お子さんを叱るとき、つい「弱虫ね!!」など余計なひとことを言っていませんか?これ、絶対にNGです。どうしてかって?発達障害・ADHDタイプに限らず、子どもはお母さんの言葉通りに育つからです。我が家は前向きな声かけで作文が得意になりましたよ!
1.お子さんの目の前でネガティブな言葉を使っていませんか?今すぐにやめて下さい!!
こんにちは。先日ファミレスにでかけたときのことです。
小学校1年生くらいのお子さんを連れた3人のお母さんたちがおしゃべりに花を咲かせていました。
そのうちに、
「聞いてよ!!うちの子ドジだから、すぐ忘れ物してくるんだよね」
「うちもだよ!!連絡帳に忘れ物が多いですって書かれた」
という会話が聞こえてきたのです。
小学校低学年はまだまだ幼さが残る年代です。「もう小学生なんだから」とお母さん達が愚痴を言いたくなるのもわかります。
でも、待ってください!!
その会話、お子さんはしっかり聞いています。耳がダンボになってますよ~!
私は大阪人ですから、自分や家族はネタにしてナンボ的な世界で生きています。なので、おもしろおかしく失敗談を話してしまったり、つい謙遜で、子どものことを悪く言っちゃったりしてしまうんです
でも、これ絶対にNGなんですよね。
それはなぜかって?「子どもはお母さんの言葉どおりに育つ」からなんです。
2.「子どもはお母さんの言葉どおりに育つ」って本当なの?
みなさんは“メタ認知”という言葉をご存知ですか?
簡単にいうと、自分の短所や長所など、「自分自身について知っている知識」のことです。
大人だったら「自分は忘れ物が多いから、会社から帰るときはデスクをもう1回点検しよう」となります。
この力は小学校3年生頃から発達してくると言われています。
では、それ以前の子ども達は、何を手掛かりに自分自身について理解しているのでしょうか?
そう、他でもないお母さんの言葉からです。
●「なんでそんなに悪い子なの?」
●「うちの子バカだからさ〜」
●「弱虫ね!!ほんと根性ないんだから!!」
なんて聞いてしまったときには、「自分って悪い子なんだ、バカなんだ」とインプットされてしまうんです。
これって、怖くないですか?
忘れものをなくして欲しくて、戒めに言っていたことが逆効果になっていたり、軽い気持ちでママ友に謙遜として言った言葉がそんなに影響力があるなんて…。
親として、自分の言葉の影響力について考えさせられたできごとでした。
3.私も昔、そうでした。息子を叱りつけて自信を奪っていたお母さんのひとりです。
私の息子は小学校4年生。注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。
数年前、学校生活がうまくいかなかった頃、息子にはいろんな課題がありました。
●怒りのコントロールができない
●嫌なことは取り組まない
●授業中に座っていられない
そんなわけで、学校では「問題児」というレッテルが貼られていました。
先生が息子を注意すると、クラスメイトも「またあいつか」と先生に便乗して、一緒にヤイヤイ言うような、非常に良くない状態です。
そして、自宅では私からその日1日を振り返ってのお説教。
私は、息子のためを思って叱っていましたが、これって全部「あなたは問題児」というレッテル貼りだったんです。
叱れば叱るほど息子はだんだんイライラするようになり、ますます怒りっぽくなりました。そしてだんだんと宿題もしなくなり、学校ではやりたくないことは拒否するようになったのです。
4.発達障害・ADHDタイプの「作文苦手男子」が大変身!!お母さんの言葉は効果絶大なんです。
そんなとき転機になったのは、発達科学コミュニケーションでした。
できていることを認めて肯定していくうちに、彼本来のやさしさが戻ってきたのです。
そして、ある日出された宿題でのできごとです。
息子は作文が大嫌い。
字を書くのも読むのも苦手、漢字も苦手、書きたいことはあるのにまとめることができないという3重苦なのです。
以前の私なら「ちゃんと書きなさい!!」と叱っていたと思います。
まずは、ハードルを下げ、私と一緒に書くところから始めました。
さらに、息子が学校で書いてきた文章を読む機会があったときに、
「これ、〇〇が書いたの? めっちゃ上手やん!!」
「すごくうまい文章に、でき上がったねー」
と伝えるようにしました。
そんな取り組みを地道に続けた結果、担任の先生から、
「おうちでされてくる宿題のクオリティがとても高いです」
「 特に、作文はどうやって書かせていますか?他の生徒の参考にしたいです」
と褒められたのです。
そのときの作文は、私が息子と一緒に取り組みました。でも私が文章を考えたわけでも、息子が嫌々取り組んだわけでもありませんでした。
あんなに苦手だった作文が、ちょっと得意になってきているのかも!?と私が喜んでいると、
「息子さんは、“お母さんが〇〇は作文が得意って言ってくれてる”と嬉しそうに話してくれました」
「それがとても自信になっているようです」
と先生が話してくださったのです。
そして先生はクラスメイトの前で、
●何事も一生懸命に取り組むところがかっこいい
●生き物を大切にする優しい性格
●作文がうまい
と息子に対するポジティブなメッセージを伝えてくれるようになりました。
おかげさまで、息子は学校でも自信を取り戻し、前向きな気持ちが湧いてくるようになったのです。
いかがでしたか?
レッテルを貼られてしまうのは本人に原因があることは少なからずあります。息子の場合も否定はできません。
家の外に一歩でれば、理解してくれる人ばかりではありません。
なので、せめておうちでは「あなたは素晴らしい子ね」と魔法の言葉をかけてあげてほしいと思います。
「こんな子になってほしい」
「うちの子は本当にそうなる」
という希望と信頼の思いを言葉にのせてお子さんに届けてあげてください。
どんな療育よりも、どんな学習教材よりも、お母さんの言葉は効果絶大なのですから。
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)