ADHDの子どもが小学校で問題を起こして困っているママはいませんか。子どもが問題児のレッテルを貼られると、子どももママも自信を失くし二次障害を引き起こす可能性があります。学校トラブルから解放されて子どもとママの心を救う方法をお伝えします。
1.また小学校から電話が…ADHDの子どもが問題行動を繰り返す原因
注意欠陥多動性障害(ADHD)の子どもを育てていると、子どもが小学校で繰り返し問題を起こして困ることはありませんか?
子どもが頻繁に問題を起こすようになって、先生から報告の電話がかかってきたり小学校に呼び出されたりして、「なんでこんなに問題ばかり起こすの!?」と子どもを叱りつけてしまうこともあると思います。
問題行動を繰り返してしまう原因は、脳のはたらきが起こすADHDの特徴で感情や行動をコントロールできていないことが大きく関係しています。

ADHDの大きな特徴は不注意・多動性・衝動性の3つです。
例えば小学校での困りごとに当てはめると、
・不注意
すぐに気が散って先生の話を聞いていない、忘れ物や失くし物をよくする
・多動性
席でじっと座ることができない、常に何かを触ったり手遊びしたりする
・衝動性
すぐにキレてしまう、静かにしないといけない時におしゃべりする
などの行動があります。
これらの3つの特徴は、脳の前頭葉の「注意機能」や「実行機能」のはたらきが弱いことが原因で引き起こされていると考えられています。
注意機能は、あるものに注意を向けてその状態を維持したり、場面に合わせて注意を切り替えたり不必要な音や視界を切り離したりする機能です。
実行機能は、目標(忘れ物をしない、静かにするなど)に向かって行動するために、行動や感情をコントロールする機能です。
この2つの機能があるので、先生の話を聞かないといけない場面では話に集中したり、動きたい気持ちを抑えて席でじっと座ったり、嫌な事があってもすぐにキレずに感情のコントロールをして怒りを抑えたりすることができます。
ADHDの子どもは前頭葉の発達がゆっくりな傾向があり、注意機能や実行機能のはたらきが弱く、子ども本人の力では感情や行動を制御できずに問題行動を引き起こしてしまっている場合もあるんです。
また、3つの特徴のうち多動性と衝動性が引き起こす困りごとは、目立ったり、相手に危害が加わったりすることがあるので、他の人に迷惑をかける場合が多いです。
そのため多動性と衝動性が強いタイプの子どもは特に、小学校の集団生活を送る中でトラブルにつながりやすく、先生から問題児扱いされてしまう可能性が高まります。
2.もう学校に来ないでください!問題児扱いされた息子と私の苦悩
私の息子はADHDの多動性と衝動性が強く出るタイプです。
息子は小学校2年生の時に転校して環境が変わったことがきっかけで、お友達とのトラブルや先生への反抗的な態度などの問題を頻繁に起こすようになりました。
注意しても問題行動をやめないので、毎晩先生から報告の電話がかかってくるようになりました。
小学校から電話がかかってくるたびに、「なんでそんなことするの?」「どうしてうちの子は普通のことが普通にできないの?」というネガティブな気持ちが私の中に溢れてきました。
心はかき乱されて、「息子が人に迷惑をかけないようにしなきゃ!」という思いから、厳しく注意するようになっていきました。
ところが、小学校でも家でもずっと注意され続けても息子の問題行動はなくなるどころかどんどん酷くなっていき、頻繁に感情を爆発させて癇癪を起こすようになりました。
ついには「もう学校に来ないでください!」と先生から言われてしまうくらいの超問題児となってしまったのです。
実は脳には怒りの感情が癖になるという特徴があり、感情コントロールが苦手なADHDタイプは特に怒り癖が悪化しやすい傾向があります。
この頃の息子は親からも先生からも絶えず注意されていたことで、すぐに怒る癖がついてしまい、どんどん問題行動が加速するという負のループに陥っていました。
注意され続けることで自信を失くしていった息子は、ものの捉え方がネガティブになり、集団生活で生きづらさを感じる二次障害を起こしてしまっていました。

私自身も子育てに自信を失くして、小学校からの電話が終わると寝室で泣く日々が続き、大好きな息子のことを可愛いと思えないほど気持ちが落ち込んでいました。
発達科学コミュニケーションと出会ってからの息子は自信を取り戻して問題行動を起こさなくなりましたが、あのときに対応を変えていなければ、今どうなっていたかわかりません。
ADHDグレーゾーンの子はネガティブな記憶が残りやすいので、息子のように小学校で先生から注意を受けるというネガティブな経験が長く続いてしまうと、考え方やものの捉え方など心や脳の発達に大きく影響してしまう可能性が高くなっていきます。
また、ママ自身も先生から子どもが注意されることで子育てに自信をなくしていき、問題行動が解決しない焦りや子どもの将来に対する不安などを抱えて苦しみ続けることになってしまいます…。
二次障害が起こって問題が長引いてしまわないようにするためにも、1日でも早く子どもが親や先生に注意される状況から解放してあげたいですよね!
そのためにできる方法があります!
3.小学校での生活をスムーズにしよう!子どもとママの心を救う方法
子どもが小学校で問題児を卒業して子どももママも自信を取り戻すためには、子どもが注意されるという失敗経験を減らし、学校生活をスムーズに送れるようにママが先生と連携をとることが大切です。
家でママが気を付けたとしても、小学校で注意される状況が続けば子どもの問題行動を解決するのに時間がかかってしまいます。
子どもが注意されて傷つく時間が長ければ長いほど二次障害を引き起こすリスクが高くなってしまうので、子どもがスムーズに学校生活を送れることが重要になってきます。
そのためにママがやるべきことは、「子どもがADHDの特性によって起こしている行動」と「問題行動にならないようにするための具体的な方法」をセットにして先生に伝えることです。
先生は教育のプロなのでADHDそのものについての知識はあると思いますが、ADHDグレーゾーンの子どもに対しての正しい対応は知らない方が多く、子ども自身の力で止められないこともあることや注意することで状況が悪化してしまうことを知らない方が多いのが現状です。
しかし、子どもに悪影響だからと「注意しないでください」と一方的にお願いするだけでは、先生も具体的にどうすればいいかわからないので、子どもがスムーズに学校生活を送れる環境を整えることはできません。
だからこそ、ADHDの特性で起こる行動と問題行動を予防する具体的な方法のセットを先生に伝えることがポイントなのです!
例えば、
「うちの子はじっとしていることが苦手で、そのことを注意してしまうと逆に癇癪を起こしてしまって対応に時間がかかってしまいます。」(ADHDの特性で起こっている行動)
「できていることを褒めてもらえると集中力が長続きするので、家で宿題をするときは10分に1回くらいのペースで『ちゃんと座れているね』『静かにできているね』のように声掛けをすると最後まで宿題を座ったままやり切ることができています。」(具体的な方法)
といった感じです。
伝える方法は、直接先生に口頭で伝えてもいいですし、連絡帳や手紙に書いて文章で伝える方法も有効です。

先生にADHDの特性を理解してもらうことができれば必要以上に注意されることがなくなりますし、具体的な方法を伝えればその方法を取り入れてもらったり、学校で取り入れられる別の方法を相談することもできるようになります。
スムーズな学校生活をママが先生と連携してサポートすることで、学校での失敗経験を減らしていき、子どももママも自信を取り戻していきましょう!
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執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
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