ADHDタイプの息子は、学校で問題行動が続き不登校になりました。しかし、その問題に見える行動の背景には子どもからのSOSが隠れていたのです。息子が自信を取り戻した2つのステップをお伝えします。
1.学校で問題行動が続き不登校になった息子
注意欠如・多動症(ADHD)の子どもが、学校で何度も注意を受けたり、教室を飛び出したなどの問題行動を聞くと、
「どうしてうちの子だけ…」
「どうしたら落ち着いて学校生活を送れるのだろう」
と苦しくなることがあると思います。
私も学校で問題行動が続く息子を前に、同じ悩みを抱えていました。
息子は小学校入学後、小さなつまずきはあったものの小学2年生までは担任の先生にも恵まれ、大きなトラブルなく過ごしていました。
ところが、小学校3年生の夏休み明けから状況が一変。
2学期になって授業のスピードが上がり、息子は次第に勉強についていけなくなりました。
さらに運動会の練習も始まり、みんなのように振り付けを覚えられないことで、友達や先生から注意や指摘を受ける場面も増えていきました。
そんな風に学校で精一杯頑張って疲れて帰宅した息子に、私は「早く宿題を終わらせなさい」と声をかけ続けていました。
それが息子を支える関わり方だと思っていたからです。

今振り返ると、学校でも家でも「できていないこと」に目を向けられ、注意や指摘、指示ばかりの毎日になっていました。
息子は次第に荒れ始め、「学校なんて潰れろ!」「自分の居場所なんてない!」と暴言を吐いたり、物を投げたりするようになりました。
学校から飛び出してしまうこともあり、ついには登校できなくなってしまったのです。
当時の私は、「なぜこんなに癇癪を起こすのだろう?」「どうして言うことを聞いてくれないのだろう?」と悩み続けていました。
2.問題行動の裏に隠れている見逃しがちな子どものSOS
当時の私は、息子の問題行動をどうにか止めたいと思っていました。
暴言を吐くのも、物を投げるのも、学校から飛び出してしまうのも、
「止めようと思えば、息子が頑張れば止められるはず」
「もっと頑張れば本当はできるのに、やらずに逃げているだけなのでは?」
と思っていたからです。
だからこそ、注意したり励ましたり、言い聞かせたりしていましたが、どれだけ私が頑張っても状況は良くなりませんでした。
それどころか、問題行動はますます増えていったのです。
転機になったのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)を学び始めたことでした。
発コミュを学んだことで、私は息子の問題行動の見方が大きく変わりました。

それまでの私は、問題行動を止めることばかり考えていましたが、問題行動だけを見ていても、本当の原因は見えてこないことに気づいたのです。
本当の原因は、息子の性格やわがままではなく、行動の裏側にある気持ちや特性、そして息子に合わない環境や関わり方だったのかもしれません。
だからこそ、息子が起こしていた問題行動は、私たち親や先生を困らせるためのものではなく、「もう限界だよ」というSOSだったのかもしれないという視点を持ちました。
私はここで初めて、「変えるべきなのは息子ではなく、私の見方や関わり方かもしれない」と思えるようになったのです。
3.ADHDタイプの子の問題行動が落ち着く!2つのステップ
では、どうやって息子の問題行動が落ち着いていったのでしょうか?
私がしたことは、特別なことではありません。息子を変えようとするのではなく、まず私自身の見方や関わり方を変えていきました。
私が実際にやって息子の行動が落ち着いた2つのステップについてお伝えします。
①「こうあるべき」という子育てを手放した
まず、自分の子育ての常識や他人からのアドバイス、根性論はいっさい手放して私の中にあった「〜すべき」を手放しました。
・宿題は必ずやるべき
・みんなと同じようにできるべき
・言われたことはきちんと守るべき
私は無意識のうちに、こうした価値観を息子に当てはめていました。
もちろん、息子のことを思っての関わりですが、その基準で息子を見れば見るほど、お互いに苦しくなっていたのです。
「できていないこと」ばかりを見るのをやめ、今できていることや頑張っていることに目を向けて声をかけるようにしました。
すると、それまで険しかった息子の表情が少しずつ柔らかくなり、親子の衝突は減っていきました。

②ADHDタイプに合った関わり方を学ぶ
次に私が行ったのは、ADHDタイプの子どもの脳の特性を学ぶことでした。
発コミュを通して、子どもの脳を育てる関わり方を学び、少しずつ実践していきました。
それまでの私は、できていないことを正そうとする関わりが中心でしたが、ADHDタイプの子どもに必要だったのは叱責ではなく認められる経験や安心できる関わりだったのです。
そこで私は、一度にたくさんのことを求めるのではなく、息子が安心して取り組めるよう一つずつ伝え、できたことをその場で認める意識をするようになりました。
息子が安心して行動できるような声かけを続けるうちに、少しずつ親子のやり取りにも変化が生まれていったのです。
振り返ると、私が変えたのは息子ではなく、私自身の意識と関わり方でした。
息子を理解し、特性に合った関わりを積み重ねたことが、問題行動が落ち着く大きなきっかけになったのです。
4.見方を変えた先にあった息子の大きな変化
私が見方や関わり方を変えていく中で、息子にも少しずつ変化が現れ始めました。
以前の息子は、「学校なんて潰れろ!」「自分の居場所なんてない!」と言うほど追い詰められていました。
しかし、息子に合った関わりを続けていくうちに、少しずつ笑顔が増えていったのです。
そして不登校だった息子は、再び学校へ通えるようになりました。
現在は地域の中学校に通い、自分なりのペースで学校生活を送っています。

困りごとすべてがなくなったわけではありませんが、何より大きな変化は、息子が「自分にもできることがある」と思えるようになったことです。
自信を取り戻したことで、自分から挑戦しようとする姿も増えていきました。
息子の姿を見て、私は「子どもは変えられない」のではなく、「親の見方や関わり方が変わることで、子どもは本来の力を発揮できるのだ」と実感しました。
もし今、お子さんの問題行動に悩んでいるなら、その行動だけを変えようとしなくても大丈夫です。
子どもの見方が変わると、親の関わり方が変わり、親子の未来も少しずつ変わり始めます。
執筆者:山本みつき
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
問題行動の背景には、親がまだ気づいていない子どもからのメッセージが隠れていることがあります。その気づきを毎日の関わりに生かすヒントを、電子書籍でご紹介しています。




