さて今日は、
正しい声かけを知っていることと、
わが子に届く声かけができることは違う
というお話です。
昨日ご紹介した中学1年生のお母さんは、
息子さんを責めたり、
無理に学校へ行かせたりしていた
わけではありません。
むしろ、
「肯定はできています」
とおっしゃっていました。
「大丈夫だよ」
「きっとできるよ」
「気にしすぎなくていいよ」
どれも、
息子さんを安心させたくてかけた
優しい言葉です。

けれど、不安が強い子には、
「大丈夫と思えない自分はダメなのかな」
「できなかったら、またがっかりさせる」
と届くことがあります。
同じ言葉でも、
子どもの状態によって
届き方は変わります。
だから必要なのは、
正しい声かけを
たくさん覚えることではありません。
今、この子は、
安心が必要なのか。
気持ちを整理する時間が必要なのか。
好きなことから自信を育てる段階なのか。
小さな挑戦を提案できる段階なのか。
今は何を届けるときなのかを
判断できることです。
たとえば子どもが、
「友達とうまく話せる気がしない」
と言ったとき。
「大丈夫。きっと話せるよ」
と励ますよりも、
「うまく話せなかったらと思うと、
怖いんだね」
と気持ちを受け止める方が
届くことがあります。
不安をわかってもらえたことで、
子どもの頭の中が整理され、
初めて、
「どうしたら少し安心できるかな」
と考えられるようになるからです。
子どもを動かす言葉を探すのではなく、
子どもが自分で動ける状態をつくる。
この視点を持つと、
学校へ行けなかった日も、
ゲームをしていた日も、
「今日も何もできなかった」
では終わらなくなります。
今日は安心を取り戻した。
今日は「嫌だ」と言えた。
今日は不安を話せた。
今日は好きなことに心が動いた。
回復は、
登校した日にだけ進むものでは
ありません。
目には見えないところで育った力が、
ある日、
「やってみようかな」
という行動になって
表に出てくるのです。

肯定も、傾聴も、見守ることも、
挑戦を促すことも、
すべて大切です。
けれど、使う順番が違えば
子どもには届きません。
だからこそ、
「何と言えばいいか」より先に、
今、わが子に何が起きているのか
を見る力が必要です。
ママがその軸を持つと、
今日行けなかったからといって、
未来まで悲観しなくなります。
子どもの小さな変化を見つけ、
「今はここを育てるとき」
と落ち着いて関われるようになります。
そして変わるのは、
子どもだけではありません。
ママも
「私の関わりで大丈夫」
と思えるようになり、
失いかけていた
母親としての自信も、
わが子と笑い合う
子育ての楽しさも、
少しずつ取り戻していけます。
不安に振り回される子育てではなく、
わが子の成長を見つけ、
一緒に喜べる子育てへ。
いつか心から、
「この子のママになってよかった」
と言える未来へ。
ママになってよかった。
そんな子育ての後半戦を、
ここから始めませんか?
今日はここまでです。


