吃音のある子が学校に行きたくないと言い出したら
もしお子さんが「学校行きたくない」と言ってきたら、親御さんは心配になりますよね。
「何があったのかな?」
「どもりのことで何か辛い経験したのかな?」
「学校に行けない理由が知りたい!」
お気持ち十分にわかります。親として、なんとかしてあげたい気持ちになりますよね。
ですが、お腹が痛い、頭が痛いなど身体症状を訴えて休みたがっている場合は子どもに理由を詮索せず、まずは休ませて心の充電をしてあげてください。
なぜなら、それは子どもからの「限界だよ〜!」とSOSを示すサインだからです。
そして、お休みする!と決めた日からお母さんの「〜ねばならない」を極力捨ててください!
休みの間、どんな勉強をさせるか、何をさせようかと考えるよりも、子どもがため込んだネガティブな感情を発散させ、十分に脳を休ませることが最優先事項だからです。
具体的には、
・ゲームはしたいだけしてOK!
・動画は観たいだけ観てOK!
・おやつは食べたいだけ食べてOK!
・お風呂に入りたくないならいいよ
・寝たいなら寝たいだけいいよ
ぜ〜〜〜んぶ受け入れます。ここで大事なことは、否定的な注目を極力取り去ることです。
おうちを子どもの心が休まる場所に
子どもにこんな好き勝手やらせたら、わがままし放題で逆に学校に行けなくなってしまう期間が長くなるのでは?と思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんなことはありませんので、ご安心ください!
なぜなら、吃音があるないに関わらず、学校にいけない子どもたちの心は「行きたくても行けない。みんなと同じことができない。自分はダメな人間だ。」と自分を責めている子がほとんどだからです。
何をどうしたらいいかわからない状態の時に、家で正しさを求められると、脳は十分にリラックスできないどころか、自分が安心できる居場所・大切な逃げ場を失った感覚にさせてしまいます。
お家ではどんなに落ち込んでも、
どんなにやる気がなくなっても、
「そんな時もあるよね」と温かく受け入れ、親は「今はそういう時期。そこから復活してくるから大丈夫」と信じている態度を示していきます(口では言いません)。
そんな親の態度をみて、子どもも自分の未来に希望が持てるようになり、しっかり復活することができるようになります。
おうちを受け入れてもらえる安心できる場にしてください。そしてお子さんがしていることを肯定的に声かけしていきます。
子どもがどんな自分も受け入れ立ち直る準備が整う肯定の声かけ
子どもがしていることに興味関心を示すというのも肯定の声かけになります。
「起きれたね」
「よく寝てたね」
「どんなゲーム?」
「その動画、面白そうだね」
子どもがまだ心を開いていない時は興味関心を示しても、「干渉しないで!」となりますが、親子のコミュニケーションは良好なものに保って、肯定の声かけで、子どもの自信を育てる時間にしてください。
学校に行けるようになるのは子どものタイミングで
肯定の声かけにより、家で自信を取り戻した子は、こうなれます。
①「明日、学校に行ってみる」と前向きな気持ちになる
②学校でこんなことがあったと、ポツリポツリお話ししてくれることも
もしも子どもが、学校であった出来事などをお話ししてくれたら、とにかく吐き出させることに集中してください。
無理に聞き出そうとするのではなく、「そうかそうか、他には?」と、関心を持ちつつ、気持ちを吐き出させます。
こちらから「明日は行ける?」と聞かなくても大丈夫です。子どもたちの頭の中にはいつでも「学校どうしよう…」という思いがあるので、そこは本人のタイミングに合わせてあげてくださいね。
特に吃音のある子は、親の考えていることに敏感です。
「お父さん、お母さんは、学校に行ってほしいと思ってるんだろうな」と感じ取られてしまうと、「親の期待に応えられない自分はダメだ」と自分を責めて前に進めなくなってしまう子もいるので、そこについては女優になって隠し切ってください。
学校に行こうが行かまいが、我が子が楽しく過ごすためならなんでも協力するよ!というスタンスを見せられるといいでしょう。
ネガティブな感情がやわらぎ、前に進みたいエネルギーが溜まってくると行動を起こし始めます。その時は、笑顔でその気持ちを受け止め、サポートしてあげましょう!
執筆者:おざわつきこ
(発達科学コミュニケーションマスタートレーナー)