散髪が嫌いで髪型がボサボサでも気にならないというタイプの子にお困りではないですか?特にADHDやASDの特性を持っていると床屋に連れていくのも一苦労ですよね。特性を理解して作戦を立てれば髪型や身なりを気にする子に変身できます。
1.髪がボサボサでもなかなか切らせてくれない!髪型に無頓着な息子
我が家の現在小学5年生の息子は、注意欠如多動症(ADHD)と自閉スペクトラム症(ASD)のミックスタイプです。
そんな息子はつい最近まで身なりや髪型について無頓着、散髪が嫌い、ついでに髪を洗うのも大嫌いでした。

服装は買うものの組み合わせでなんとかおかしくないようにできるのですが、髪型については伸び切ってしまうとモサモサ感を抑えることができません。
かといって自分で整えることもしないので、定期的に髪の毛をカットするのが一番身なりが整う方法でした。
2.もうどうすればいいの…おうちカットも1000円カットも嫌がる息子
しかし、息子はじっとしているのが苦手なので床屋に連れて行くのはひと苦労。
低学年ごろまでは私が自宅のお風呂場で髪の毛をカットをしていました。
髪の毛が伸びてきた頃に「そろそろ髪の毛切ったほうがいいね」「明日の夜切ろうか」と事前予告をしていました。
しかしいざカットする段階になり「髪切るよ〜」と誘っても面倒くさがったり嫌がったり、切り始めるまでになかなか動かない…
いざ切り始めて、そんなに乱暴にやってるつもりはなくても「痛い〜」とか、切った髪が体について「気持ち悪い」、途中で「まだ?早く終わってほしい」など色々と言ってきてこちらもイライラしながらやることも多くなっていました。

このような感じで家でのカットが大変になったので、3年生になったあたりから近所の1000円カットに連れて行くことにしました。
しかしここでも毎回違う人が切るというところが嫌だったり、担当者によってはスピード重視のなのでちょっと雑にやられている感じが苦手だったようで行くのを嫌がり始めてしまいました。
3.ADHD+ASDミックスタイプが散髪嫌いな理由
散髪が嫌いな理由を考えてみるとADHDとASDそれぞれの特性が関係しているということがわかりました。
ADHDの特性からくる理由
・じっと動かずに座っていることが苦手
・めんどくさいことを嫌がる
・時間の見通しがたたないことが嫌
・めんどくさいことを嫌がる
・時間の見通しがたたないことが嫌
ASDの特性からくる理由
・感覚の過敏さから髪を触られたり、ちょっと引っ張られることに不愉快を感じる
・切った髪が体につくことが嫌
・バリカンの音が怖い
・こだわりの部分から担当者が毎回変わるのが嫌
・切った髪が体につくことが嫌
・バリカンの音が怖い
・こだわりの部分から担当者が毎回変わるのが嫌

特性はある程度理解していたものの、近所で済めば早いし安いし、という理由もあり「1000円カットはスピードが勝負だから仕方ないね」と親の都合で丸く収めようとしてしまったのが、余計に息子が行きたがらなくなった原因かもしれません。
そこで、息子が嫌がらずに髪を切るための作戦を考え直すことにしました。
4.嫌がらずに髪を切る作戦がうまくいった2つの秘訣
新しく考えた作戦は2つです。
ひとつ目は私の通っている美容院でカットしてもらおう、ということです。
私の通っている美容院はスピード重視ではないのでゆっくり丁寧に切ってくれるし、指名をすれば同じ人が担当になってくれるので、もしかすると嫌がらずに行けるかも知れないと考えました。
そこでまずやったことは、私からの提案で『美容院に行ってみたい!』という感情を作ること。
いつも息子は私が髪の毛を切ると「お母さん、髪型いいね!」と褒めてくれるので「ねえねえ今度お母さんの髪の毛切ってるところで髪の毛切ってみない?その美容師さんすごい上手だしセンスいいから絶対かっこよくしてくれるよ!」と声をかけてみました。
すると息子は「うん、そこになら行ってみたい」と話に乗ってくれたので気が変わらないうちに一番早く行けそうな日程で予約。
予約したことを伝え「かっこよくなるの楽しみだね!」と伝えました。

そしてふたつめは自分で髪型を決めてオーダーしてみること。
息子はイメージが湧かないことに不安を感じやすいところもあるので、事前に髪型のイメージできるように、「こんな髪型どうかな?」とサンプル写真をいくつか用意して見せてみました。
すると息子は「あまり短くしたくない」「マッシュはいや」「2ブロックがいい」など自分の要望を伝えてくれました。
母心としてはせっかく切るなら短く!と、コスパを重視したかったところでしたが、今回は成功体験として終わらせることが重要。
私の意見はグッと我慢して本人の要望を最優先しました。
そして髪型どうしますか?と聞かれた時に「こういう風にしたい」と言ってみるといいよと提案してみました。
髪型について美容師さんに聞かれた時も息子は「あまり短くしたくない」「前は眉毛のところくらいで」など自分の口でちゃんと伝えることができました。
そしてほぼ要望通りプラスアルファでかっこいい髪型に仕上げてもらうことができてとても満足そうでした。
5.ADHD+ASDミックスタイプの子育ては急がば回れでうまくいく
カットが終わってから
「自分でちゃんと伝えられたね!」
「さっぱりしてかっこよくなったね!」
「いい髪型だね!似合ってるよ!」
とたくさん肯定してあげました。
「自分でちゃんと伝えられたね!」
「さっぱりしてかっこよくなったね!」
「いい髪型だね!似合ってるよ!」
とたくさん肯定してあげました。
初めての美容院の感想を聞いてみたところ
「引っ張られなくてすごく優しくやってくれたから全然痛くなかった」
「シャンプーが気持ち良すぎて天国かと思った」
「毎回ここでカットしたい!」
と美容院で髪を切ることにいい印象を持つことができました。
「引っ張られなくてすごく優しくやってくれたから全然痛くなかった」
「シャンプーが気持ち良すぎて天国かと思った」
「毎回ここでカットしたい!」
と美容院で髪を切ることにいい印象を持つことができました。
美容院でカットしてもらって良かったところは
・ゆっくり丁寧にやってくれる
・タブレットを見られるので座ってることに集中できる
・何度も確認してくれたり、優しく声をかけてくれる
・自分の意見をしっかり聞いてもらえた
・タブレットを見られるので座ってることに集中できる
・何度も確認してくれたり、優しく声をかけてくれる
・自分の意見をしっかり聞いてもらえた
など特性に対するネガティブな刺激がなかったことが成功の要因だったと考えています。

その日以降「オレかっこよくなったかな?」とか、鏡の前で「寝癖ついてないかな?」と髪型を意識することが増え、身なりやおしゃれにも意識が向くようになりました。
ADHDタイプの子育ては大変なので、色々なことをさっと終わらせたくて子どもに我慢させてしまうことがあります。
しかし急がせてネガティブな経験にさせてしまうと余計に時間がかかってしまいます。
特性から来る感覚は我慢させずストレスのない環境を準備することが上手くいく秘訣だなということを改めて体感しました。
執筆者:村川聡美
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
(発達科学コミュニケーション STELLA*Schoolアンバサダー)
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