発達障害・グレーゾーンの子どもの親御さんとの関わりに悩んでいませんか?生徒の問題行動を伝えても、親の反応は今一つ。逆に攻撃的な態度をとられたりしていませんか?親の心の扉を開いて良い関係性を築く方法を、親の立場からお伝えします。
1.授業中に鉛筆を噛んでいる!その事実を知った時の親の気持ち
こんにちは!
突然ですが、読者さまの中に、発達障害・グレーゾーンの子どもの親御さんとの関係に悩んでいらっしゃる学校の先生はおられませんか?
生徒の問題行動を伝えたい。
でも伝えたところで、親の反応が今一つだったり、逆に攻撃的な態度をとられたりしていませんか?
今日はそんな悩める先生に向けて、発達障害・グレーゾーンの子どもを持つ親と良い関係性を築くために大切なことをお伝えしたいと思います。
夏休み前には個人面談があった学校も多かったと思います。
我が家の長男は注意欠陥多動性障害(ADHD)のグレーゾーンです。
面談では夏休みの宿題の取り組み方を相談したり、学校生活の様子を伺ったりしました。
その時に、先生から長男が授業中に鉛筆を噛んでいるという話を伺いました。これは発達障害・グレーゾーンの子どもにはよくある状況です。
なぜ鉛筆を噛んでしまうかというと、それはズバリ授業に集中するためです。
でもこれは無意識のうちにやっているので、注意したり叱られたりして治るものではありません。
お子さんによっては、それが爪かみだったり、びんぼうゆすりだったりします。
でもそれらの行動は、クラスメイトからすると、「気持ち悪い」「汚い」「うるさい」と思われてしまいがちです。
私は発達の凸凹に関する知識がありますから、どうしてそのような行動をとるのか理解できます。
でもその反面「4年生にもなって鉛筆を噛むなんてみっともない」「しつけがなってない親だと思われるんだろうな」など色々な感情が浮かんできます。
私の表情が曇ったのを先生は見逃しませんでした。
すかさず 「お母さん、確かに鉛筆は噛んでいますけど、いつもそうじゃないんです。授業態度はまじめですし、意欲的です。とても頑張っていますよ」とほめてくださいました。
長男の良いところも教えてくださって、私の気持ちも軽くなりました。
2.先生からネガティブなお話を聞いたあとの親の行動とは
学校の先生の言葉やお話しに、親は一喜一憂します。
褒められれば舞い上がり、お叱りをうければショックと不安で胸がいっぱいになります。
私たち親は、学校に行ってわが子を見守ることはできません。
先生から何も言われなければ「学校でうまくやっているのだ」と思っているので、先生からネガティブなお話しをされると混乱したり、困惑したりします。
お母さんがそんな状態になってしまった後、お子さんに良いコミュニケーションが取れるはずはありません。
多くの親は子どもをきつく叱ります。我が子のためになんとかしてその行動を直したいと思うからです。
数年前の我が家もそうでした。
「また忘れ物してきたの?」「どうしてお友達と仲良くできないの!」とできないことばかりを指摘していました。
でもきつく叱ったところで状況は良くなることはなく、むしろ悪化しました。
なぜなら叱るという親の行動は、不安を子どもにぶつけていることが圧倒的に多いからです。
学校でも家庭でもできないことを指摘され続けた子どもはどうなると思いますか?
どんどん自信を失っていき、不登校や思春期の二次障害の発症など負のループに陥ってしまうのです。
3.発達障害・グレーゾーンの子どもを持つ親と信頼関係を築くたったひとつの方法
そんな私たち親から、学校の先生にたったひとつだけお願いしたいことがあります。
それは子どもの気になるところを伝えたいときは、学校で頑張っている様子も一緒に伝えてあげて欲しいということです。
ほんのささいなことでかまいません。
「〇〇くん、今日も元気に登校してくれましたね」「最近、〇〇の係を頑張っています」など、子どものできている行動をぜひ伝えて下さい。
こんな当たり前のこと、と思われるかもしれません。
しかしこの当たり前のことが、私たち親も前向きな気持ちになれるのです。
この後にネガティブなことを言われたとしても、先生に対して心の扉を開きやすい状況になります。
24時間365日、発達凸凹の子どもに寄り添い、その特性や対応方法を知っているのは他でもない親です。
子どもに対する愛情と子育ての経験は、まさに「専門家」だと思いませんか?
先生と親がタッグを組み、専門性を活かしながら戦略を練られたら、もう最強です。
お互いに子どもの明るい未来について語り合うことができる…!
そんな信頼関係作りのスタートに、この記事がお役にたったら嬉しく思います。
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)