ADHDの子が相手の気持ちがわからないように見えたり、勘違いが多かったりするのは、独特な捉え方があるからかも。「自分と相手は同じように感じている」と考えていた息子の姿から、友達とのすれ違いが起きる理由とお家でできる伝え方を紹介します。
1.本当は優しいのに…相手の気持ちがわからないように見えるADHDの息子
人が好き、友達が好きな注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンの息子が相手の気持ちがわからないように見えたり、勘違いされて周りから浮きやすいことが気になっていた私。
そんな私が、息子を観察することで見つけた独特な捉え方と、そのズレを本人に伝える方法を紹介します。
ADHDグレーゾーン子育てをしていて、なんでこういうことが起こるんだろう?と不思議に思う場面があるお母さん。
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人が好きな息子は、誰かと一緒ならやる気が出たり、ひとりでは面倒くさがっていたことも行動に移せたりします。
また、人に対して優しい気持ちもある子です。
「誰かのため」なら、サッと代わりにやってくれることが多いです。
「誰かのため」なら、サッと代わりにやってくれることが多いです。
ですが、そんな息子を見ていて、「なんか残念なんだよな…」と思うことがよくありました。

優しさを発揮するところが少しズレている。
言わなくてもいい余計な一言を言ってしまう。
言わなくてもいい余計な一言を言ってしまう。
例えば、突然「早くどけよ」と言う。
言われた方は、「えっ」となるこの場面、実は本人は荷物を代わりに運んであげようと思って「ちょっとどいて」と言っただけのつもりだった。
言われた方は、「えっ」となるこの場面、実は本人は荷物を代わりに運んであげようと思って「ちょっとどいて」と言っただけのつもりだった。
こんな風に、伝えたいことと本人が思っていることが微妙に違うニュアンスで相手に伝わってしまうことがよくありました。
ほかにも、
「それをされたら相手は嫌じゃない?」
と聞いたとき
「俺は嫌じゃないよ」
という返事だったこともあります。
「それをされたら相手は嫌じゃない?」
と聞いたとき
「俺は嫌じゃないよ」
という返事だったこともあります。
そうじゃなくて、相手がどう思うかを聞いているんだけどな……。と思いましたが、これには自分が嫌でないことは相手も嫌ではないはず、という思考があったんです。
「相手の気持ちがわからない」のではなく、相手もこう思っているはず、というズレがありました。
人が好きで、優しいところもたくさんあるのに、人との関わりの中でうまくつながらない。そのせいでうまく付き合えなかったり、勘違いされてしまうことがある…。
それが私には、もどかしく感じられていました。
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2.友達とのトラブル後の言葉で気づいた息子に見えていた世界
息子を観察していて「捉え方」が、やっぱり人とちょっと違うなと確信した出来事があります。
息子が、何気なく持ったハサミで事件が起こったときのことです。
息子はハサミを人に向けたつもりはなかったのですが、お友達は「ハサミを自分に向けられた」と感じ、そこから口論が勃発!
お相手のお友達が息子のお腹をパンチしてしまったそうです。

その話を聞いた私が「お腹大丈夫?」と心配すると、息子は「大丈夫!正義は痛いよ。」と返して来ました。
意味がわからず詳しく聞いてみると、息子の中ではこういうことでした。
ーもし、自分だけが悪いことをしていて、それを止めるために殴られたのなら、それは「正義のパンチ」だから痛かったと思う。
だけど今回は、お互いに悪いところがあったから、正義のパンチじゃないから痛くない。ー
この説明を聞いたとき、息子はたまにこちらが驚くようなものの捉え方をしたり、達観したような考え方をすることを思い出しました。
これは息子が持っているADHDのポテンシャルのひとつ。
息子の自慢すべき武器だと思っていますが、こういう少し独特な考え方は、友達との付き合いの中でズレを生んでしまう原因の1つになっていました。
例えば息子は、ケンカをしてもお互いに謝ったらその出来事はもう「終わったこと」になって、次の日には何事もなかったように話しかけるのです。
「謝って、反省したのだからもう終わり。先に進めばいい。」というめちゃくちゃポジティブな発想&素晴らしい切り替え力なのですが、相手のお子さんは、次の日だとまだ嫌だった気持ちが残っていて話したくない…なんてこともあるかもしれませんよね。
そうすると、相手の気持ちが自分と同じとは限らない、ということがわかっていなかった息子は、「謝ったのに、なんで話さないの?」と怒ってしまっていました。
その姿を見ていて、息子には息子なりの「見えている世界」があって、その世界の中ではちゃんと筋が通っているのだけど、それが周りとは違ったり、相手とはズレてしまったり、伝わらなかったりしているのだと気付きました。
3.ADHDの子に勘違いが多いのは「見え方の違い」
人とのコミュニケーションには、大きく分けると2つのやり取りがあります。
ひとつは、相手の表情や言葉から「どう思っているのかな?」と受け取ること。
もうひとつは、自分が思っていることを、相手に伝わるように言葉にすること。
もうひとつは、自分が思っていることを、相手に伝わるように言葉にすること。
ADHDタイプの子どもは、この「受け取る」と「伝える」の両方でズレが起きることがあります。
2024年に研究をまとめた分析では、ADHDの子どもや青年は、相手の考えや意図を想像したり、表情から感情を読み取ったりする力に、いわゆる定型発達の子どもとの差が見られたと報告されています。
つまり、相手の言葉や表情から、『相手がどう思っているのか』をうまく受け取れないことがあるということです。

