「付き添い登校って迷惑?」周りの目が気になっていた私
付き添い登校をしていると、
「先生に迷惑だと思われていないかな」
「いつまで付き添えばいいんだろう」
と不安になりますよね。
私も約1年間、娘の付き添い登校を経験しました。
当時は「どうしたら一刻も早く付き添いをやめられるのか」ばかり考えていましたが、
娘がひとりで登校できるようになったきっかけは、
付き添っている時間を、娘の「できた」を増やす時間に変えたことでした。
この記事では、付き添い登校が長引いていた娘がひとりで登校できるようになった、わが家の関わり方をお伝えします。
私の娘は入学当初から行き渋り、毎日別れ際に涙を溜めて登校していました。
最初の頃は同じように泣いている子や不安そうな子もいて、玄関や教室まで親が付き添う光景も珍しくありませんでした。
私も「他の子もしているから」と、娘の登校に付き添うことにしました。
ところが、他の子が少しずつ学校生活に慣れてひとりで登校できるようになっていく中、私の娘はますます私から離れられなくなっていったのです。
毎日教室の入り口まで付き添うことが当たり前になり、別れようとすると私にしがみついて大声で泣くようになりました。

「なんで毎日ママと来ているの?」
「今日も泣いているの?」
とクラスのお友達から質問責めに。
泣いている娘にしがみつかれて身動きが取れず、
私はただ困った顔で「なんでだろうね」と返事するのが精一杯でした。
そんな様子を見ていた担任の先生からも、
「ママがサッと行かないからですよ」
「もう8時半になりました。そろそろお仕事に行かれたらどうですか?」
と、ため息混じりに言われることもありました。
別れ際に娘が大声で泣くと、同じ階にあるクラスのドアが大きな音を立てて閉められることもありました。
そんな光景を見るたびに、まるで私たちの存在が迷惑だと言われているように感じました。
私が過保護で、いつまでも娘から離れられないと思われているような気がして、
「付き添い登校って、学校の先生からすると迷惑なんだ」と思っていました。

だけど、私だって好きで付き添っているわけではありません。
ひとりで行けるものなら、他の子と同じように行ってほしい!
そう思っているのに叶わないことが悔しくて、惨めな気持ちでいっぱいになり、
涙を流しながら仕事へ向かう日もありました。
結局、娘はその後教室にも入れなくなり、廊下に用意された机に座って、一日中2人で過ごす日々が続くことになりました。
「娘のため」と思って始めた付き添い登校。
それなのに、付き添えば付き添うほど娘は私から離れられなくなり、いつ終わるのかも、どうすれば抜け出せるのかもわからない、出口の見えないトンネルにいるようでした。
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付き添い登校が長引くのは「ママがいればできる」が続いているから
なぜ娘は毎日私が付き添っているのに学校生活に慣れることができず、付き添い登校がどんどん長引いてしまったのでしょうか。
そこには、不安を感じやすい子が、学校での経験をどう記憶しているかが関係していました。
不安を感じやすい子にとって、場所も先生も友達も生活の流れも大きく変わる小学校への入学は、不安が強くなりやすいタイミングです。
さらに、「泣いているのにママと引き離された」「みんなの前で泣いてしまった」などの嫌な経験が強く記憶に残ると、学校への不安が大きくなり、ますます安心できるママから離れにくくなることがあります。
ここで大切なのが、付き添って学校へ行けた経験を、子どもがどう記憶しているかです。
ママが付き添えば学校へ行けているという状態は、大人からは「学校に行けた」という成功体験を積んでいるように見えます。
ところが、子どもの中に残っているのが、「自分で学校に行けた」ではなく、
「ママがいたから学校に行けた」という記憶だと、自信にはつながりにくくなります。

