【事例】「学校が怖い」と耳をふさいだ中1男子が、海外研修でプレゼンするまで

生徒さんの変化
「学校が怖い」と学校の話をするだけで耳をふさいでいた中1男子。励ます言葉より、不安をそのまま受け止め、好きなことを大切にする関わりを重ねたことで、数か月後には海外研修で自分の好きなことをプレゼンした事例を紹介します。

 

1.「学校が怖い」と耳をふさぐ中1男子に、励ましが届かなかった理由

 

その子は、

中学受験をして入った学校に

通っていました。

 

けれど入学後、

少しずつ不安が強くなり、

7月から学校へ行けなくなりました。

起立性調節障害の診断も

ついていました。

 

「学校が怖い」

 

学校の話題が出るだけで

耳をふさぐ。

 

お母さんも、

「何を言ったら、

もっと怖がらせてしまうんだろう」

と、話しかけることさえ

怖くなっていました。

 

ご相談の中で、お母さんは、

「肯定はできていると思います」

と話してくださいました。

 

たしかに、

無理に学校へ行かせたり、

責めたりはしていませんでした。

 

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ただ、詳しく会話を見ていくと、

不安が強い子に届く肯定とは

少し違っていました。

 

たとえば、

「大丈夫だよ」

「きっとできるよ」

「気にしすぎなくていいよ」

 

どれも、

息子さんを励ましたくて

伝えていた言葉です。

 

けれど、不安が強い子には、

「大丈夫と思えない自分はダメなのかな」

「できなかったら、また期待を裏切る」

と届くことがあります。

 

必要だったのは、

不安を消す言葉ではありません。

 

不安を抱えている今の自分を、

そのまま受け止めてもらうこと。

 

2.不安を否定せず、好きなことに心を動かせる時間を大切にしました

 

そこで最初は、

肯定から丁寧に入れてもらいました。

 

学校の話をすることより、

好きなことをしている姿に

興味を向ける。

 

話し始めたら遮らずに聞く。

「そこが怖かったんだね」

「そう思っているんだね」

と、評価せずに受け止める。

 

そして、

好きなことに没頭できる時間も

大切にしました。

 

息子さんが好きだったのは、

ヴィンテージジーンズでした。

 

年代やデザイン、

生地や色落ちの違い。

 

好きなことを話すとき、

少しずつ表情が変わっていきました。

 

ここで、

「それだけ話せるなら学校も行けるよ」

とはつなげません。

 

好きなことに没頭する時間は、

「自分にもできることがある」

「自分には好きなものがある」

という感覚を取り戻す時間だからです。

 

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3.3か月後に学校へトライし、4〜5か月後には海外研修でプレゼン

 

サポート開始から3か月ほどたった頃、

息子さんは学校にトライしました。

 

もちろん、

すぐに不安がなくなったわけでは

ありません。

 

友達とうまく話せるだろうか。

 

久しぶりに会って

何を聞かれるだろう。

 

教室でどう振る舞えばいいだろう。

 

そんな不安を打ち明けてきたときも、

お母さんは、

 

「気にしなくていいよ」

「行けば何とかなるよ」

と言い聞かせるのではなく、

 

何が一番心配なのか。

どこまでならできそうなのか。

何があれば少し安心できるのか。

 

カウンセリングするように

一緒に整理していきました。

 

そして、サポート開始から

4〜5か月後。

 

息子さんは海外研修に参加し、

大好きなヴィンテージジーンズについて

自分の言葉でプレゼンしました。

 

数か月前まで、

「学校が怖い」と

耳をふさいでいた子が、

 

自分の「好き」を

人前で堂々と伝えたんです。

 

この変化は、

突然起きたものではありません。

 

学校へ行けたから

自信がついたのでもありません。

 

不安を受け止めてもらった。

好きなことを大切にしてもらった。

 

悩みを話したときに、

答えを押しつけられなかった。

 

その細やかな積み重ねの先に、

海外研修という一歩がありました。

 

不安が強い子に必要なのは、

ただ肯定すればいい、

好きなことをさせればいい、

という一つの正解ではありません。

 

目の前で怖がっているときに、

「今は肯定だな」

「今は聞く時間だな」

「今は好きなことで自信を

育てる時期だな」

と判断できることです。

 

回復段階がわかっているママは、

夏休みの使い方が変わります。

 

そして、

夏休みの使い方が変わると、

2学期のスタートも変わります。

 

夏休みを変えるのは、

完璧な予定表でも、

勉強計画でもありません。

 

ママがわが子の今を見て、

何を優先するのか。

どんな声かけなら届くのか。

どのくらいの一歩なら、

脳が「できた」と受け取れるのか。

 

ここを見立てることです。

 

きっとあなたも、

すでにたくさんの情報に

触れてきたと思います。

 

肯定が大事。

見守ることが大事。

好きなことをさせるといい。

 

それでも迷うのは、

今のわが子には、

どの関わりが必要なのか

がわからないからです。

 

私は、そんなママに、

「今はこの対応だな」

と判断できる軸を

手渡したいと思っています。

 

もう、情報を増やすだけでなくていい。

 

必要なのは、

わが子の今を見立てる順番です。

 

今は肯定なのか。
聞く時間なのか。
好きなことで自信を育てる時期なのか。

 

わが子の今を見ながら、必要な一手を選ぶことが、次の小さな挑戦につながっていきます。

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