行事前になると癇癪を起こす小学生。理由が分からず怒っていた私
息子は小学校生活をとても楽しみにしていました。ところが入学してしばらくすると、
・帰宅後にイライラする
・些細なことで癇癪を起こす
・朝「学校に行きたくない」と泣く
そんな姿が増えていきました。
「新しい環境で疲れているのかな」最初はそう思って見守っていましたが、次第に朝から学校を拒否するほどになり、私の仕事にも支障が出るようになっていきました。
そんな頃、初めての学習参観のお知らせが届きました。
私は「どんなふうに学校で過ごしているんだろう」と楽しみにしていました。ところが、参観日の3日ほど前から、息子は家で癇癪を起こすようになりました。訳の分からないことで怒ったり、わがままを言ったり。

当時の私は、行事が近づいていることと、息子の癇癪がつながっているとは思っていませんでした。「なんでそんな態度なの!」と怒ることしかできなかったのです。
そして迎えた学習参観でも、息子は緊張から泣いたり、机を蹴ったりしていました。
振り返ってみると、癇癪が増えるのは学習参観の前だけではありませんでした。運動会や発表会など、いつもと違う行事が近づくたびに、息子はイライラしたり、ちょっとしたことで怒ったり、泣いたりすることが増えていました。
「なんで行事が近づくたびに、こんなに癇癪が増えるんだろう?」息子の気持ちが分からない。どう関わればいいのかも分からない。
私は、行事が近づくこと自体がだんだん憂うつになっていきました。
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小学生が行事前に癇癪を起こすのは、不安を言葉にできないことがあるから
小学生が行事前に癇癪を起こすときは、これから起こることへの不安が大きくなっているのに、その気持ちをうまく言葉にできていないことがあります。
息子は、「周りをよく見ている」「空気を敏感に感じ取る」「失敗を強く恐れる」という特徴がありました。
行事が近づくと、「できなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」みんなの前で言えなかったらどうしよう」と、まだ起きていないことまでたくさん考え、不安がどんどん大きくなっていたのです。

そして息子は、その不安をうまく言葉にすることができませんでした。
「発表するのが怖い」「失敗するのが心配」と言えないまま、抱えきれなくなった不安が、イライラして荒れたり、泣くといった行動として現れていたのです。
行事前に起こしていた癇癪は、息子が言葉にできない不安を行動で表したものだったのです。
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癇癪ではなく気持ちを言葉にする2つの関わり
理由が分かってから私は、「荒れないようにさせる」のではなく、息子が不安を整理し、「自分なら大丈夫」と思える安心と自信を増やす関わりに変えていきました。
「できている」を言葉にして自信を増やす
行事前は、「失敗したらどうしよう」「できなかったらどうしよう」と、これから起こることへの不安が大きくなり、できないことに意識が向きやすくなっていました。
そこで私は、これからできるかどうかではなく、今すでにできていることを言葉にして伝えるようにしました。

「着替えたね」「明日の準備できたね」「学校まで来れたね」など、当たり前に見える小さな「できた」を言葉にして伝えるようにしました。
行事の前も、「ちゃんとできる?」とできないことを心配するのではなく、今できていることに目を向けました。できていることを認めてもらうことで、息子自身も「自分にもできていることがある」と感じられるようになります。
その小さな「できた」が自信になり、「次もやってみよう」と一歩踏み出す力につながっていきました。
言葉にできない不安をママが代弁する
もう一つ大切にしたのは、息子が感じていそうな不安を私が言葉にすることでした。当時の息子は、自分が何に不安を感じているのかを言葉にすることが苦手でした。
そこで、
「大人がいっぱい来るとドキドキするよね」
「みんなの前で言えるか心配なんだね」
「いつ自分の番になるか分からないと緊張するよね」
と、不安をなくそうとするのではなく、感じていそうな気持ちを言葉にして渡しました。もちろん、私の言葉が息子の気持ちと違うこともあります。大切にしたのは、「そう感じてもいいんだよ」と伝えることでした。
自分でも分からなかったモヤモヤに「これは不安なんだ」と名前がつくことで、息子は少しずつ自分の気持ちを整理しやすくなりました。そして今では、「体育のテスト、ちょっと緊張するんだよね」と、自分から伝えてくれるようになりました。
行動でしか表せなかった不安を言葉で伝えられるようになったことで、「どうしたらできそうかな?」と一緒に考えられるようになったのです。
「緊張する」と言えるようになり、不安があっても動けるようになった
以前の私は、行事前に荒れる息子を見て、「そのうち慣れる」「もう少し頑張ればできる」「またわがままを言っている」と思っていました。
けれど、実際は違いました。大人を困らせているように見えた行動の奥には、息子自身も言葉にできない大きな不安がありました。
だから私は、不安をなくすことを目指すのではなく、「不安があっても大丈夫」と思える安心と、「自分にもできた」という経験を増やすことを大切にするようになりました。
小1の頃は、行事が近づくと不安を言葉にできず、荒れることでしか表せなかった息子。
2年生になった今では、「ちょっと緊張するんだよね」と、自分の気持ちに気づき、言葉で伝えられるようになりました。私も、荒れる姿を止めようとするのではなく、「この行動の奥には、どんな不安があるんだろう?」と考えるようになりました。

行事前に癇癪を起こす息子を「わがまま」だと思っていた私が、不安のサインに気づけるようになったことで、息子も少しずつ自分の気持ちに気づき、「緊張する」と言葉で伝えられるようになったのです。
不安をなくすことがゴールではありません。
不安があっても自分の気持ちを言葉にして、「どうしたらできそうかな?」と考えながら、自分から一歩を踏み出していく。私は、そんな息子の力をこれからも育てていきたいと思っています。
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小学生が行事前に癇癪を起こすときのよくあるQ&A
A.行事への不安をうまく言葉にできず、イライラや癇癪、泣くといった行動で表していることがあります。
「わがまま」と決めつけず、行動の奥に不安がないか見てみましょう。
A.無理に答えを聞き出さなくても大丈夫です。
「みんなの前だと緊張するかな?」「失敗するのが心配かな?」など、ママが感じていそうな気持ちを言葉にしてあげると、自分の気持ちを整理するきっかけになります。
A.できていることを具体的に伝えたり、「緊張するかな?」「失敗するのが心配かな?」と気持ちを言葉にしたりして、安心と自信を増やしていきます。
不安をなくそうとするのではなく、「どうしたらできそう?」と一緒に考えることで、次の一歩につながりやすくなります。
<執筆者>発達科学コミュニケーションアンバサダー
秋葉えり




