絵に自信を持てない息子は、描いているところを見られるのも、作った作品や絵を見られるのも苦手で、見本と違うと強い不安を感じていました。そんな息子が作品展で「僕のを見て」と言えるようになった変化と、自信が育った関わり方をお伝えします。
1.どうしてそんなに嫌がるの?絵を隠してしまう子のサイン
お子さんが、絵や製作の時間になると描いているところを見られるのを嫌がったり、完成した作品を人に見せたがらなかったりすることはありませんか。
見本と少し違うだけで急に不機嫌になり、紙をぐちゃぐちゃにしてしまう。
そんな様子に、
「ちゃんとやってほしいだけなのに」
「どうしてこんなに嫌がるんだろう」
と感じたことがあるママもいるかもしれません。
わが家の息子は、注意欠如・多動症(ADHD)グレーゾーンです。
絵を描くときは、途中を見られるのも、完成した作品を見られるのも苦手で、机に覆いかぶさるようにして描いていました。

制作の時間になると、先生の見本を何度も見比べては「これで合ってる?」と不安そうに確認し、少しでも違うと感じると手が止まってしまっていました。
やる気がないわけでも、ふざけているわけでもありません。
ただ、絵に対して自信を持てない気持ちがとても強かったのです。
2.ADHDグレーゾーンの子が絵に自信を持てない理由
ADHDグレーゾーンの子どもの中には、不安を強く感じやすく、物事を「できた・できない」「合っている・間違っている」と白黒ではっきり捉えやすいタイプの子がいます。
こうした特性から、「間違えたらどうしよう」という気持ちが先に立ち、自信を持てない状態になる子も少なくありません。
息子もその一人で、少しでも「違うかもしれない」と感じると、不安が一気に大きくなり、気持ちのコントロールが難しくなるところがありました。
絵を描く時間も、
「これで合っているのか」
「失敗していないか」
と気持ちが揺れ続け、自信を持てないまま安心して描き進めることができなかったのです。
そこに
「人に見られている」
「失敗したらどうしよう」
という気持ちが重なると不安はさらに強まり、手が止まってしまったり、途中で投げ出すといった行動を取りやすくなります。

実はわが家の息子は、家では好きなように絵を描き、自由に色を使って楽しむことができていました。
ところが学校では、制作の時間になると先生の見本と自分の絵を何度も見比べ、「これで合ってる?」と繰り返し確認する姿があったのです。
少しでも違うように思えると手が止まり、消しゴムで何度も消し始め、最後には紙をぐちゃぐちゃにして投げてしまうこともありました。
息子にとっては、見本と違う=失敗、うまく描けない=ダメ、という感覚がとても強かったのだと思います。
3.自信を失う前に整えたい、学校で増える「人に見られる場面」への備え
小学生になると、学校生活の中で「見られる場面」「比べられる場面」が少しずつ増えていきます。
作品展、制作物の掲示、発表の時間。
どれも、本人のがんばりとは別に、人の目に触れることそのものが負担になる場面です。
息子の場合も、「提出する」「貼り出される」と聞くだけで表情が曇り、「やっぱりやめたい」と言うことがありました。
自信を持てない状態のままこうした経験が重なると、子どもは「失敗しないため」に、出さない、やらない、目立たない、という選択をするようになります。
実はそれは怠けではなく、自分を守るための行動なのです。
だからこそ、学校での「見られる場面」が本格的に増える前に、不安が強いときの環境や関わり方を整えておくことが大切です。
今のうちに整えておくことで、これ以上自信を失わずにすみ、この先の学校生活がずっとラクになりますよ。
4.不安を減らし「やってみよう」が育つ関わりの整え方
私が大切にしたのは、息子が安心して取り組める環境を整え、成功体験を積み重ねることでした。
学校の先生や療育の先生と連携して、他の人に見られにくい位置で一人で取り組めるよう配慮してもらいました。
そして、できていないところではなく、「ここ、自分で考えたんだね」とできている部分だけを言葉にしてもらうようお願いしました。
これは、発達科学コミュニケーションの「ビルディング・メモリー(成功体験の記憶づくり)」という関わりです。
評価や正解ではなく、「事実としてできていること」に注目してもらうことで、脳に安心と達成感が残りやすくなります。
こうした環境と関わりを重ねる中で、息子は少しずつ「これならやってもいいかも」と感じられるようになっていきました。
そして迎えた作品展の日。息子は自分の作品の前に立ち、他の保護者の方に向かって「これ見て!僕の作品!」と声をかけていました。

以前、あれほど隠していた姿からは想像できないほど、誇らしそうな表情でした。
自信は、教え込むものではなく、不安が和らいだ後で育っていくものです。
不安が強い子ほど、この順番がとても大切だと息子を通して実感しています。
まずは、不安を減らす工夫を一つ。
できていないところではなく、できている事実に目を向けることから、試してみてくださいね。
執筆者:優木 なみ
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
ADHDグレーソーンの子どもは何度も注意されたり、叱られる場面が多いため、自信を失っていて確認しないと動けない状態に陥っている子も少なくないです。そうすると今度は「なかなか動かない」「真面目にやらない」といった誤解を受けやすくなり悪循環に…。そうなる前に関わり方を知って子どもの自信を回復させてあげませんか?まずは無料メール講座から一歩を踏み出してみてくださいね!





