ダンスや球技が苦手なADHDグレーキッズの運動神経アップを目指すお家トレーニング

ADHDグレーキッズは運動が苦手!ということも多いです。体操はできるのにダンスは苦手…など苦手な部分は人それぞれ。だけどそれでできないと思ってしまうのは勿体ない!運動神経アップのためにできるお家トレーニングで、ダンスや球技も上達するかも⁈
 
 

1.側転はできるのにダンスは苦手な我が家の長男のエピソード

 
 
我が家には現在中学2年生の注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの長男がいます。
 
 
息子が幼稚園・小学生だった頃、運動に対する違和感を覚えたエピソードをお話ししますね。
 
 
息子は跳び箱やマット運動は得意で側転なんかはとても鮮やかにできたので、運動はオールマイティにできるのかな?と思っていたのですがそうではありませんでした。
 
 
スポーツの中ではサッカー、バスケットボール、ドッジボールなどの球技に加え、必修科目のダンスも苦手でした。
 
 
ダンスに関しては動きがぎこちなくて、兄弟でテレビの音楽に合わせてオリジナルダンスをしていた時も長男は動きが硬い!
 
 
比較して申し訳ないとは思いましたが、横で踊ってる4歳下の弟の方がなめらかでいい感じだったのでダンスは苦手なんだな…と思いながら見ていました。
 
 
また、息子は幼稚園の頃から”手先が不器用”という運動の苦手さも持ち合わせていてハサミがうまく使えない、鉛筆をにぎるのもぎこちなく字を書くのもしんどそうで、 蝶々結びを教えるのも一苦労…。
 
 
 
 
この時は手先の不器用さが気になりながらも「早生まれだからかな?」と思っていました。
 
 
運動というと大半の方がスポーツのイメージを持つと思いますが、実は運動とは体を動かすこと全般で、手先が器用・不器用というところも運動に関わりがあるのです。
 
 
ADHDグレーと運動の関係を知って息子のぎこちない動きや不器用さの理由がわかって納得したのでした。
 
 

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2.責めたり叱ったりしないで!ADHDグレーゾーンキッズが運動が苦手な理由 

 
 
運動が苦手と言っても原因はお子さんによって様々です。
 
 
発達凸凹キッズは発達性協調運動障害(DCD)という身体を器用に動かせない特性をあわせ持つことがあり、これはADHDとも合併しやすいと言われています。
 
 
つまり努力や根性が足りなくて苦手なわけではなく、苦手な部分の脳の発達が未熟ということです。
 
 
苦手となる運動の種類は大きくわけて3つあります。
 
 

◆粗大運動

姿勢の保持やバランス、歩く、走る、投げる、泳ぐ、ジャンプするなど読んで字のごとく全身を使った大きな動き
 
 

◆微細運動

小さなものをつまむ、字を書く、ボタンをはめる、ハサミを使うなど細かな動き
 
 

◆協調運動

スキップ、ドリブル、縄跳び、ダンス、キャッチボールなど、身体の複数の部位を協調させて行う動き
私たちは普段の生活の中では、手と手、手と目、足と手などの別々の動きを同時に行うことがほとんどのため、日常的に協調運動を行っているといえます。
 
 
 
 
これらの機能は、発達する順番が決まっていて、はじめに粗大運動次に微細運動の順に発達していきます。
 
 
他には、ボディイメージの問題。これは「自分の身体に対する実感」のことです。
 
 
ADHDタイプのお子さんの中には、自分の身体の輪郭、上下、左右、前後などの位置関係をとらえることが難しいケースがあります。
 
 
そうすると、体の動きをコントロールするのが苦手タイミングよくジャンプできない、ボールがうまく投げられない、ダンスで指示された通りに動けないなどの困りごとが起こってきます。
 
 
ボディイメージが未発達だと、運動に限らず、スプーンやお箸が上手に持てなかったり、力加減が分からずぐちゃっと握りつぶしてしまったりします。このように生活に関する様々な動作がうまくできずに自信を失いやすくなります。
 
