吃音のある子どもがYouTube依存から抜け出して時間を守れるようになった対応

吃音
吃音のある子どもが、なかなかYouTubeを見るのをやめられないということがありますよね。YouTube依存で時間を守れなかった子どもが、観る時間を守れるようになった対応をお伝えします。

子どもにYouTubeを見せないということはなかなか難しい

子育てにおいて、子どもにYouTubeを観せるか、観せないかという意見はいろいろあります。
 
 
しかし、自分の観たい動画を好きな時に検索して観られるYouTubeを利用しているママは多いですよね。
 
 
病院やレストランが混んでいる時の待ち時間など、子どもに大人しくしていて欲しい場面ではYouTubeで機嫌を取ったりすることもあると思います。
 
 
 
 
しかし、そこからYouTubeを観る事の面白さを覚えて普段も見たがるようになるということもないとは言えません。
 
 
一度見始めると、大人も時間を忘れて夢中で見てしまうように、子どもも夢中になって、なかなかやめられなくなってしまうことがありますよね。
 
 

大人も子どももなぜYouTubeに夢中になる?

YouTubeに夢中になったり、やめられない理由は、脳のドーパミンの影響によるものです。
 
 
ドーパミンは脳が興奮したり、やる気を出したりするときに分泌される神経伝達物質で、快感や幸福感を感じるときに分泌されています。
 
 
しかし、ドーパミンは過剰分泌すると依存症のリスクが高まってしまうのです。
 
 
 
 
YouTubeを見て脳が「楽しい」と感じてYouTube=楽しいと脳が覚えてしまうと、また楽しさを得るためにYouTubeを見たくなります。
 
 
同じ刺激では、ドーパミンの分泌が減るので前よりも大きな楽しさを得るために視聴時間が長くなります。
 
 
さらに、関連動画など興味に基づいた動画をおすすめしてくる機能があるので、やめられなくなり依存性が生まれるのです。
 
 

YouTubeに取りつかれた吃音×登園しぶりのある息子

吃音のある私の息子は、病院の待ち時間で見せたYouTubeをきっかけにハマってしまい、毎日YouTubeを見るというのが当たり前になってしまっていました
 
 
やめさせたいという思いと、YouTubeを見ているときは静かにしていてくれるのでつい見せてしまい、視聴時間が長くなり「そろそろ、動画をやめようか」と言っても「やだ、もっと見たい」といって騒ぎ、時には暴れてYouTubeをやめられなくなってしまいました。
 
 
強制的に消しても、操作方法を覚えてしまっているため、またすぐにYouTubeをつけてしまうという繰り返しでした。
 
 
そんな息子に怒りの感情がわいて「いい加減にして!どれだけ見れば気が済むの?もうYouTube禁止!」と怒鳴ったこともありました。
 
 
 
 
リモコンを隠して見られないようにすると探し回り、見つけられずに大暴れをしました。
 
 
息子が暴れても、私も意地でも見せないということをやっても「見たい」気持ちは収まらず「ママなんか大嫌い」「バカ」と私への不満は止まらず親子関係は崩れストレスから吃音も悪化していました。
 
 
暴れまわる息子と吃音の悪化に、今の対応ではいけないということは感じていました。
 
 
YouTube依存になっている息子を、「どうにかしたい。早いうちにこの状況を変えたい」と行動に移しました。
 
 

子どもとYouTubeをどうやって上手く付き合わせる?私が実践した対応

私が実践した対応をお伝えしますね。

時間を決める

タイマーを設定して「ピっと鳴ったらYouTube終わりにしようね」と約束します。
 
 
5分や15分の短い時間では、当然納得しないので長めに設定します。
 
 
タイマーが鳴ったら「時間だね、消そうね」といいます。
 
 

選択させる・繰り返す

時間になっても消せずにいた場合は「○○くんが消す?ママが消そうか?」選択させます。
 
 
選択できずにいる場合、時間をあけてまた「○○くんが消す?ママが消そうか?」と繰り返します。
 
 
ママの感情がヒートアップしないように、気を付けながらトーンを変えずに何度も繰り返しながら、子どもが選択するのを待ちます。
 
 

肯定する

子どもが選択できて、消すという行動ができたら「YouTube消せたね」と肯定します。
 
 
YouTubeの時間を守れた時も「時間を守れたね」とたくさん褒めます。
 
 
それ以外にも、日常のあらゆる場面で肯定をします。
 
 
朝起きてきたら「おはよう、起きれたね」、ご飯を食べているときに「ご飯食べてるんだね」、お手伝いをしてくれたら「ありがとう!ママ本当に助かるよ」など、いろいろな場面で子どもの行動そのものを肯定する声掛けをします。
 
 
褒めてもらえることで、「できた」という経験が積み重なり嬉しさや、達成感を味わえます。
 
 
この喜びの気持ちにもドーパミンが関わっているので、「もっとママに褒めてもらいたい」と言う気持ちが大きくなり行動量を増やしていくことができます。
 
 

YouTube以外の楽しいことを見つける

家の中ではお絵描き、ブロック、おもちゃで遊ぶなどYouTube以外のもので意識して遊びました。
 
 
 
 
子どもを外に連れ出してボールで遊んだり、追いかけっこや砂遊びをしたり、子どもとコミュニケーションを取ることも積極的にやりました。
 
 
すると、「YouTubeを見ている時間よりも、ママと遊んだほうが楽しい」と言う風に変わっていったのです。
 
 
動画で、一方的に話すYouTubeにママが対抗できるのは、コミュニケーションです!
 
 
一番子どものことをよくわかっているママが、子どもにしっかり向き合えたら最強なのです。
 
 
対応を始めたばかりの頃は反発しましたが、肯定をしっかりしていくことで息子の行動が変わってきました。
 
 
今でもYouTubeは見ますが、時間を決めて見ることが出来ています
 
 
子どもが観ている動画に興味を示して会話しながら見るということもやっています。
 
 
ただ一人で見るのではなく、ママと一緒だから楽しいんだという気持ちを持ってくれますよ!
 
 
吃音も落ち着いて、親子のコミュニケーションが大切なんだということを実感しました。
 
 
子どもとのコミュニケーションを大切にしながら、時間を決めてYouTubeと上手に付き合っていきたいですね。
 
 
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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