「学校に行きたい」と言うのに朝になると動けない子ども。行きたいのに行けないのは、やる気や甘えではなく脳の状態が関係していることがあります。この記事では、子どもが動き出すために知っておきたい2つのフェーズと、その見極め方をお伝えします。
1.「励ませば行ける」と思っていたのが逆効果だった親の関わり
「行きたいのに行けない」
そう言うわが子の言葉を聞くと「あと少し背中を押せば学校に行けるはず」と思ったことはありませんか?
私も以前は、そうでした。
当時、小学生だった息子に
「少しだけがんばってみよう」
「行けばきっと大丈夫だよ」
と励まし続けていたのです。
ここでいう励ますとは、「がんばろう」「あと少しだよ」など、子どもの背中を押そうとする声かけのことです。

ところが、励ませば励ますほど息子は布団にもぐりこんだり、なんとか車に乗れても学校に着くと降りられませんでした。
そして最後には、「学校なんて潰れろ!」と感情を爆発させるようになってしまったのです。
後から分かったことですが、実際の息子は、学校へ行きたい気持ちはあるのに、不安が大きくなり身体が動けない状態だったのです。
そんな状態の子に「がんばろう」と声をかけることは、応援ではなくプレッシャーになっていました。
では、なぜ「行きたいのに行けない」状態になってしまうのでしょうか。
その理由は、子どものやる気ではなく別のところにありました。
2.学校に行きたいのに行けない子が動けない本当の理由
「学校に行きたいのに行けないのは、やる気が足りないからなのかな。」 そう思ってしまう親御さんは少なくありません。
しかし、「行きたいのに行けない」の本当のところは、学校へ行きたい気持ちはあるのに、不安や脳の働きが影響して体が動かない状態のことなのです。
発達凸凹の子は、気持ちの切り替えが苦手だったり、不安を感じやすいという特性が見られることがあります。

そんな子は
・失敗が怖い
・完璧にできないならやりたくない
・不安が大きくなって身体が動かない
といった様子が見られることが多いです。
すると、頭では「学校へ行きたい」と思っていても不安のほうが大きくなり、身体が思うように動かなくなってしまうのです。
実際に私のところへ相談に来られるお母さんも、
「学校へ行きたくないだけだと思っていました。」
「親子関係が原因だと思っていました。」
と話されることがあります。
詳しくお話を伺うと、その背景には発達凸凹による脳の特性や、不安の強さ、切り替えの苦手さなどが隠れているケースが多いです。
だからこそ、「行きたいのに行けない」子どもに必要なのは「もっとがんばって」という励ましではなく、今どんな状態なのかを理解することなのです。
3.子どもが動き出すために知っておきたい2つのフェーズ
では、「行きたいのに行けない」子どもが動き出すためには、何を知っておけばよいでしょうか。
大切なのは、まず子どもが今「整えるフェーズ」と「動かすフェーズ」のどちらにいるのかを知ることです。
整えるフェーズとは、子どもが「行きたい」という気持ちはあっても、不安が大きく、まだ行動する準備ができていない状態です。
たとえば、
・朝になると身体が動かない
・行く時間になると涙が出る
・表情が硬い
このような様子が見られるときは、整えるフェーズと考えられます。
この段階では、無理に背中を押すよりも、まずは安心して過ごせる時間を増やすことが大切です。

もうすぐ始まる夏休みは、学校へ行く・行かないにとらわれず、お子さんの状態に合わせて関われる貴重な時期です。夏休みの過ごし方が、2学期のスタートにつながることもあります。
一方、動かすフェーズとは、不安はあるものの小さな挑戦ならできそうと思える状態です。
たとえば、
・学校の話題を避けなくなる
・「行ってみようかな」と口にする
・明日のことを考えられるようになる
このような様子が見られるなら、動かすフェーズに入ってきたサインです。
このタイミングでは、小さな挑戦を少しずつ積み重ねていくことが大切です。
もうすぐ始まる夏休みは、お子さんの今のフェーズに合わせた関わりを実践しやすい時期です。
「行きたいのに行けない」子どもが動き出すためには、まずは今どのフェーズにいるのかを見極めることから始めてみてくださいね!
◆ 学校に行きたいのに行けない子よくある質問

学校へ戻ることだけが正解とは限りません。大切なのは、お子さんが安心して「自分で動き出せる状態」を取り戻すことです。その土台が整うことで、お子さんに合った道やタイミングも見えやすくなります。

フェーズを見極めた後は、そのフェーズに合った関わりを実践していきます。フェーズごとの子どもが安心して動き出せる詳しい関わり方は、無料電子書籍を読んでみてくださいね!また、今開催中のセミナーでは、夏休み中にフェーズを整えて2学期のスタートをスムーズにする具体的な方法をお伝えしています。
執筆者:山本みつき
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)
(Nicotto Project 発達科学コミュニケーショントレーナー)