すると、「ママがいないとできない」「今日もママにいてほしい」という状態から抜け出しにくくなり、校門までだった付き添いが玄関、教室へと長くなっていくこともあります。
だからといって、無理にママと引き離せばいいわけでもありません。
「怖かった」「嫌だった」というネガティブな記憶をさらに増やしてしまうことがあるからです。
付き添うことが悪いのではありません。
大切なのは、
付き添っている間に「自分でできた」というポジティブな記憶を残すことができているかどうかなのです。
付き添い登校で「迷惑かも」と周りの目が気になる理由
付き添い登校が長引くほど、不安を抱えるのは子どもだけではありません。
付き添っているママ自身も不安になっていきます。
子どものために必要だから付き添っている。そう頭ではわかっていても、
「先生に迷惑だと思われていないかな」
「過保護な親だと思われていないかな」
と、周りの目が気になってしまうことがあります。
幼稚園や保育園では送り迎えをしていたのに、小学生になると多くの子が
ひとりや友達、登校班で学校へ向かうようになります。
周りの子が当たり前のようにできていることを、わが子だけができていない。
園時代は何も問題なかったのに、小学校には通えない。
その姿を毎日目にすると、
「不安なのだから寄り添ってあげたい」と思う一方で、
「早くひとりでできるようにしてあげなきゃ」と焦るようになります。
寄り添いたい気持ちと、自立させたい気持ちの間で、
ママ自身もどう関わればいいのかわからなくなってしまうのです。

付き添う目的が見えないまま毎日を過ごしていると、自分の関わりが正しいのかを判断する物差しもなくなります。
すると、
・先生がどんな顔をしているか
・周りの保護者からどう見られているか
・ほかの子はどこまでできているか
そんな周囲の反応が、自分の関わりを判断する物差しになり、
ますます「私たちは迷惑をかけているのではないか」という不安が大きくなっていきます。
だからこそ、付き添い登校で大切なのは、周りからどう見られているかではなく、
何のために付き添っているのかという軸をママが持つことです。
私自身も、付き添う目的が「娘の自立につなげること」だとわかってから、
周りからどう思われているかよりも、娘の小さな変化に目を向けられるようになりました。
大切なのは「付き添い登校は迷惑なのか」と悩み続けることではありません。
今の付き添いを、
どうすれば子どもがひとりで動ける力を育てる時間に変えられるのかです。
ここからは、私が約1年間の付き添い登校で実践した3つの関わり方を紹介します。
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付き添い登校を自立につなげる3つの関わり方
付き添う時間を「できた」を見つける時間にする
まずは、付き添っている時間を「早く帰るための時間」ではなく、子どもの「できた」を見つける時間に変えてみてください。
私は、1日の付き添いの中で「できた」を30個見つけるつもりで娘を観察するようにしました。
どんなに小さなことでも構いません。ほかの子ではなく、昨日までのわが子と比べます。
「昨日より教室に入るまでの時間が短くなったね」
「今日は自分でノートと教科書を出せたね」
「1時間、みんなと一緒に教室で座っていられたね」
付き添っていると、「まだひとりで行けない」という大きな「できない」に目が向きがちです。
だけど、その中にも子ども自身ができていることはたくさんあります。
小さな「できた」を見つけて具体的に言葉にすることで、「ママがいたからできた」だけではなく、「私も自分でできた」というポジティブな記憶を残していきます。
その積み重ねが「自分にもできる」という自信になり、次の一歩につながります。
不安になる場所や仕草を観察して先生と共有する
付き添っているからこそ、子どもがどんな場面で不安を感じ、どんなサポートがあれば動けるのかを見つけることができます。
ひとりで学校へ行けるようになったとき、ママはその場にはいません。
だからこそ、付き添っている間に子どもの不安のサインや必要なサポートを観察し、先生と共有しておきます。
我が家の場合、娘は耳から聞くだけでは見通しを持てず、不安が解消されないことがありました。
そこで先生に、
「口頭だけではなく、紙に書くなど目に見える形で伝えてもらえると安心して動けます」とお願いしました。
また、
「わからないことがあったときに、安心して質問できるお友達が近くにいると落ち着いて過ごせます」ということも共有しました。
その結果、時間割や1日の流れを紙で一緒に確認してもらったり、班行動では話しやすいお友達と一緒にしてもらったりすることができました。
ママがいないときにも子どもが動ける環境をつくっておくことが、自立への準備になります。

