特に、家族のように距離が近い相手ほど、その影響はとても大きいのです。
ニコニコしているママがいると、子どもも自然と穏やかな気持ちに。
反対に、ママがイライラしていると、子どもも落ち着かず、なんだか怒りっぽくなる…。
そんな経験、ありませんか?

私たちの脳には「ミラーニューロン」という仕組みがあります。
これは、他人の表情や行動を見るだけで、自分の脳がその感情を“まねる”ように反応する神経細胞です。
つまり、ママがイライラしていると、その感情が無意識に子どもへコピーされてしまう。
これが「イライラの伝染」の正体です。
さらに、心理学の研究では「ネガティブな感情ほど強く伝染しやすい」と言われています。
不安、怒り、焦り、悲しみ…。
こうした感情が家庭内で渦巻いてしまうと、子どもの心も次第に曇っていくのです。
3.ネガティブな空気を変える!ママのための感情リセット法
では、どうすればママのイライラを伝染させずに済むのでしょうか?
それは、「自分の感情を自分で整える力=セルフケア」を身につけること。
あなたが少しでも気持ちを整えられたなら、それは確実に家族にも伝わります。
しかも、ポジティブな気持ちの方が“じわじわ長く伝染”していくという特性もあるんです。
以下で紹介する「感情リセットの習慣」は、特別な準備もスキルもいりません。
今日からできることばかりなので、ぜひ試してみてください。
◆① ポジティブなことを3つ書き出す
小さなことでも大丈夫。
「自分を肯定する材料」を言語化することで、脳はポジティブを認識しやすくなります。
例:
-
洗濯物を干した!
-
子どもが笑ってくれた!
-
ごはん、美味しくできた!
書きながら「えらい、私!」と自分に声をかけてあげてください。これだけで心の中に余裕が生まれます。

◆②ネガティブなことを紙に書き出す
「ポジティブなんて出てこない!」というときは、逆にイライラや不安を紙に書き出してみましょう。
これは「エクスプレッシブ・ライティング」と呼ばれ、心理療法にも使われる手法です。
・5分間、ひたすら頭に浮かんだことを書き出す
・感情や思考に「名前をつける」だけでもスッキリ
感情は言葉にすることで整理されていきます。

◆③ 前向きな気持ちになれる「好きなこと」に触れる
・推しのアーティストの曲を聴く
・お笑い番組を見る
・好きだった漫画を読み返す
・カフェでおいしいドリンクを飲む
自分が「心地いい」と思える時間を、毎日に少しだけでも差し込みましょう。
「ママだから」我慢する必要はありません。
むしろ、ママこそ“自分のご機嫌”を大事にしていい存在なのです。

イライラや不安は、決して「あなたのせい」ではありません。
でも、そんな気持ちを「伝染させない」工夫は、今日からできます。
情動感染は脳の仕組み。
だからこそ、自分の感情を整えることが、子どもにとって何よりの安心になります。
・自分を否定しすぎずに
・無理に明るくふるまわずに
・少しだけ、自分に優しい時間を作る
それだけで、あなたの家庭には、穏やかで温かい空気が少しずつ戻ってきます。
「ママが笑っている」それだけで、子どもはホッとするんです。
まずは、今日のあなたに「よくがんばってるね」と声をかけてあげてくださいね。