今日は多感な10代を
吃音に悩み過ごした女性が
どのように吃音を乗り越えたか
ご紹介します。
この方は、
小学2年生の頃から
どもることに悩むようになった、
と記憶されているそうです。
授業で当てられるのも、
みんなの前で音読するのも
すごく嫌な記憶しかなく、
小中高生活は
あまりよい想い出が
ないそうです。
ところが、この方は
みんなの前でどもっていたか、
というとそうではありません。
小さい頃から上手に隠す
ことができたので、
ご両親もどもっていることは
ご存知ないそうです。
(こういうケースも多い)
上手に隠せていたのに、
吃音に悩んでいた、、、、
この事実が吃音は隠せればいい、
というだけではないことを
物語っていると思います。
彼女は上手に言い換えをしたり、
話し方を工夫して
表面的に難を逃れていただけ
だったんです。
常に、
スラスラきれいに
流暢に話さなければいけない、
という思い込みから、
会話は常にテストの場。
いつミスをするか、
とドキドキする場だったのです。
自由に好きなように話す
成功体験がなく、
会話することにも消極的でした。
そんな彼女に転機が
訪れました。
それは大学生の学園祭。
サークル活動で
彼女がマイクを持ってMCを
することになったそうです。
舞台でマイクを通じて
どもったらどうしよう!!!
というプレッシャーに
押しつぶされそうに
なっていたそうですが、
その当日、会場は大盛り上がり!
彼女自身も盛り上がってしまい、
興奮しながらのMCだったそうです。
そうしたら一切、
どもりそうな感覚がなかった!
これは行ける!
という自信が湧き、
どもらないための工夫をせずに
どもらずMCを務めることが
できたそうです。
その日の成功体験が強烈で
それからどもらなくなったそうです。
スラスラきれいに
話さなければいけない
という呪縛が、
吃音体質の人を苦しめます。
吃音じゃない人だって、
時々噛んだり、
言い間違えたりするのに、
吃音体質の人は一回の失敗も
10ぐらいのダメージを
受けてしまいます。
「スラスラ流暢に話すのが良い」
という価値観よりも、
たどたどしくても
自分の想いを言葉で
表現する人って
かっこいいよね!
という価値観が日本の常識になったら
吃音の人は悩まないで済むのでは
ないかと思います。
子どもの頃にどもる体質の子が
いることが常識となり、
だれもがどもることを気にせず、
素通りしてくれて、
彼らが話す言葉の中身に
注目してくれる当たり前があれば、
脳が発達してきた頃には
みんなどもらなくなって
いくんです。
だから!
我が子がどもりながらでも
話してくれたことは、
「話してくれてありがとう!」
「そんな風に考えるんだ!
あなたは最高に面白いね!」
と肯定してあげてほしいんです。
どもっていようが
自分の話で相手の感情を
動かすことができた!
という体験は話すことへの自信
を育てます。
話すことに自信が持てれば、
どもっても話すことを諦めず、
会話していけば言葉が発達して
吃音は良くなります!