「待っていれば動き出す子」と「待つだけでは進みにくい子」の違い

朝起きられない

今日は

 

『「待っていれば動き出す子」と

「待つだけでは進みにくい子」の違い』

 

というお話です。

 

昨日は、

 

体調が戻っても動き出さない子には、

安心して休ませるだけでは

次の一歩につながらないことがある、

というお話をしました。

 

では、

「もう少し待っていていい子」と、

「関わりを次の段階へ進めたい子」は、

どこを見て判断すればよいのでしょうか。

 

最初にお伝えしておきたいのは、

子どもがきれいに2つのタイプへ

分かれるわけではないということです。

 

同じ子でも、

まだ身体と脳を休ませる時期と、

小さな挑戦を始められる時期があります。

 

だから大切なのは、

「待つか、動かすか」を

先に決めることではありません。

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今、その子の脳が

どの段階にいるのかを見立てることです。

 

たとえば、まだ休息が必要な時期には、

・会話そのものを負担に感じる
・好きだったことにも反応しない
・食事や入浴だけで精一杯
・予定を聞くだけで強く拒絶する
・楽しい活動のあと、何日も動けなくなる

といった反応が見られます。

 

この時期に、

「午後からなら行ける?」
「少しだけ勉強してみる?」
「いつから始める?」

と決断を求めると、

子どもの脳にとっては、

それ自体が大きな負荷に

なることが少なくありません。

 

一方で、

・家での会話や笑顔が増えてきた
・「暇」「何かしたい」と言うようになった
・欲しいものや、やりたいことが出てきた
・友達や外の世界に関心が戻ってきた
・学校や進路の話を自分から
 することがある
・「やりたい」と言うのに、直前で止まる
・できない可能性を考えると、
 一歩踏み出せない

という状態なら、

少しずつ次の段階へ入っている可能性が

あります。

 

この段階の子は、

エネルギーがまったくないのでは

ありません。

 

「やってみたい」という気持ちも、

「このままでは嫌だ」という思いもある。

 

けれど、動こうとすると、

「またできなかったらどうしよう」

「途中でしんどくなったら困る」

「一度やったら、次も

やらなければいけない」

「みんなと同じようにできなければ

意味がない」

 

というネガティブな予測が先に膨らみ、

行動へブレーキがかかります。

 

この子に必要なのは、

さらに長く待つことではありません。

 

けれど、

「大丈夫だから、やってみよう」

「失敗してもいいじゃない」

「少しだけ行ってみたら?」

と背中を押せばよいわけでもありません。

 

なぜなら、同じ言葉でも、

子どもの回復段階や受け取り方によって、

脳に届く意味が変わるからです。

 

「少しだけやってみたら?」が、

ある子には、

「全部やらなくていいんだ」

という安心になります。

 

けれど別の子には、

「やっぱりママは、私にやらせたいんだ」

という圧に聞こえることがあります。

 

「無理しなくていいよ」が、

ある子には休息の許可になります。

 

けれど別の子には、

「自分にはできないと思われている」

という諦めに聞こえることもあります。

 

だから、

正しい声かけをたくさん覚えても、

そのまま当てはめるだけでは、

うまくいかないことがあるのです。

 

大切なのは、

何と言うかの前に、

今、どんな場面で止まっているのか。

言葉をどう受け取る子なのか。

何を予測した瞬間に不安が強くなるのか。

どのくらいの負荷なら挑戦できるのか。

そこを見立てることです。

 

私の講座を受講された

中学3年生の女の子にも、

バスケの話をされるだけで

「今は行けない」

「バスケの話はしないで」

と拒絶していた時期がありました。

 

以前のお母さんなら、

「せっかく誘ってくれているのに」

「顔を見るだけでも行ったら?」

「行けばきっと楽しいよ」

と、正しいと思う言葉で

背中を押していたかもしれません。

 

けれど、お母さんは、

無理に行かせるのでも、

バスケの話を完全に避けるのでもなく、

娘さんの表情や返事、

その前後の行動を見ながら、

今、何に不安を感じているのか。

どこまでなら本人が選べるのか。

を考えるようになりました。

 

そして、結果だけではなく、

自分からバスケの話をした。

誘いをすぐ拒絶せずに聞けた。

「辞める」とは言わず、

気持ちが残っていた。

 

そんな小さな変化を捉えて、

次の関わりを選びました。

 

すると娘さんは、ある日、

「みんなの顔を見に行く」

と自分で決めました。

 

その後、

「放課後の体育館で練習する」

「試合会場まで行く」

と、自分で次の一歩を

選べるようになっていきました。

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お母さんが、

娘さんをうまく説得したからでは

ありません。

 

娘さんが自分で選べる負荷まで小さくし、

その一歩を自分で決められる関わりを

積み重ねたからです。

 

脳には、経験によって

反応の仕方を変えていく性質があります。

 

不安を感じるたびに、

避ける
↓
一時的に安心する

という経験を繰り返すと、

脳は「避けることが安全」と学習します。

 

一方で、

不安はあった
↓
自分でできる範囲を選んだ
↓
実際に少し行動できた
↓
できないときも立て直せた

という経験が増えると、

「不安があっても選べる」

「全部できなくても大丈夫」

「失敗しても、次を考えられる」

という新しい反応の選択肢が

少しずつ育っていきます。

 

これが、脳の可塑性です。

 

声かけには、

子どもを一瞬で変える魔法が

あるわけではありません。

 

けれど、毎日の会話によって、

何に注目するか。

出来事をどう受け取るか。

次にどんな行動を選ぶか。

その経験を変えることはできます。

 

だから必要なのは、

正しい声かけ集を集めることではなく、

 

わが子の反応を見立て、

声をかけ、

そのあとの反応を観察し、

合わなければ修正する力です。

 

実際に変化をつくったお母さんたちも、

最初から上手にできたわけでは

ありません。

 

声をかけすぎた日もある。

待ちすぎた日もある。

子どもの反応を見て、

「今日は違った」と気づく日もある。

 

それでも、

なぜ、この声かけでは動かなかったのか。

今はどの段階なのか。

次は何を変えてみるのか。

を学び、実践し、修正してきました。

 

決まったセリフを覚えたからではなく、

自分でわが子を見て

判断できるようになったから、

子どもの変化に合わせて

関わりを変えられるようになったのです。

 

これは、決して楽なことばかり

ではありません。

 

自分の焦りに気づくことも、

今までの当たり前を手放すことも、

うまくいかなかった関わりを

振り返ることもあります。

 

けれど、一人で毎朝、

「今日は起こす?」

「休ませる?」

「声をかける?」

「何も言わない?」

と迷い続ける必要はなくなります。

 

わが子を見る基準を持てるようになると、

「今日は休ませていい」

「今なら、二択を出してみよう」

「これは後戻りではなく、挑戦した反動」

「次は負荷を小さくすればいい」

と、ママ自身が判断できるように

なるからです。

 

子どもが動き出すために必要なのは、

たくさんの正解を知っているママでは

ありません。

 

目の前の子どもの反応を見て、

関わりを選び直せるママです。

 

明日、なぜこの時期のサポートが

お子さんの数週間後、

数か月後を変えるのか、

ここについてお話します。

 

今日はここまでです。

 

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