長期休みの終わりに学校に対し不安を感じるようになるワケ

7歳の吃音男子がまだお休み中なのに新学期に不安を膨らませてしまう思考の秘密
繊細さを持っている子の中には先のことを考えて不安を感じやすいタイプの子がいます。
いつもと違うことが苦手で、突発的に起こることに恐怖を感じたり、不安を感じやすいのでとまどってしまい動けなくなってしまうことがあります。
さらに、いま困ることが起こっているわけではないのに、「こうなったら嫌だな。こうなりそうで心配」など、これから起こるかもしれない出来事や状況に対しても不安を募らせてしまう場合があります。

このような未来の不安のことを予期不安と言います。
この予期不安は、吃音と密接に関係しています。
言葉を話そうとした時に、吃らないかな?この音はよく吃るから苦手だなと感じたり、あの先生に注意されたことがあるからまた注意されたら嫌だなと話すことを避けようとするなど、吃音のある子にとってとても影響が強いのです。
この不安を安心に変えてあげることが、吃音をよくしていくことに繋がっていくのです。
不安でいっぱいな息子に私がしたNG対応
わが家には7歳の吃音のある息子がいます。
息子はノリはいいのに心は敏感な隠れ繊細さを持っています。
その隠れ繊細さ故に、長期休みが終わる1週間前から長期休み明けに登校した時のことを想像しては、不安を募らせ「学校行きたくないな」と口にするようになりました。
始業式を前に、「学校行きたくない」と言われると、ママも不安になりがちです。
「学校いきたくないな」という息子の一言を聞くと一緒に不安になり、不安から、「なんで行きたくないの?」「ママ仕事なんだけど」「お休みの間たくさん楽しんだから、学校行けるよね」と私の一方的な感情をぶつけてしまっていました。

「学校行きたくない」と言うのは本人の正直な気持ちです。
このままではその気持ちさえも話してくれなくなってしまうかもしれないと悩むようになりました。
不安を語ってくれた時には気持ちを一緒に整理し自信に繋げる4ステップ
親子のミスコミュニケーションをなくして、吃音をよくするために学び始めた発達科学コミュニケーションのカウンセリングモードを使うことで、子どもの困りごとは何なのかを整理することができるようになります。
これからお話する4ステップは、子どもを説得するためのものではありません。
不安でいっぱいの脳をいったん落ち着かせて、ブレーキの脳の反応を落ちつかせ、前に進むためのアクセルの脳を使えるようにする聞き方です。

「保留」「受容」「理解」「共感」の4ステップで話を聞きながら、子どもが心の内側に持っている不安やイライラの原因を一緒に探していきます。
ステップ1「保留」
「学校行きたくないな」と言われてしまうと焦りの気持ちから、つい頑張りたくないんじゃないかと感情的に反応してしまい、「なんで?」「どうして?」と色々聞きたくなってしまいます。
ですが、学校の事を考えて不安でいっぱいな頭の中を整理させてあげる時間が必要です。
そのため、ママは聞きたいことを質問したり、ママの気持ちを伝えることは一旦しません。
これが保留の状態です。
ついつい声をかけたくなってしまうこの保留の時にこそ、できることがあります。
どんな表情をしているかな?緊張しているのかな?不安はどれくらい強そうかな?とよーくお子さんの様子を観察することです。
様子を観察することに集中すると、お子さんの言葉に反射的にママのイライラをぶつけずに済むようになり、するとママもお子さんも気持ちが落ち着いていきます。
ステップ2「受容」
お互いの気持ちが落ち着いたところでお子さんの気持ちを丸ごと受け止めます。
「不安な気持ちになっているんだね!」「心配なことがあるんだね!」「ドキドキしているんだね!」と今のお子さんの気持ちをまるっとそのまま受け止めてあげます。
泣きながら話してくれたり、怒りながら話してくれるような場合にも、 「泣かないの!」「怒りながら話すなら聞かないよ」と言いたくなってしまうこともあるかもしれませんが、そこはグッと飲みこんで、どんな感情になっても大丈夫だよ!受け止めるよ!という安心感をお子さんにまず届けます。
ステップ3「理解」
お子さんが安心を感じている様子が見られたら、次は理解に進みます。
「学校に行きたくない気持ちなんだね。ママに教えてくれてありがとう」と子どもの気持ちをまるっと受け止めます。
この時に大切なのは、ママが勝手に子どもの言った言葉から想像して、意味をつけるような言葉を返さないことです。
「嫌だったね。」「ダメだよね」などです。
ママが意味をつけて返してしまうと、学校に行きたくないと思うことはダメなことだと理解してしまい、話さない方がいいのかな?と心配になってしまう子もいるからです。
ママが意味付けをせずにそのまま理解をすると、困った時、不安になった時、ネガティブな感情になった時にはママに相談していいんだと安心できる信頼関係を築くことができます。
ステップ4「共感」
お子さんが自分の気持ちを分かってもらえた!と感じる様子が見られたら「共感」に進みます。
「学校に行くことが心配なんだね。何が心配なのか教えてくれる?」と聞きます。
話しても怒られない、話をしっかり聞いてもらえたと思えると、素直な気持ちを教えてくれます。
「学校のプールのクラスが難しすぎるような気がしてる」「行きたくない行きたくない行きたくない」と教えてくれました。 「教えてくれてありがとう」と返事をし、「夏休み中プール行けなかったもんね。プールに行って練習する?」と聞きました。
「練習もしたい。でもレベルも下げて欲しい」と答えてくれました。
「学校が始まったら先生に相談してみようか?」と聞きました。
「そうして欲しい」とほっとした様子で答えてくれました。
カウンセリングモードで話をしたからこそ、お互いに安心した状況でどうしたら良いのかを考えられます。
怒られるかな?こんなこと言っても良いのかな?と不安な気持ちにさせずに、思っていることをそのまま話してくれるようになり、困りごとの内容や、どうしたら良いのかを一緒に考えやすくなります。
長期休み明けの心配事で不安でいっぱいだった7歳の吃音男子は、脳の中でストレスが高い状況だったため、吃音も強めに出ていました。
しかし一緒に相談し、心配事が解決したことで、安心感が増えるにつれて吃音も落ち着いていきました。
お子さんは、不安に思っていること、困っていることの内容を話してくれますか?
ぜひカウンセリングモードを使ってお子さんの話を聞いてみませんか?
きっと安心して本当の気持ちを話してくれますよ。
どんなことも相談できる親子関係が吃音をよくしていきます。
執筆者:こじま さとこ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)