 
また眼球運動(目の運動)が苦手なお子さんもいます。視力には問題がないのに目で追うことが苦手だとボールをキャッチすることやバドミントンの羽を打ち返したりがうまくできなかったりします。
 
 
このような場合は運動だけでなく、教科書をすらすら読んだり、工作の時に手元をじっと見ることも苦手だったりします。
 
 
ちなみに、あのハリーポッターで有名なダニエル・ラドクリフも靴ひもが結べないと公表しています。
 
 
このことを知ったとき、長男が小さいころはハサミやお箸が苦手だったり、スキップもぎこちなかったことを思い出して、困っているのは息子だけじゃないんだ…とホッとしたのを覚えています。
 
 
このできないことを「なんでできないの?」と責めたり叱ったりしても、お子さん自身も「頑張ってもみんなと同じようにできない!」と困っていることもあるんです!
 
 
また、運動が苦手なことでお友達から「お前がチームにいると負ける」などの心無い言葉に傷ついているかもしれません。それは親としてはなんとかしてあげたいですよね。
 
 
では、どうすればいいのでしょうか。
 
 

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3.ダンスや球技も上達するかも⁈親子で楽しく運動神経アップを目指すお家トレーニング 

 
 
では、運動はちょっと苦手、だけどダンスや球技も上手くなりたい!と感じているお子さんにオススメ!親子で楽しく運動神経アップのためのお家トレーニングを紹介しますね。
 
 
ポイントは苦手なことでも”お母さんと楽しく運動する”ということでだんだんと得意になっていくというところです。
 
 
運動の苦手具合にもよりますが、簡単にできるものをリストアップしてみました。
 
 

◆粗大運動

・電車ごっこ
 
・手を叩きながら歩く練習 
 
・どうぶつ歩き
 
・ツイスターゲーム
 
・風船を使ってバレーボールごっこ
 
・段ボールでトンネルを作って潜り抜ける
 
・布団の上を丸太のようにごろごろ転がる
 
・バランスボールやトランポリン
 
 

◆微細運動

・テニスボールを両手に持ちながら、もう少し大きめのボールを挟み込むように持ち上げる
 
・ラケット(なければ、おたまでもOK)の上にボールを置いて運ぶ
 
・フェイスタオルで綱引き
(これは「パワーグリップ」といって、手の発達の基本はここから!といわれるくらい重要です。ジャンケンのグーをイメージして手をグーにした時、親指が他の4本の指の下にくるようにしっかり握る動作です。鉄棒やジャングルジム、アスレチックの時に威力を発揮します。)
 
・お気に入りのおもちゃやお菓子をジッパー袋に入れ、子どもに開け閉めをお願いする
 
・果物や野菜のへた取りや、すじ取り
 
・小さい洗濯ピンチを購入し、家族の靴下やハンカチを一緒に干す
 
・ カードゲームの時に、カードを混ぜたりまとめてもらう
 
・チラシをできるだけ小さく破り、紙吹雪を作って扇風機で飛ばす
 
 
いかがでしたか?我が家で実践したことのほんの一例をご紹介しました。ご存じのものもあったかと思います。
 
 
 
 
しかし、ここで大切なのは遊びの中でお子さんが無理なく楽しんでやることです。もともと運動に苦手意識があるので、ちょっと頑張ればできそうで、楽しいものでないと続きません。
 
 
そして誰よりもお母さんが楽しむこと!!お母さんが遊びを楽しんでいる姿を見ることで、お子さんにとって運動はとても楽しい記憶になります。そうすれば身体を動かして遊ぶことは楽しいこととして記憶に残ります。
 
 
もっと遊びたい!やってみたい!という意欲は繰り返し取り組むことにもつながるので、苦手意識も和らいでくるはずです!
 
 
リストアップした運動の中には、目と身体を連動させる動きもたくさん含まれているので、球技やダンスに必要な協調運動がアップすることも期待できます。
 
 
ぜひお子さんと楽しんでやってみてくださいね!
 
 
 
 

お子さんの近くにいるママが二次障害を理解すれば悪化を防げる

 
 
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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