母子分離不安が長引くのはなぜ?甘えではなく「脳の状態」が原因
「小学生なのに、私と離れられないんです。」
「朝になると学校に行きたくないと言います。」
こんなご相談が、たくさん届きます。
私自身も息子が小1の時に経験しました。
母子分離不安というと、 「幼児期だけの話でしょ?」 と思われがちです。
小さい頃にママと離れて泣いたり、 後追いをしたりするのは自然な発達です。
ですが、 小学生になっても離れることが強い苦痛になり、 学校生活に影響が出ているケースがあります。
それは、甘えでも、育て方のせいでもありません。
大事なのは、 なぜこの子の脳がここまで不安を強めているのか。
そして、 ママの関わりで何が変えられるのか。
今日は私自身の母子分離不安の子育て経験と、 250名の親子との実践をもとにお話しします。
動画で見たい方は、こちらからご覧くださいね。
母子分離不安の子の脳では、何が起きているのか?
母子分離不安が長引く子の脳では、 不安を感じる「扁桃体」が敏感に働いています。
初めての場所や、見通しの立たない状況で すぐに「危険かもしれない」と反応する。
すると、
固まる。
お腹が痛くなる。
動けなくなる。

これは甘えじゃなく、 脳の防御反応なんです。
本来、脳は
不安 → 安心 → 挑戦
という順番で進みます。
ですが、 分離不安ができない子は 「安心」で止まってしまいます。
その先の挑戦までつながらない。
これが、母子分離不安が長引く構造です。
問題は「不安があること」じゃなくて、 「不安から挑戦へ進めないこと」なんです。
このことを理解しておくだけで、 関わり方がずいぶん変わります。
なぜ「ママがいるときだけ安心」になってしまうのか?
実は、「ママがいると安心」はいいことなんです。
子どもの脳は、 ママの声や表情を「安全のサイン」として学習します。
これは、健全な発達です。
本来、幼児期には
安心 → 少しだけ挑戦(できた!) → また安心に戻る
という回路が育ちます。
だけど、 安心が「ママがいるときだけ」になってしまうと、
家は安全。外は危険。
この切り替えができない状態になります。

安心を外に持ち運べなくなってしまうんです。
母子分離不安がある小学生は、 「クラスに入りにくい」「間違えたらどうしよう」という不安として表れます。
高学年になると、 「友達にどう思われてるか」「合わせすぎて疲れた」という形に変わります。

表面は変わっても、根っこは同じです。
安心から挑戦へ切り替わる回路が弱い。
大切なのは、 ママがいなくても「大丈夫かもしれない」と感じられる回路を育てることです。
安心がたまったら次は何をすればいい? 小さな挑戦の積み重ね方
母子分離不安が長引いているとき、 多くのママがすでに十分やさしく関わっています。
子どもを否定しない。
共感もしている。
それでも、なかなか前に進まない。
次に大切なのは、 「安心がたまってきたタイミングで、小さな挑戦を増やすこと」です。
子どもが安心を積み上げているサインがあります。
最近よく笑う。
返事が増えた。
他にも色々ありますが、こういう変化が見えてきたときが、 次のステップに進むタイミングです。
受講生の経験「ひとりでお留守番が出来るようになった!」
例えば、受講生のNさんは、 ひとりでお留守番ができない息子さんに困っていました。
ちょっとでもママの姿が見えなくなると不安になる状態でした。
Nさんがやったことは、小さな成功体験の積み重ねです。

まずは家の中で、ほんの少しだけママと離れる時間を作る。
次に、ママだけゴミ出しに行ってみる。
帰ってきたときに、
「お留守番ありがとう!助かった!」
と、できた事実を言葉で伝える。

Nさんの息子さんは今、 子どもだけでお留守番ができるようになっています。
不安がゼロだからできたのではありません。
不安があってもできた。
この経験が積み重なると、
「ママがいれば安心」から 「いなくても大丈夫かもしれない」という脳の回路が少しずつ伸びていきます。
今日から大きく変えなくて大丈夫です。
まず、子どもが安心しているサインを見つけることから始めてみてください。
ママの関わりが、 お子さんの脳を少しずつ変えていきます。
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母子分離不安についてのよくある質問(Q&A)
A:安心を渡すことと、甘やかすことは違います。
安心を渡すのは、脳の土台を育てる関わりです。
子どもの不安を受け止めること、そして スモールステップで挑戦できる環境を整えること。
これは子どもを弱くするのではなく、 脳が「挑戦してもいい」と感じられるようにする関わりです。
何でも許す・何でも代わりにやってあげることとは、別のことです。
A:「最近よく笑う」「ママの声かけに返事が増えた」といった小さな変化が、 安心が積み上がってきたサインです。
子どもが穏やかに過ごせているとき、不機嫌になることが減ってきた時が挑戦のタイミングです。
母子分離不安がある子に、まだ安心が足りない場面で無理に挑戦させると、 不安が強まることもあります。
まずは安心を丁寧に積み重ねながら、 子どもの変化を観察してみてください。
発達科学コミュニケーション マスタートレーナー
北華ゆか



