※昨日募集した【特別企画・個別相談】
は募集1時間で満席に達しました。
応募してくださったみなさん、
お会いできるのを楽しみにしております。
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さて今日は、
「脳神経内科医の夫がいても、
息子を回復させられなかった私たちが
決めたこと」
というお話です。
先日、
県下の病院への訪問を終えて
帰宅した夫と、
気づけば夜遅くまで
起立性調節障害について
話し込んでいました。
夫は、脳神経内科医。
私は、看護師・保健師であり、
家庭でのコミュニケーションから
子どもの発達を支える仕事をしています。

けれども、
息子が起立性調節障害になったあの頃、
私たちは、医療の専門家でありながら
何をしてあげればいいのか
わかりませんでした。
夫が医師でも、
私は看護師でも、
目の前で苦しんでいる
わが子を回復させることが
できなかったのです。
朝、起き上がれない。
学校へ行きたいと言うのに、
身体が動かない。
昨日は少し元気だったのに、
今日はまた布団から出られない。
ガイドラインの通りにしても
それ以外の方法を調べても、
私たちが本当に知りたい答えには
たどり着けませんでした。
なぜ、こんなにも苦しいのか。
なぜ、身体が少し回復しても
元の生活には戻れないのか。
そして親は、
何をしてあげられるのか。
医療の知識があっても
わが子を助けられない。
親として、
これほど悔しく、
もどかしいことはありませんでした。
そんな暗闇のなかで、
ある疑問を抱きます。
「なんで真面目で優しい子が多い?」
「なんで体が良くなっても
動き出さない?」
こんな疑問と向き合っている時、
ある先生の本に出会いました。
そこに書かれていたことが、
私たちがずっと抱えていた違和感と
少しずつつながっていきました。
「そうか。
私たちが見落としていたのは、
ここだったんだ」
あのとき感じた衝撃は、
今でも忘れられません。
そこから夫は、
医療の現場で
起立性調節障害の研究と診療に
力を注ぐようになりました。
そのなかで見えてきたのは、
家で横になっているからといって、
身体が休めているとは限らない
ということでした。
例えば、
POTS(体位性頻脈症候群)の
患者さんのなかには、
横になっている間も
心拍数が非常に高い状態が
続く方がいます。
一晩に4回も5回も心拍数が
140回/分を超える子もいます。
眠っているように見えても、
身体のなかでは、
心臓が休まらないほどの負荷が
かかっていることがあるのです。
こんなお子さんは
悪夢もよく見ます。
だから、身体面からみても
「学校に行っていないのだから
疲れていないはず」
「一日中寝ているのだから
そろそろ元気になるはず」
そんな単純な話ではありません。
そしてさらに
起立性疑いのお子さんの中には
ごく稀ですが、
マルファン症候群や
脳脊髄液漏出症という
別の病気が潜んでいることも
あります。
このような病気との鑑別は
西洋医学の医療機関でしかできません。
それ以外のところで
勝手に診断することは
本当はできないはずなのです。
病院がここを担うことは
大変重要なことだと感じます。
一方、私は家庭で、
身体の症状だけでは
説明しきれない、
子どもたちの不安や、
物事の受け取り方、
行動の変化に向き合ってきました。
身体は少しずつ
回復してきている。
ゲームもできる。
友達とも話せる。
休日なら外にも出られる。
それなのに、
「学校」という言葉が出た途端、
表情が固まり、
身体が動かなくなる。
本当は行きたい。
けれど、
また具合が悪くなったらどうしよう。
途中で帰ることになったらどうしよう。
みんなに何か言われたらどうしよう。
そんな不安に脳が反応し、
身体にブレーキがかかってしまう。
それを、
「気持ちの問題」
「甘えている」
「本人のやる気がない」
で片づけてはいけません。
身体の回復と、
動き出す力の回復は、
必ずしも同時には進まないからです。
だからこそ、私たちは、
医療で身体の状態を診ることと、
家庭で脳の反応や行動を支えること。
その両方が必要だと
考えるようになりました。
夫は、医療の現場から。
私は、毎日の親子の会話から。
立っている場所も、
アプローチも違います。
けれど、
目指している未来は同じです。
起立性調節障害になったからといって、
子どもたちが自分の未来を
諦めなくていい社会にしたい。
学校へ行けない時間があっても、
その子の可能性まで
止まったわけではないと伝えたい。
そして、
あの頃の私たちのように、
調べても答えが見つからず、
「この子に、
何をしてあげればいいのだろう」
と暗闇のなかにいる親子へ、
身体のことも、
心のことも、
その先の一歩も、
一緒に考えられる場所を
つくっていきたい。
息子を前に、
何もできないと感じた
あの日の悔しさを、
今、苦しんでいる親子の
希望に変えていく。
これは、
私たちにとって
単なる仕事ではありません。
息子が私たちに手渡してくれた、
人生をかけて向き合っていく
テーマです。

あの頃の悔しさやもどかしさを
今度は次の親子の希望に変えていく。
そんな思いで活動しています。
今日はここまでです。


