吃音×登園しぶりのある子どもが激しい癇癪を起こした時、そんな子どもの感情に引っ張られてママも、だんだんとイライラして怒ってしまうこともありますよね。そこで、激しい癇癪を起こしたときの対応法をお伝えします。
もうイヤ!吃音のある子どもの癇癪にうんざり
吃音×登園しぶりのある子どもが癇癪を起こして大声で泣いたりすることに悩んでいませんか?
泣くだけでは収まらずに、時には暴言を吐いたり、物を投げたり、叩いたり、蹴ったりすることもあるかもしれません。

そんな子どもを見ていると、ママも「いい加減にしなさい!」と感情的になってしまいますよね。
そんな、癇癪を起こす日が続くということがあれば、ママの心も疲れ切ってしまいます。
対応しなくちゃいけないのが大変で、時には逃げ出したくなってしまうような気持ちになることもあるかもしれません。
私もそんな一人でした。
子どものイライラ感情はうつる?
感情は、良くも悪くも身近な人から伝染するものです。
子どもが楽しそうに笑っているときに、それを見たママも嬉しくなったり、幸せな気持ちになりますよね。
反対に、子どもが悲しくて泣いているときには、ママも悲しい気持ちになります。
そして、子どもが癇癪を起こしているときには、それを見たママも子どもの気持ちに巻き込まれて、だんだんとイライラして怒りの感情が湧いてきますよね。

これらは、感情が伝染しているからです。
こうして、ポジティブな感情も、ネガティブな感情も、自然と身近な人の感情に影響を受けてしまうものなのです。
吃音×登園しぶりのある息子の癇癪
私には吃音×登園しぶりのある息子がいます。
登園を嫌がることは、毎日のことでしたが以前、機嫌が悪く大暴れした日がありました。
朝起こしに行くと、なかなか起きないので、いつものように対応しようとすると、急に起き上がって私を叩いたり、足をバタバタとさせながら蹴ってきて、感情を爆発させてきました。

それに対して私が、「痛い!何するの!」と反応するとさらに叩いてきて、部屋に置いてあるものを投げ始めました。
「いい加減にしなさい」と息子の手を掴んで制止しても、息子の気持ちは収まらないようでした。
私は怒りの感情と悲しい感情が混じる中、しばらく手を掴んだまま、まだ暴れようとする息子を必死に止めていました。
目に涙をためながら、泣くのをこらえてしばらくそのままの状態で、息子の感情を何とか落ち着かせようと止めていました。
しばらくすると、息子は落ち着いたようで泣きながら「ママ、さっきはごめんね」と言ってきました。
どうやら、ストレスを抱えていて、溜め込んだストレスが爆発したようでした。
このようなひどく激しい癇癪をおこした朝があり、今思い出しても辛い記憶です。
癇癪への対応は子どもを無視する?
では、どのように対応したら良かったのでしょうか?
子どもの癇癪に対しての一番のポイントは、「スルー」することです。
スルーとは、無視をするということです。
子どもを無視するというと、なんだか聞こえが悪いかもしれませんが、理由がしっかりあります。
それは、感情の伝染によって子どものイライラ、怒りの感情に巻き込まれないためにスルーします。
子どもはママに反応してもらえることが嬉しいので、たとえそれが「やめなさい」などという怒りの反応でも、その反応を嬉しく感じて「ママが反応してくれるからまたやろう」というように誤った学習をします。
それを防ぐために、子どもにやめて欲しい行動をスルーします。
なので、暴言や暴力に対しても一切反応しません!
叩かれるのはすごく痛いですが、「痛い!」と心の中で思っていても、ママは口にも顔にも出さずに大女優のように余裕を見せます。
子どもと目を合わせず、叩かれていても気づいていない、平気な顔をして平然を装い、家事や本を読むなど他のことをします。
子どものやってくる良くないことに対して、背中を向けて完全にスルーします。
スルーしているときに、怒りのオーラやため息をつくのはNGです。
頑張っていつも通りの、自然体をつくりましょう。
何をやっても相手にしてくれないとわかると「子どもは叩いても蹴ってもママは反応してくれない」ということを学習します。
スルーしつつも、子どもの様子を気にしながら、子どもが気持ちを切り替えて何か良い行動をするのを待ちます。
そして、子どもが良い行動をしたときに、褒め逃さないようにするのも大事なポイントです。
例えば、暴力をやめて言葉で「ママ…」と話してきてくれたとしたら、それが良くない内容だとしても「お口で言ってくれてありがとう」と子どもを褒めます。
ママが反応してくれた行動は、「褒めてもらえた!またやろう」と学習するからです。
このように、徹底して良くない行動をスルーすることで、子どもはママの反応を見て「次にこうしよう」という学習をして行動を変えていくことができます。
私が対応を変えて、息子をスルーすることで徐々に癇癪を減らし、暴力をふるうことはなくなりました。
吃音のある子どもに、ストレスは大敵です。
ストレスにより吃音は悪化し、子どもは上手く話せないことでさらにストレスを感じて、行きたくない気持ちは膨らんで、登園しぶりも悪化するという負の連鎖が起こります。
ストレスを抱え込み、爆発するということのないように、子どもの状態をしっかり観察して、ストレスを溜めないようにおうちでのママの対応が大切になります。

そのためには普段のコミュニケーションが大切です。
ママ自身が、どれだけ子どもにとっての安心できる場所になっているのか、どれだけ子どもの気持ちに気が付くことができるかが、癇癪を減らすことにも繋がります。
激しい癇癪は、ママの忍耐力が伴いますが、反応をしないことの徹底で癇癪は減らしていけます。
暴力を伴わない癇癪にも、同じことが言えます。
子どもの癇癪にママは応戦しないで、スルーをして徐々に良くない行動をなくしていきましょう。
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)