良くなったと思ったらまた吃音がでてくるという、子どもの吃音の波に心を揺さぶられていませんか?気にしたくないのに、つい気になってしまいますよね。ママの心の持ち方についてお伝えします。
ママは子どもの吃音に振り回されている
「良くなったと思っていたのに」「また出ている」と子どもの吃音の波が気になることはありますよね。
吃音が出ているとき、心配になって子どもの話が全然入ってこなかったり、頭の中を子どもの吃音に対する悩みに支配されていませんか?

そんな吃音の波に、ママの心が不安定になってしまうと、ネガティブになって辛いですよね。
子どもはママの細かい変化にも気がつく天才
子どもは、ママをよく見ています。
行動、表情、発する言葉から色々なことを感じとります。

ママが笑っていれば安心を感じ、ママが不安な顔をしていると子どもも不安や緊張を感じてしまうのです。
大好きなママのことは、特によくみているので、ママが吃音を気にして表情に曇りがでていると敏感に感じ取られてしまいます。
ママのピンチは子どもにとってもピンチなのです。
出口の見えない息子の吃音に頭の中を支配される日々
私には吃音のある息子がいます。
吃音がひどい時期があり、そのあと落ち着いていて、もう大丈夫なのかなと思っていた矢先にまた吃音が出てきました。
「うそでしょ」という思いでいっぱいになり、ショックで気持ちが沈んでしまいました。
息子が話しかけてくるたび「どもらないで」と心の中で願って、息子の話の中身はほとんど頭に入ってこなくなってしまっていました。
そんな私に「ママ!聞いてるじゃん」といって、質問に答えない私に息子が話しかけてくるということが当時多くありました。
そんなある日「ママ、僕のこと嫌いなの?」と聞かれました。
ハッとして、「嫌いなわけないよ!大好きだよ」とすぐに答えました。
「じゃあ、なんでいつも僕のお話をきいてくれないの?」と悲しそうな顔で言われました。
「聞いてるよ」という嘘はつけませんでした。

がっかりした顔をする息子に「ごめんね、ママちょっと考えてたんだ」と本当のことを話すと、「嫌なことあったの?」と聞いてくるので返事がしにくく、話をそらそうとすると「嫌なことがあったら面白い動画があるから教えてあげるよ!」といってYouTubeで見た動画の話をしてくれました。
「こ、こ、これを見れば、ママ面白くて笑っちゃうと思うよ」とどもりながら話す息子の言葉に笑顔になりながら、ポロポロ涙がでてくるのを抑えきれませんでした。
「どうしたの?」と心配する息子に笑顔で「大丈夫だよ」と言って動画を一緒に見て2人で笑いました。
元気のない私を笑わせようとしてくれる息子の姿に、吃音の波を息子以上に、気にしていたのは私の方だったことに気づかされました。
暗い表情の私に笑っていて欲しいんだなとわかりました。
それから、今の自分を変えるために、考え方を変化させていこうと思いました。
息子に心配をさせてしまったことを、申し訳なく思いました。
ママがポジティブの魔法をかけよう
ママの悩みである、話しているときに子どもが「どもった」「どもらなかった」ということは実は重要なことではなくて、大切なのは話している内容なのです。
吃音のある子は、どもりながらでも、一生懸命伝えようと頑張っています。
なので、ここで大切なことは「ちゃんと伝わった!」という成功体験を重ねるということです。
自分が話した内容がしっかり伝わって、ママが話に共感してくれた、笑ってくれた、一緒に考えてくれたということを積み重ねて、吃音のある子どもが抱えやすい話すことに対する不安な気持ちを取り除くことが大事なのです。
「○○くんの話って面白いから好きだな」「もっとたくさんお話聞かせて」とママが話の内容に興味を持ってくれると子どもはもっと話したい気持ちを持って、話すことに自信がつきます。
そして、ママの心の健康が子どもにも影響を与えます。
ママの笑顔は、子どもを安心させるお薬なのです!

ママが笑っていると、子供も笑顔でポジティブになれます。
吃音のある子どもには「ポジティブ」であることがとても大切です。
失敗してしまった時に、「こんなこともあるよね!気にしない」という気持ちが大切です。
例えば「卵焼きを焼きすぎて焦がしちゃった!まあそんなときもあるよね!」と前向きな気持ちで受け止めるママを見せていくことで、子どもにも失敗をくよくよせずに受け止める気持ちが芽生えます。
それは、吃音に対して「どもっても気にしない」という気持ちを持ってほしいからです。
ネガティブになると「どもった」ということに対する自分への責める気持ちを持ってしまい、話すことを避けるようになったり、人を避けるようになることがあるからです。
自分の話し方を気にしてしまうと、どもりやすくなってしまいます。
吃音を気にしなくなることが、吃音を良くすることになります。
子どもにとってのお手本はママです!
親子のコミュニケーションを取りながら、ママがポジティブな姿勢をどんどん見せて吃音のある子どもの気持ちにポジティブを育てていきましょう!
執筆者:広瀬つばき
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)