「どこまでやってみる?」を2択で本人に決めてもらう
「できた」が増えてきたら、次は子ども自身が「どこまでやってみるか」を決める経験をつくります。
ここで大切なのは、
「明日からここでバイバイしよう」
「もうひとりで行けるよね」
と、ママが一方的に付き添いを減らさないことです。
最初は、
「今日は体育と音楽、どっちに行ってみる?」
「ママは隣で見ている?それとも後ろで見ている?」
など、子どもが選びやすい2択にします。
不安が強いときに「どうする?」と自由に聞かれると、「やらない」を選びやすくなることがあります。
だから「どちらならできそう?」と2択にすることで、自分で決めて一歩動く経験をつくります。
できることが増えてきたら、
「今日は何時間目から参加する?」
「どこまでひとりで行ってみる?」
「ママはどこで見ていればいい?」
と、本人が決める範囲を広げていきます。
大人が決めた距離を少しずつ離すのではなく、子どもの中に育った「できる」を見ながら、本人が「次はここまでやってみる」と決めていく。
その積み重ねが、ひとりで動ける力につながります。
「ママと一緒に」から、ひとりで登校できるようになりました
付き添い登校の捉え方を変えたことで、私自身も「迷惑をかけているのではないか」と周りの目ばかりを気にすることが少なくなりました。
「いつもすみません」
「ご迷惑をおかけしています」
と毎日のように言っていた言葉も、
自然と「ありがとうございます」に変わり、先生とのやり取りもしやすくなっていきました。
娘も「自分でできた」を積み重ねることで、ひとりで学校にいられる時間が少しずつ伸び、やがて1日学校で過ごせるようになりました。
そして、ひとりで登校できるようになりました。
お友達と楽しそうに話しながら帰ってきた娘を見たときは、本当にうれしくて、
「続けてきてよかった」と思うことができました。

付き添い登校は、ただ子どもの隣にい続ける時間ではありません。
付き添っている今だからこそ、小さな「できた」を増やし、「自分にもできる」という自信を育てる時間に変えることができます。
「早く付き添い登校をやめたい」と思ったときこそ、「今日はこの子のどんなできたが増えたかな?」を探してみてください。
その積み重ねが、「ママと一緒ならできる」から「ひとりでもやってみよう」へと子どもを動かしていきます。
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付き添い登校についてよくある質問(Q&A)
A.付き添い登校が迷惑かどうかは、学校や先生、周囲の状況によって異なるため、一概には言えません。
大切なのは、「迷惑だと思われていないか」だけに目を向けるのではなく、今の付き添いが子どもの自立につながっているかを見ることです。
付き添っている間に子どもの「自分でできた」を増やし、必要なサポートを先生と共有することで、付き添いの時間をひとりで動く力を育てる時間に変えていくことができます。
目安にしたいのは、付き添った期間よりも、子どもの中に「自分でできる」がどれくらい育っているかです。「教室に自分で入れた」「ママと離れて過ごせる時間が増えた」など、小さな変化を見ながら付き添い方を変えていきます。大人が付き添いを終わらせることを急ぐのではなく、子どもの「ひとりでもやってみよう」を育てていくことが大切です。
A.付き添い登校をしているからといって、必ずしも母子分離不安とは限りません。
ただ、ママと離れることへの不安が強く、「ママがいないと学校へ行けない」「ママがいればできる」という状態が続いている場合は、母子分離不安が関係していることもあります。
そんなときに大切なのは、無理にママから離すことではありません。不安が強い子の脳で何が起きているのかを知ると、なぜ離れられないのか、どんな関わりが自立につながるのかが見えてきます。
母子分離不安が長引く子の脳の状態と、ひとりで動ける力を育てるママの関わりについては、こちらの動画で詳しくお伝えしています。
<執筆者>
発達科学コミュニケーション アンバサダー
さいとうほのか