さらに、「伝える」側になったときもズレが起きることがあります。
ADHDタイプの人は「語用論」と呼ばれる言葉の力に難しさが見られるそうです。
「語用論」とは、簡単に言えば相手やその場に合わせて、伝わるように言葉を使う力のこと。
自分では相手に優しくしたつもりでも、口から出ている言葉が強かったり、説明が足りなくて違う捉え方をされたりと、「伝える」ときのズレにつながっていました。
つまり、ADHDタイプの子どもに勘違いが多かったり、周りから勘違いされやすかったりするときには、
相手から受け取るところでズレているのか?
自分から伝えるところでズレているのか?
と2つのパターンで見てみることができます。
相手から受け取るところでズレているのか?
自分から伝えるところでズレているのか?
と2つのパターンで見てみることができます。
「相手の気持ちがわからない子」と決めつけるのではなく、どこでズレているのかがわかると、その子に必要な関わり方も見つけやすくなります。
4.相手の気持ちがわからないADHDタイプの子への話しかけ方
息子の捉え方がわかってから、私が意識するようになったのは、「共感してから、違いを教える」ことです。
以前の私は、
「そんなこと言ったら嫌じゃない?」
「相手の気持ちを考えてみて」
と、一般的に正しいであろうことを教えようとしていました。
「そんなこと言ったら嫌じゃない?」
「相手の気持ちを考えてみて」
と、一般的に正しいであろうことを教えようとしていました。
ですが、息子は本当に「俺は嫌じゃない」と思っているのです。そもそもの捉え方が違うので話が噛み合いません。
そこでまず、
「キミはそう思うんだね」
と、息子の感じ方を受け止めることにしました。
「キミはそう思うんだね」
と、息子の感じ方を受け止めることにしました。
そのうえで、
「こう思う人もいるよ」
と、自分とは違う見方があることを伝えました。
「こう思う人もいるよ」
と、自分とは違う見方があることを伝えました。
また、自分のこととして考えると「俺はそう思わない」で終わってしまうときには、身近な人に置き換えてみることもありました。
たとえば、
「母ちゃんが同じ場面で、こんなことを言われていたらどう思う?」
と聞きます。
「母ちゃんが同じ場面で、こんなことを言われていたらどう思う?」
と聞きます。
すると、
「母ちゃんにそれは言ったらダメでしょ」
「母ちゃんは嫌だと思う」
と答えられることがあります。
「母ちゃんにそれは言ったらダメでしょ」
「母ちゃんは嫌だと思う」
と答えられることがあります。
自分の感覚から離れると、相手の立場で考えられることがあったのです。
そこで、
「そうだよね。そういうふうに感じる人もいるよね。」
と伝えていきました。
「そうだよね。そういうふうに感じる人もいるよね。」
と伝えていきました。
この対応を続けて息子のこの傾向が完全になくなったわけではありませんが、今は、
「キミはそうだけどね。」
と一言伝えるだけで、
「あっちは違うってことね!」
と受け取れることが増えました。
「キミはそうだけどね。」
と一言伝えるだけで、
「あっちは違うってことね!」
と受け取れることが増えました。

ADHDグレーゾーンの子どもが相手の気持ちがわからないように見えるとき、「人の気持ちを考えて」と教える前に、まずは「この子はこんな風に感じるんだ」と受け止めてみてください。
そして「この子には、どう見えているんだろう?」ということも想像してみてほしいです。
なぜズレが起きるのか理由がわかると、叱るか、諭すかだけではない、その子に合った関わり方が見えてきます。
息子のような独特な捉え方は、人とのズレにつながることがある一方で、『そんなふうに考えるんだ!』と面白さや強みに感じることもあります。
だから、その子らしい見方そのものを直したいわけではありません。
家庭での毎日のコミュニケーションの中で、その子らしさは伸ばす。人との間でズレが起きて困るところはフォローする。
今回で言えば、自分とは違う感じ方をする人がいることを少しずつ知っていく。
その積み重ねが、友達との勘違い、すれ違いを減らしていく力につながっていくと感じています。
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執筆者:しまざきあいか
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