いつも学校でひとりぼっちのASDの子どもが友達を作るための正しい3ステップ

友達と遊ぶ
幼稚園や学校でいつもひとりぼっちでいる、自閉スペクトラム症(ASD)の子ども。そんな姿を見て「可哀想に・・・」と心を痛めているママはいませんか?お子さんはもしかしたら1人でいる方が安心するのかもしれません。それでもいつかはお友達を作ってあげたい!という思いがあるなら、ぜひお伝えしたい社会性を育てる3ステップがあります。
 
 

1.「子どもがひとりぼっちで可哀想」と心を痛めているママはいませんか?

 
 
幼稚園や学校行事に行くと、授業以外の時間にはポツンと1人でいる我が子
 
 
そんな姿を見ると
 
 
「うちの子、仲良しの子はいないのかな?1人で可哀想に・・・」
 
 
胸を締め付けられるような気持ちになってしまいますよね。
 
 
日本の学校では
 
 
「みんなとワイワイ、仲良くできることが素晴らしい」
 
 
という風潮がありますし、私たちママ世代もそう育ってきました。
 
 
ですが、本当にそれだけが素晴らしく、正しいことなのでしょうか?
 
 
今回の記事では、自閉スペクトラム症(ASD)の子どもにとって心地よい環境と、
 
 
友達を作るために必要な社会性の育て方を3ステップでお伝えします。
 
 
 
 
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2.休み時間に1人でいる我が子、友達がいないの?

 
 
我が家は、長男が小学校に入学する直前に市外から引越ししてきました。
 
 
入学したのは、隣の幼稚園を卒園した子が学年の3分の2を占める小学校。
 
 
入学説明会や入学式でも、その幼稚園の卒園児やママたちが集団でいるような状況で、
 
 
私たち親子はその他の人たちと少人数で世間話をするだけ、という感じでした。
 
 
入学して初めての授業参観のこと。
 
 
コロナ禍前で、何時間か続けて参観できるスタイルでしたので、休み時間の様子も見ることができました。
 
 
授業が終わるチャイムが鳴って、みんなが一斉に友達と集まっているのに、
 
 
我が子だけはたった1人、自分の席に座ったままで自由帳に絵を描き出したのです。
 
 
「うちの子、引越してきたところだし、まだ友達がいないのかな・・・一人で可哀想に・・・」
 
 
と、母親の私自身が子どもを哀れに思い、悲しい気持ちになってしまいました。
 
 
先生に聞くと、
 
 
「自分から友達のところに行くこともありますし、絵を描いている息子くんのところに寄って来たお友達と楽しそうにお話もしていますよ。」
 
 
とのことでしたが、1人ぼっちで黙々と絵を描いている息子の姿が目に焼き付いてしばらく心配ばかりしていました。
 
 
心配
 
 

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3.自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが1人でいるのは、安心するから。

 
 
その後、次男が不登校になり、発達検査を受けると自閉スペクトラム症(ASD)であるとの診断が出ました。
 
 
それを機に勉強を始めた発達科学コミュニケーションの創始者、吉野加容子先生が、ある動画サイトで
 
 
「自閉スペクトラム症(ASD)の子どもが1人でいるのは、安心するから。」
 
 
というお話をされており 「長男もこれだったのかもしれない!」 と長年の疑問がすっと腑に落ちたのです。
 
 
実は、私が勝手に心配していただけで、長男は「友達と仲良くなれない」「1人で寂しい」などと訴えたことはなく、
 
 
しばらくすると仲のいい友達もでき、楽しく小学校生活を終えることができたのです。
 
 
人間はみんなそれぞれ脳機能にある程度の偏りがあります。
 
 
発達特性が強く、不登校になってしまった次男ほどではないにせよ、長男にもASDの特性が多少みられます。
 
 
ASDの特性の1つに、
 
 
「初めての物、人、コトや見通しの持てないものが苦手」
 
 
ということがあります。
 
 
長男の場合、入学した直後は
 
 
まだよく知らないお友達
 
慣れない校庭
 
新しい遊び
 
 
など、見通しが持てない状況に身を置くよりも、好きな絵を1人で描いている方が心地よかったんだ!とかなり納得できました。
 
 
「1人で可哀想」だったのではなく「1人の方が安心できるから好きで1人でいた」のです。
 
 
周りの大人である親や先生が
 
 
「1人じゃなくみんなと一緒に仲良くさせないと!」
 
 
と思ってそれを勧めること自体、逆にASDの子どもにはストレスになってしまいます。
 
 
実際、担任の先生に無理矢理手を引っ張られ、休み時間には校庭に出るようにキツく言われたことがあり、息子はとても嫌がっていました。
 
 
1人でいたい気持ちを尊重し、安心できる環境にいさせてあげることが大切です。
 
 
1人で可哀想、みんなと遊ばないとダメ、だなんて思う必要は全くないのです。
 
 
ポイント
 
 

4.ASDの子どもが友達を作るために必要な3ステップ

 
 
もちろん、ASDの子どもの中でも色んなタイプのお子さんがいます。
 
 
・友達と仲良くしたいのに、自分の話を一方的にしてしまって仲良くなれない
 
 
・自分から友達の輪に入れない
 
 
・お友達が嫌がることをしたり、言ったりしてしまう
 
 
自分の意見が言えない
 
 
など、困りごとはさまざま。
 
 
1人でいたい訳ではないのに1人でいるしかない、という状況もあるかと思います。
 
 
本当はお友達と仲良くしたい、というお子さんや、
 
 
今は1人でもいいけどゆくゆくは友達と遊ぶ楽しさを味わって欲しい、という思いの親御さんの場合、社会性を育てていく順番が重要になっていきます。
 
 

◆社会性を育てる3つのステップ

 
 
①はじまりは1対1の関係。
 
 
ママやパパが親友のようになりましょう。
 
 
なんでも言い合える、打ち明けられる、ヒミツの遊びをする、など心を通わせていき、
 
 
一人より一緒が楽しいな」という感覚を持たせていきます。
 
 
1対1が上手くいけば、1対2→1対3→1対4のように徐々に相手を増やしてみましょう。
 
 
②広く、浅く、よりも狭く、深く、が得意。
 
 
趣味が同じ、部活が一緒、などで特定の友達ができたら、それを見守りましょう。
 
 
もっとみんなと仲良くさせないと!とは思わないで、数人との関係を大切にしていきます。
 
 
③特定の友達ができたら、自宅に呼んで遊ばせる。
 
 
ASDの子どもは外では緊張してしまうタイプが多いです。
 
 
できれば、親御さんの都合のつく範囲で自分のおうちに友達を呼んで、お子さんがリラックスした状態で友達と過ごせるようにしてあげましょう。
 
 
ASDの子どもは特に苦手や不安に思うことが多いですよね。
 
 
少しずつ、信頼できる大人や気の合うお友達と出会っていき、
 
 
「一緒が楽しい!」という感覚を身に付けて成長して欲しいな、と心から願っています。
 
 
友達と遊ぶ
 
 
 
 
 
執筆者: しまたに あすみ
発達科学コミュニケーション リサーチャー
 
 
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