2歳で吃音もあってチックもある…吃音とチック、二つのことを同時に考えないといけない!と悩んでいるママはいませんか?吃音に良い声かけと脳の成長を早めてあげることで吃音もチックもどちらも良くすることができる方法をお伝えします。
吃音に良い対応で脳の土台を育てていけば吃音もチックも良くなる
吃音は口から発せられるため口に注目しがち、チックは顔に症状が出ていたら顔に注目しがちですが、実は両方とも脳の中で起こっています。

子どもたちの脳はまだまだ成長期で未熟です。
脳を成長させれば吃音もチックも良くなります。
実は、脳の成長には順番があります。
吃音やチックに関わる能力は、かなりハイレベルな能力で、順番でいうと後から育ってくるところです。
焦らず脳が成長する順番に沿って「脳の土台」から育てていくことで、吃音もチックも両方良くすることができます。
初めての人や慣れていない人、初めての場所が苦手でチックが出ていた
当時の私は、娘の吃音ばかりに意識が向いてチックの症状が出ていることに気づいていませんでした。
吃音に良い対応を徹底的に実践することで吃音はすぐに落ち着きましたが、今度はチックが気になるようになったのです。
初めて会う人や久しぶりに会う人、単身赴任で月1帰省する夫に会う瞬間にも口角が歪むチックが出ていました。

当時の私は、子どもを連れて買い物に行くと時間がかかるし疲れるという理由で、買い物にもあまり積極的に連れて行かなかったり、いろんな人と会わせる機会も多くはありませんでした。
吃音のぶり返しを予防するには困りごとを解決するのが先
吃音のぶり返しを予防するには、どんな困りごとや悩みごとも放置せず、先に解決することがとても大事です。
ですから、チックにも一早く対応を開始しました。
2歳の子の吃音もチックも両方良くなった2つの方法
では、2歳の子の吃音もチックも両方良くなった方法とは一体なんでしょうか?
一つずつお伝えしますね。
◆吃音に良い対応を続けることでチックを良くするベースを作る
吃音は落ち着いてもぶり返しやすいという特徴があります。
ですから、吃音が落ち着いていてもぶり返しを予防するため、吃音に良い対応を続けていくことをおすすめします。
また、吃音に良い対応を続けることで、ママと子どものコミュニケーションをスムーズにして安心感を与えることができるようになります。

これが、チックを良くするためのベースになります。
なぜかというと、吃音やチックの症状が出ている時は、漠然とした不安が背景にあることが多いからです。
子どもとママとのコミュニケーションに安心感があれば、吃音もチックも良くなりやすいんです。
まずはここを習得することをおすすめします。では、その方法をお伝えしますね。
(1) 声のトーンに気をつけて話す
我が家の娘は、声のトーンを高くしてお話するだけでどもる頻度が一気に減りました。
ただ、声のトーンが低めの方がいいというお子さんもいるので、我が子に合った声のトーンを見つけてみてください。
(2)いつも笑顔でいる
人の脳は言葉よりも見た目の情報が先に脳に届きやすいという特徴があります。

ママがいつも笑顔でいるだけで吃音もチックもスーッと落ち着きます。
(3)ゆっくり話す
吃音はママがゆ〜っくりゆ〜ったり話すとどもりにくくなる特徴があります。
ママの話し方を子どもが真似するので、「話し方を練習させられている」と子どもに気付かれずに、子ども自身がどもりにくい話し方ができるようになります。
(4)時間に余裕をもって行動してバタバタしない
お家の中で、ママがバタバタ慌ただしくしていると、繊細な一面を持っていることが多い吃音キッズは「ママ怒っているのかな?」と感じてしまい、その感情がそのまま吃音に影響します。
バタバタしないで済むように20分前行動をおすすめします。
(5)子どもを褒める声かけをする
褒めるにしても、実はいろんなテクニックがあります。
子どもがしていることを褒める、スキンシップ、子どもがしていることに興味や関心を示す、感謝を伝えるなども全部「褒め」に値します。
たとえば、 「シートベルト閉めたね」 「(抱っこをせがまれたら)「抱っこしてほしいんだね」と笑顔でいい抱っこする」 「何を作ってるの?」 「ママの絵を描いてくれてありがとう」などです。

すると、2歳の吃音の子の好ましい行動がどんどん増えて、ママの子育てがグンと楽になります。
そうなれば、意識しなくてもいつでも笑顔・ご機嫌なママになり、それに比例するように吃音が落ち着き、チックも次第に減っていきました。
◆いろんな人に会う機会をつくり初めての場所へお出かけする
娘は初めて会う人や久しぶりに会う人、初めてお出かけする場所で口角を歪ませる顔面チックが出ていました。
なぜこのようなことが起こるのかというと、目で見てその場の状況を理解する力が弱く、見通しが立たないからです。
「わからないから不安」になっていて、その不安な気持ちが顔面チックとして出ているのです。

たとえば、初めて会う人には「この人は自分に何かするかもしれない」と不安に思っていても、初めて会う人だったけど「何も起こらなかった」「何も怖いことはなかった」とわかるようになれば、不安は徐々に減ってくるのです。
また、連れて行ったことのない公園に連れて行くとチックが出たり、ボーッと立ったまま遊具を眺めているという状況では、「これはどんなふうにして遊ぶのかな?」「…ああやって遊ぶんだな」などと他の子どもたちが遊ぶ様子を目で見て理解しようとしているのです。
ボーッと立って眺めているのは、目で見て自分の頭で理解するまでに少し時間がかかっているだけなのです。
ですから、どんどん経験を増やしていけば、脳が学習し、理解するのにかかる時間もだんだん短縮されていきます。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目…というようにパフォーマンスが上がり、脳の負荷も回数を重ねるごとに減っていきます。
ですが、嫌がっているお子さんを無理やり連れ出し、人に会わせるなどの荒治療はおすすめしません。
今のお子さんの状態によっては負荷が強すぎるということもありますので、お子さんの様子を見ながらスモールステップで進めてあげられるといいでしょう。
いかがでしたか?
吃音もあってチックもある…と思い悩むことはありません。
脳が育つ関わり方をしていけば、吃音もチックも両方解決できますよ。
執筆者:はせがわかすみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)