発達障害グレーゾーンの子どもたちが学校で友達トラブルを起こしたとき、小さなトラブルだから様子を見よう…なんて思っていませんか?それって実は危険です!お母さんができるトラブル解消に役立つ対応をお伝えします。
1.私と発達障害グレーゾーンの息子が、転校後に地獄をみた話
新学期が始まってから、発達障害グレーゾーンの子どもたちの様子はどうでしょうか?
「うちの子、個性的でちょっと心配…。だけど、学校生活をうまくいくようにしてあげたい!」そう思うお母さんに、ぜひ知っておいてほしいことがあります。
それは、たとえ小さなトラブルでも「大したことないから様子を見よう…」なんて思っていると、後で大変なことになる場合があるということ!
うちの長男は、転校後に大荒れになり大変でした。
その経験から、発達障害の特性がある子が学校でうまくやっていくためには、お母さんがお子さんについて事前に先生にお伝えすることが大切だと学びました。
長男はもともと注意欠陥・多動性障害(ADHD)っぽいところがあったものの、幼稚園のころは周りの環境にも恵まれていて、個性を受け入れてもらいながら楽しく過ごしていました。
ところが、小学校2年生のとき転校したのをきっかけに、周りの先生やお友達から少し攻撃的な対応をされてしまいました。
そのことから、息子は人が変わったかのように家でどんどん荒れていき、学校でもトラブルを起こしてくる毎日。
学校からも電話がかかってきて、息子さんがこうしました、ああしました、と辛い話を毎日のように聞きました。
だから私は「二度と学校で同じことをしないように!」と思い、きつく叱る日々…。でも息子の行動は治まらず、むしろ悪化していく一方でした。
宿題や嫌いな授業など、嫌なことには一切取り組まなくなり、最後には授業にも参加できなくなって、精神科の受診を勧められました。
結局、発達障害の診断は下りず、ADHDのグレーゾーンだろうというところに落ち着きました。ですが検査が終わっただけで、日々の息子の行動は変わることはありませんでした。
2.私たちのようにはならないで!息子が荒れた二つの理由
転校後、どうして息子がそこまで荒れてしまったかというと、
・先生にたくさん叱られた
・友達にたくさん嫌がらせを受けた
この二つが大きな理由です。
なぜ先生にたくさん叱られたかというと、だいたい二つのパターンがありました。
①独特な感覚
一つ目は、息子の捉え方、感じ方が変わっているから。
発達凸凹のある子は人と感覚が違うことも多いので、友達トラブルがあったときなどに、周りの子が言っていることと本人が言っていることが食い違うということが少なくありません。
例えば、お友達が「○○くん(息子)が『やめろ!』って言ってきた!」と訴えたとします。息子は「言ってない」と主張。だけど周りの子どもはみんな、「○○くんが『やめろ!』って言った」と口添えする、という状況だとします。
こんなとき、実は息子が発した言葉は「やめろ」ではなくて「やめて」だったりするんですが、周りの人にしたら同じ意味なので、息子が嘘をついていると感じます。
でも、息子にとっては違う言葉なのです。それを上手に説明できないので、みんなに分かってもらえません。
だから、本人の中でも「言ってないのに、なんで疑うんだ!」という思いが湧いてきて、「言ってない!!」とキレてしまうんです。
それを見た周りの子どもや先生は、嘘つきの上にすぐキレるというイメージを持ってしまい、何かあるごとにそんな風に判断され叱られてしまう、ということがたくさんありました。
②衝動性と多動性
二つ目は、授業中の衝動性や多動性です。手を上げずに答えを言う、座ってはいてもガサガサしているなど、特性なので本人にもコントロールできないことで叱られていました。
この二つが大きな理由で、息子は
・誤解を受けたり
・やる気がないと判断されたり
・叱られ続け
その結果、どんどん怒りっぽくなっていきました。
さらに、お友達との関係も感覚の違いや感情コントロールの問題でトラブルになり、嫌がらせを受けたり、喧嘩をしたり、泣いて怒っての大変な日々でした。
友達トラブルの元になっていた感覚の違いは、私は息子のことが分かっているので、なるほどな…と思いました。
衝動性や多動性など発達障害の特性からくる行動も私からすれば、「叱られても仕方がないけど対応しだいで治まっていくし、クリアできるのに…」と思うことなんです。
だけど、それは息子のことをよく知らない人には、なかなか分かってもらえません。
転校したばかりのころの私は、「まぁ、まだどうなるかわからないし、問題になってないなら、息子の特性のことは言わなくてもいいか!」くらいに思っていました。
ですが、発達障害ADHDタイプは叱られるとどんどん調子が悪くなるので、結局大変なことになってしまいました。
思い返すと、叱られることが少なければもっと色々できることがあっただろうし、あんなにキレることなく、友達ともうまくやっていけたのではないかと思っています。
もし私が転校したときすぐに、息子に合った対応をちゃんと先生に伝えていれば…。誤解されて叱られることも、特性による行動で叱られることもなかったと思うんです。
だから、お子さんの学校生活を楽しく過ごしやすくしたいと思うなら「ちょっと気になるな」と思ったことを、そのままにしないでほしいんです!
まずはお母さんがお子さんの対応をしっかりマスターして、先生にお子さんへの対応を話せるようにしてほしいと思います。
3.友達トラブルも落ち着いた!たった一つの対応
では、どんな対応をすれば学校でのトラブルを減らすことができるのでしょうか?
私は「どうにかしてこの問題を解決したい!」と思い、たくさんの情報を調べて実践しました。それでも息子の様子は変わりませんでした。
ところが、なんと発達科学コミュニケーションは、始めてからたった3週間で落ち着いたのです!
それで、家で実践して効果を感じたことを書面にして、担任の先生や校長先生に面談でお伝えし、対応を変えてもらえるようにお願いしました。
そうしてもらったところ2週間で学校での態度も落ち着き、友達トラブルも減っていきました。
どんな対応をしたかというと、発達科学コミュニケーションの基本の「できていることに注目すること」です。
発達障害グレーゾーンの子どもたちは自信をなくしやすいので、自信を持てるようにお母さんが声かけすることがすごく重要です。
つい他の子と比較してしまいがちですが、お子さん本人の過去と比べての成長を褒めてあげてください。
とは言っても、よく「うちの子は褒めるようなところがないんです…」というお母さんもいらっしゃいます。私もそうでしたから気持ちはすごくよく分かります。でも大丈夫!
例えば、宿題であれば、
・プリントや鉛筆を用意し始めたら褒める
・宿題をやり始めただけでも褒める
・やっている途中も「頑張ってるね」と褒める
というように、こんなことで褒めていの?と思うような小さなこともどんどん褒めてあげてください!
発達障害グレーゾーンの子どもたちは、特性が原因の困りごとや友達トラブルで、お母さんが思う以上に大変な思いをしています。
だから、様子を見よう!なんていう言葉に騙されないでください。もしお子さんのことで気になることがあったら、気づいたそのときが最大のチャンスです!
まずは、お子さんの褒めポイントを探してください。そして、褒めることで子どもがいい状態になる、ということを学校の先生にも伝えるようにしてくださいね!
執筆者:水本しおり
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)