さて今日は
『「やってみる!を実現するのに
必要な期間、知っていますか?』
というお話です。
実は個人差はあるものの
2~3か月。
しかもこれは
やってみる!と感じたことを
完璧にこなせるようになるという
意味ではありません。
やってみる!と感じたことに
一進一退を繰り返しながら
挑戦していく段階。
こんなふうにお伝えすると、
「そんなにかかるんですか?」
「受験まで間に合わないかもしれません」
「もう9月なのに…」
そう思うママもいるかもしれません。
特に、
起立性調節障害のお子さんの場合、
朝起きられない。
だるい。
頭痛がする。
立ち上がるとつらい。
そんな身体症状があるから、
「まずは身体が良くなるまで待とう」
そう考えるのは、
とても自然なことだと思います。
だけど私は、
身体が回復してくるのを待つだけでは、
「やってみる!」までなかなか
進まない子がいる
ということを、
たくさんのお子さんを見てきて
切に感じています。
なぜなら、
起立性調節障害の子が
動けなくなっている時、
身体だけではなく、
「また具合が悪くなったらどうしよう」
「行って途中で無理になったら?」
「またできなかったら?」
「みんなに何か言われたら?」
そんな不安やネガティブな予測も、
一緒に積み重なっていることが
多々あるからです。
朝起きられなかった。
学校へ行こうとして行けなかった。
途中で帰ってきた。
「明日は行く」と言ったのに
やっぱり行けなかった。
そういう経験を何度も繰り返すうちに、
「やってみたい」と思っても、
その瞬間に、
「でも無理かも」
というブレーキがかかる。
これは生まれながらの
脳の反応と、
生まれてからの環境による
その反応の強化、
によって成り立っています。
だから私は、
起立性調節障害の子の回復には、
身体の回復を支えることと同時に、
脳に染みついた“不安で止まる反応”を
変えていくサポート
が必須だと考えています。
そしてその脳の反応を変えるには
実は順番があります。
その順番を踏むことで
お子さんの回復が進むんです。
ここが、
「2~3か月」の理由です。
もちろん、
3か月で起立性調節障害が治る、
という意味ではありません。
そうではなく、
毎日の親子のコミュニケーションの中で、
安心できる。
自分の気持ちを話せる。
小さく動ける。
「できた」が増える。
自分で決められる。
失敗しても立て直せる。
そんな経験を積みながら、
今まで
「無理」
「どうせできない」
「またダメになる」
と反応していたところを、
「もしかしたらできるかも」
「ちょっとならやれるかも」
という反応へ、
少しずつ変えていく。
私はこれを
ネガティブ思考をリセットしていく
とお伝えしています。
ネガティブ思考が強いままだと、
身体が少し元気になっても、
午後からゲームはできる。
買い物には行ける。
好きなことなら外出できる。
だけど、
学校だけは無理。
勉強だけは手がつかない。
せっかく学校に気持ちが向き始めても
実際に行く段階になると
不安が顔をのぞかせ
一歩が踏み出せない。
ということは簡単に起こります。
だから、「新学期こそ行けるかも」
が淡い期待で終わってしまうんです。
けれど、
身体が動くことと、
不安を感じる行動に踏み出せることは、
同じではありません。
学校や勉強には、
「またできなかったら」
「遅れている」
「みんなについていけない」
「失敗したくない」
という記憶や不安が
結びついていることがあります。

だからこそ、
身体が回復してきたタイミングで、
「じゃあ学校へ」
「そろそろ勉強を」
と一気に背中を押すのではなく、
不安があっても、
小さく動ける脳を育てていく。
ここが大切なんです。
そのためには
ママがお子さんの回復のサインを
見逃さないこと!
たとえば、
朝起きるだけで精一杯だった子が、
少し会話するようになる。
自分からお風呂に入る。
着替える。
好きなことなら外へ出る。
家族と出かける。
「これやってみようかな」
と自分から言う。
そして少しずつ、
「学校もそろそろ行かんとな」
「勉強もしないとな」
そんな未来を考える言葉が
出てくることがあります。
これが、
脳がまた動き始めているサインです。
ですが、
この言葉が出た瞬間に、
「じゃあ明日行く?」
「いつから勉強する?」
と一気に結果を出そうとしてしまうと、
せっかく出てきた
「やってみたい」に、
また不安のブレーキがかかります。
「やってみる!」というのと、
実際にできるのとでは
お子さんのチカラに
大きな乖離があるのです。

身体の回復とともに、
「できた」
「自分で決めた」
「少し動けた」
「失敗しても大丈夫だった」
という経験を重ね、
ネガティブな反応を
一つずつ変えていった先に、
ようやく、
「できるかわからないけど、
やってみようかな」
が現実の行動になっていきます。
だから私は、
「やってみる!」を現実のものに
するまで、
3か月を一つの目安にしています。
※ここはやる気満々で思い通りに
実行できるという段階ではありません。
3か月後に
必ず学校へ行けるという意味では
ありません。
見るのは、
登校だけではありません。
「無理」と即答していた子が、
少し考えるようになった。
ママに決めてもらっていた子が、
自分で選ぶようになった。
失敗を避けていた子が、
「ちょっとやってみる」と言えた。
そこに、
回復の大きな変化があります。
※ここからさらに
折れない心や挑戦の意欲を
手に入れるにはもう少しかかります。
起立性調節障害の子の回復には、
順番があります。
身体を回復させる。
そして同時に、
不安で止まってしまう脳の反応を、
毎日のコミュニケーションで変えていく。
この両方が進んで初めて、
「やってみたい」が、
本当の「やってみる!」
へ変わっていくんです。
だからこそ、
受験がある子ほど。
進路が気になる子ほど。
進学のタイミングの子ほど。
「もう少し様子を見よう」と
時間だけを過ごすのではなく、
今から、
考える。
選ぶ。
動いてみる。
そんな力を取り戻すサポートを
始めてほしいと思っています。
3か月後、
「やっぱり無理」
しか言えなかった子が、
「できるかわからないけど、
ちょっとやってみる」
と言えるようになるために。
今日からできることは、
無理に学校へ行かせることでは
ありません。
まず、
この子の身体と脳が、
今どの段階にいるのかを知ること。
そこからです。
今日はここまでです。


